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Vol.35 ホールディングスとして最初に作るべき仕組みは?

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ホールディングス化することのメリットやデメリットは、
これまでいろいろと書いてきました。

今後も、メリットやデメリットについては
書いていきたいと思っていますが、
その大前提として、
とても大事な視点を書いておきたいと思います。

それは、
ホールディングス経営を最大限に生かすために
何よりも最初に作り上げていただきたい「仕組み」
があるということです。

これは、ホールディングス経営に限らず、
会社経営するにあたっては、
経営者としてとても重要な仕組みなので、
本来は「ホールディングスだから」といった仕組みではありません。

それでも、最初に強調させていただくのは、
複数会社化したり、ホールディングス化すると、
今まで以上に見えづらくなることが多くなるため、
新たな「仕組み」が必要になるからです。

その仕組みとは、
「グループ全体の現状を正確に把握する仕組み」
です。

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なぜなら、
あらゆる戦略や改革の原点になるのは、
「現状を正確に把握すること」
から始めるからです。

現状を正確に把握できない組織では、
適切な戦略を作ることはできません。

経営者が正しい経営判断を下せるかどうかは、
「現状を正確に把握できているかどうか」
に尽きると言っても過言ではありません。

おそらく経営者であれば、
現状を早く知りたい、今何が起きているのか正確に知りたい、
と思っても、現状把握ができない状況に直面することが、
多くあるのではないでしょうか?

このような状況を放置したまま組織拡大することは
とても危険なことです。
ましてや、会社が複数会社化する状況にあるのであれば、
なおさらです。

とくにこれから企業成長し、組織拡大を目指す
小さな会社や中小企業の場合には、
この視点を是非注意をしておいていただきたいと思います。

この「現状把握を正確にするための仕組み」を
作らないまま組織が拡大したことで、
組織内がグチャグチャになる、
という事例を本当に多く見かけてきました。

Vol.37(5)

きっと小さな会社や中小企業の社長は、
経験や勘、人的つながりを駆使して、
自ら積極的に動き回って、社内情報の収集する活動を
自然とされてきていると思います。

このような活動は社長独特の経験・能力でもあり、
引き続き実施していただきたいのですが、
組織拡大や複数会社化を前提にすると、
それだけではどこかで限界がやってきます。

そのため、
・社長が自ら情報を取りに行かなくても
・現状の正確な情報が
・決められたフローで、
・決められたフォーマットで
・タイムリーに、
・具体的な形で
・経営者のところまで必ず届く
といったような組織にしていくことを
是非チャレンジしていただきたいと思っています。

漠然としたデザインだけでは機能しません。

いつ、誰が、どのように、・・・といった感じで、
具体的にデザインをしなければ、
現状を正確に把握できる「仕組み」は構築できません。

なぜならば、
1つの会社のときのように単純ではないからです。

会社が複数化、ホールディングス化した場合、
1つの会社のときと同じ仕組みでは限界があり、
今までとは異なる「仕組み」が必要になります。

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グループ各社の現状を正確に把握しつつ、
グループ全体の現状も正確に把握する必要があるのです。

とくにホールディングス経営の場合には、
グループの頭脳としてホールディングカンパニーが、
このような「仕組み」の中心となるため、
とても重要な役割を担います。

そして、
経営者には、
このような仕組みをデザインすること、
そして、デザイン通り運用されるまで、
フォローし続けること、を
必ず意識しておいていただきたいと思っています。

連結グループ経営に成功している経営者は
「グループ全体の現状を正確に把握する仕組み」を
必ず持っていますので。

ちなみに、グループ全体の現状を把握する仕組みの1つとして、
「連結決算」を活用する手法がありますが、
連結決算については、また別の機会に書かせていただきます。

Vol.6

今回は、連結決算を実践する際の前提にもなる
グループ会社の各種情報を吸い上げる仕組みづくりの重要性について
まずは強調しておきたいと思っています。

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