私は仕事柄、
「別会社を作りたい」
「新しく子会社を作りたい」
「他社の株式を買いたい」
「分社化したい」
といった相談を受けます。

いわゆる
「グループ経営を拡大していくための決断」
についての相談です。

とはいっても、最終決定は、
経営者が下すべきものですので、
私自身は、
やるべき、やるべきでない、
という最終決定は当然できません。

また、
実際に私に相談をいただく時点では、
すでに経営者の心のなかでは、
実施することを決定されていることがほとんどです。

Vol.64(4)

但し、
いろいろな事例を見てきた私が
客観的かつ冷静な視点で考えた場合に、
正直、
「これは少し厳しいかも」
と思うことも少なくありません。

多くの会社が、
新しく子会社を作ったり、
他社から事業を買ったりする時代ですが、
実際に、
このような取引が成功する確率は、
高くないのが実情です。

私の感覚では、
このようなグループ経営を
拡大するための取引の成功確率は、
「20%にも満たないのでは?」
といった感じです。

Vol.52(2)

だからといって、
グループ経営を拡大していくことは
避けましょう、
という思いはありません。

経営者であれば、
いろいろな可能性があれば、
チャレンジをしていきたくなるものですし、
仮にその投資が失敗したと一時的に思っても、
そこから学び将来に生かしていければ、
成功につながります。

ですので、
経営者自身が取り組みたいという案件であれば、
「やってみるしかない」
と考えていますし、
「トライすべき」
だと思っています。

経営者自身が最終判断をして、
経営者自身がその判断の結果を直視しなければ、
たとえ、どのような結果になろうと、
納得感は感じられないと思いますので。

Vol.25(1)

但し、
グループ経営を専門にしてきている
私の立場としては、
「致命傷になる経営判断は避けてほしい」
という願いはあります。

小さなチャレンジであれば、
PDCAを回しながら、
トライ&エラーを繰り返していく方が
早く成功に近づけるはずです。

一方で、
会社に大きなダメージを負わせてしまう、
「致命的な経営判断ミス」
は経営者として絶対に回避するべきです。

とくに、
体力のある大企業とは違う、
小さな会社や中小企業は、
致命傷を回避することが最優先であり、
経営者としての責務です。

Vol.15(3)

今回テーマにしているような、
別会社を買ったり、
多額投資を伴う子会社設立、といった
グループ再編を伴う経営判断は、
一歩間違うと「致命傷」になりかねない類の
経営判断となる傾向があります。

投資額も大きくなりがちですし、
グループ組織全体のバランスが崩れてしまう
場合も多いからです。

これまで私自身も
いろいろな経験をしてきましたし、
多くの失敗事例、成功事例を見てきました。

このような経験が
少しでも参考になればという思いもあり、
今回は、私が考える
「致命傷を避けながら、
グループ経営を拡大していくためのポイント」
について、
お伝えできればと思います。

 

Vol.15

私なりに考えるポイントは、
以下の3つです。

それは、
①地域を広げない(どこで)(参照:Vol.79 / Vol.80
②顧客を広げない(誰に)(参照:Vol.81 / Vol.82
③製品(商品)を広げない(何を)(参照:Vol.83 / Vol.84
の3つです。

とくに小さな会社、中小企業は、
このポイントを是非意識したうえで、
グループ経営の拡大を検討していただきたい、
というのが私の考えです。

グループ経営を「拡大」していくのに、
なぜ「広げない」ポイントばかりなのか?

このような疑念を抱かれるかもしれませんが、
小さな会社や中小企業は、
やはりこのスタンスでグループ経営を拡大していくのが、
最終的には持続的成長(≒永続)ができるのではないか、
というのが私の考えです。

Vol.67(1)

理由については、
今後お伝えしていきたいと思っています。

今回はまずは、
「致命傷にならない、グループ経営の拡大」
について、
経営者には是非意識をしていただきたい、
と思っています。