「Vol.141 なぜ「グループ経営計画」が作成できないのか?」において、
グループ経営計画が作成されない背景として、
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①連結グループ経営ではなく、たんなる複数会社経営になっている
②連結決算の仕組み自体が存在しない
③連結決算は導入しているが社長自身がその仕組みを理解していない
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の3つの要因を
挙げさせていただきました。
今回は、このうち
「②連結決算の仕組み自体が存在しない」
の点について、
少し補足をさせていただきたいと思います。
まず「グループ経営計画」というと、
いろいろな要素が盛り込まれるものですが、
多く分けると、
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●定性情報
●定量情報
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の2つに分けられます。
定性情報には、
グループとしての経営理念や
グループ戦略等が語られます。
一方で、
定量情報としては、
目標とする売上高や利益と言った
いわゆる「グループ経営予算」が
メインで語られます。
定性情報、定量情報、
どちらが重要かというと、
どちらも重要です。
仮に順番を付けるとすると、
「定性情報⇒定量情報」
という順になるような気がしますが、
だからとって言って、
定性情報の方が定量情報より重要、
というわけでもないと思っています。
両者は表裏一体の関係で、
思いを言語化したものが「定性情報」であり、
思いを数値化したものが「定量情報」、
ということです。
それでは、多くの企業では、
この「定性情報」と「定量情報」が
きちんと盛り込まれた経営計画が
作成されているのでしょうか?
この点については、
「多くの企業では定量情報の作成の方は苦手にしている」
という回答になると思います。
思い(経営理念)を具体的にするには、
まずは「言語化」が先に行われます。
この「言語化」されたものを
より具体的にするために、
次のステップとして「数値化」作業に
移行していくのが一般的です。
いわゆる「経営予算」作りです。
「言語化」のところまでは、
出来ている会社が多いと思いますが、
一方で、
「数値化(予算化)」という作業になると
結構難しいものです。
ざっくりとした「経営予算」を
作成することはできても、
きちんと中身のある予算にしようと思うと、
その裏にある「活動」が
かなり具体的になっている必要があるからです。
さらに、
これが「グループ経営計画」における
「グループ経営予算」作りとなると、
難易度がよりアップします。
なぜかというと、
「グループ経営予算」をきちんと作成するには、
その前提として「連結決算」の仕組みを
理解している必要があるからです。
そのため、
連結グループ経営を実践していても、
連結決算を導入していない会社では、
本当の意味での「グループ経営予算」の作成は
出来ないということになります。
その結果として、
どのような「グループ経営予算」が作成されるかというと、
グループ各社の数字のたんなる積み上げ、
といった感じになっていきます。
本来、「グループ経営計画」のなかでは、
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●グループのベクトルを1つの方向に向かせる
●グループ全体とグループ各社の活動の関係を見えるようにする
●グループシナジーを明確にする
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といったことを明示していく必要があります。
明示していくにあたっては、
数値化(グループ経営予算化)することも
必要になります。
ただ、
グループ各社の予算の「単純合算」では、
上記のような「連結グループ経営」のポイントが
数値化されたものとはなりません。
結局、
「連結決算の仕組み」を構築できていなければ、
本当に意味のある「グループ経営計画」は
作成することができない、と言えます。
普段から「連結決算の仕組み」を構築しておき、
予算作りの段階においても、
連結決算の概念を反映させることが
連結グループ経営においては
必須と言えるでしょう。