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Vol.100 なぜホールディングスで組織習慣を作れるのか?

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前回の記事で、
グループ全体で「良い組織習慣」を作るためには、
ホールディングス経営が効果的である、
とお伝えさせていただきました。

今回は、
その補足をさせていただきます。

まず、
ホールディングス経営と一口に言っても、
いろいろな構造が考えられます。

グループ経営をしている会社で
ホールディングス移行する例が
最近は目立ちます。

とはいえ、
ホールディングス経営は、
採用され始めて歴史の浅い形態です。

その活用の仕方も
試行錯誤な側面が多いのも事実です。

ホールディングス化したものの、
あまり使いこなせていない事例も
よく耳にします。

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逆に、そうだからこそ、
ホールディングスには、
まだまだ、いろいろな可能性がある、
と私は思っています。

ホールディングカンパニーが
グループリーダーシップを発揮して、
グループ全体を指揮統括していくこと。

各子会社に権限と責任を委譲し、
スピード感あるグループ経営を実践していくこと。

M&A等に対応できる、
機動的なグループ経営を目指すこと。

いろいろな目的はあると思いますが、
何を目的にするかは、
経営者が決めれば良いと思います。

おそらく、
多くの経営者は、
トップダウンとボトムアップの
両方のバランスがとれた経営
ホールディングス経営に
期待をしているのではないかと思います。

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但し、
私はグループの形を変えても
そこに魂が入っていなければ、
実態を変えていくのは難しいと思っています。

なぜならば、
上記に挙げたような目的は、
別にホールディングスにしなくても、
チャレンジできるような内容だからです。

そのようななかで、
これからのグループ経営の形として、
フォロー型のホールディングス経営に
大きな可能性を感じています。

参考として、
Vol.65 これからのホールディングス経営の形は?
Vol.76 ホールディングカンパニーの絶妙な立ち位置
Vol.96 グループ「経営参謀」としてのホールディングカンパニー
等の記事もご参照いただければと思います。

つまり、
グループの先頭に立って、
リーダーシップを発揮するとともに、
グループの最後尾で現場をフォローする
ようなホールディングス経営です。

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とくに、
この「フォロー」する役割を
ホールディングカンパニーに
きちんとミッションとして与えること。

これが、ポイントだと思っています。

グループ内で「良い組織習慣」を
根付かせていくためには、
個人の意志に頼っていては難しいです。

習慣化が
得意な社員もいると思いますが、
苦手な社員もいるはずです。

人それぞれ、
強み、弱みがあり、性格も違います。

組織としては、
その事実を受け入れたうえで、
習慣化が苦手な社員でも、
ついて来れるような形にするのが、
組織の「仕組み」です。

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個人の努力も当然必要ですが、
個人の努力が難しい場面において、
フォローしてあげるのも組織の役割だということです。

そう考えた場合、
組織として、
「個々人をフォローする役割」
がとても重要になってきます。

組織としての仕組みの中で、
個人の習慣化をサポートしてあげることで、
逆に個人の意志の強さを作ってあげる、
くらいの考え方で臨むべきだと思っています。

そして、
グループ経営の場合には、
このサポート役を
ホールディングカンパニーが担うのが
最適だと思うのです。

経営者の経営参謀として、
かつ、現場のサポート役として、
ホールディングカンパニーが活躍する経営。

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このようなホールディングス経営が、
トップダウンとボトムアップの
絶妙なバランスの実現を可能にしてくれます。

実は、
個々人をフォローする役割というのは、
結構難しい役割です。

口を酸っぱくしてでも、
フォローする必要があります。

ときには、
嫌われ役になるかもしれません。

それでも、
このような役割を担えるのは、
やはり「親」である、
ホールディングカンパニーです。

子が嫌がるようなことでも
子の成長のためであれば、
いろいろな切り口を用いて、
親としてフォローし続ける必要があるのです。

多くの会社では
この「フォロー役」が中途半端になったり、
「言ってもムダ」と諦めたりするので、
習慣化が組織に根付きません。

この最大の原因は、
「フォローできなくても許される」
という仕事になっているから、
だと思います。

これでは、
習慣化も難しいです。

一方で、
ホールディングカンパニーのミッションを
「メイン業務=子会社・グループ社員をフォローすること」
と明確にしたうえで法人化することで
このような「逃げ」はできなくなります。

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それをやらなければ、
法人の「存在意義」が無くなるからです。

 

社長としてやるべきことは、
2つです。

1つは、
グループ経営の形をデザインし、
きちんとホールディングスの形を作ること。

そしてもう1つは、
ホールディングカンパニーに、
「現場フォロー」というミッション(存在意義)を
きちんと与えること。

この2つを意識したうえで、
グループ内に「良い組織習慣」を
根付かせるよう取り組んでみていただきたい、
と思います。

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