これまでも何度もお伝えしてきましたが、
連結決算の仕組みの中では、
グループ会社間で行っている売上は、
すべて消去されます。
(参照:【用語】連結決算①【用語】連結決算②

つまり、
グループ全体を1つの会社と考えて
決算書を作り、経営をするため、
グループ内でどれだけ発注・受注を繰り返しても、
それは数字には表さない、
ということです。

Vol.60(1)

少し考えていただくと
当然のことだとわかっていただけると思います。

身内の会社にモノを販売しただけで、
自由に数字を作れるというのも、
おかしな話ですし、
そもそもグループ経営という視点では、
経済合理性が低い取引ですので。

ただ、
グループ内取引のすべてが、
意味が無いというわけで決してありません。

経営上必要性がある取引であれば、
数字上は消去されたとしても、
当然意味はあるはずです。

すべてのグループ内取引を否定するわけでは
当然ありませんので、
その点はご留意いただければと思いますが、
その場合であっても、
経営者には意識していただきたい視点があります。

それは、
「グループ売上高」「グループ原価」
です。

Vol.63(1)

連結グループ経営において、
グループ会社への売上は、
すべて消去されます。

つまり、
モノをグループ会社へ販売したとしても
それは単なる「社内移動」のような
位置づけされるのです。

一方で、
そのためには、社内コストがかかっています。

たとえば、
グループ会社の社員がモノを動かしたり、
伝票を入力したり、
お金を動かしたりします。

これ以外にも
目に見えづらいコストもあると思います。

グループ内取引が数字上消去されたとしても、
そこにかかっていた作業が発生している事実は残ります。

Vol.63(2)

このような例からもおわかりの通り、
グループ内取引は、
本当に必要性があったうえで実施しなければ、
グループ経営という意味では
エネルギーやお金を浪費している取引と
いえるのです。

グループ経営者には、
是非、
「グループ外への売上=本当の収益」
「グループ内への売上=ただのコスト」
という視点を意識していただきたいと思います。

もし、
現在グループ内の取引があったり、
今後新しい会社を作ってグループ内で取引を検討している場合には、
「このグループ内取引は本当に必要なのか?」
という点について、
見つめ直していただければと思います。

Vol.15(3)

それでも必要だと思う取引であれば、
問題ないと思います。

一方で、
その必要性について疑問を少しでも抱くようであれば、
再考が必要かもしません。

もしかしたら、
複数会社化している
グループ組織デザイン自体に
問題がある場合もあるかもしれません。

また、
経営者としては、
目を背けたくなる現実もあるかもしれません。

それでも、
連結グループ全体としての
企業価値の最大化を目指す経営者であれば、
現実を直視し、
グループ最適になるような経営判断を
下していく必要があります。

Vol.35(1)

但し、
仮に現状を直視したうえで、
何らかの理由で、
経済合理性のない取引等を残す、
といった経営判断をするのであれば、
それはそれで良いと思っています。

そこには、
経営者としての「意志」があるからです。

一番問題なのは、
グループ全体の現状を直視することもせず、
漫然と経営をしていくことです。

きちんと、
グループの個社個社だけでなく、
グループ全体としての「現状」を、
経営者として把握できていますか?

きちんと、
グループ経営者として「意志」をもって、
経営判断をしていますか?

いずれにしましても、
経営者としては、
まずはグループ全体の現状を把握することに
努めていただきたいと思います。

実質的なグループ売上高はいくらなのか?
グループとしての原価は本当はいくらかかっているのか?

Vol.17(2)

このような具体的かつ正確な
現状把握無くして、
適切な経営判断は決してできませんので。

ちなみに、
グループの全体像を把握するうえでは、
「連結グループ業務フローの作成」
も効果的ですので、
また別の機会にお伝えしたいと思います。