記事一覧

Vol.29 なぜホールディングス型の連結経営なのか?

Pocket

日本では昔、
純粋なホールディングス形態が
認められていなかったこともあり、
ホールディングス形態が流行り出したのは、
比較的最近といえます。

まだまだホールディングス形態ではなく、
通常の事業会社が親会社となり、
その下にいくつかの子会社をもつ、
といった形の従来型のグループ経営スタイルが
多いと思われます。

Vol.29(3)

但し、
毎年着実にホールディングス形態の
グループ経営が増えているのは確かです。

一方で、
ホールディングス形態の採用が上手くいかず、
従来型のグループ経営スタイルに戻す、
といった事例はほとんど聞きません。

実際にホールディングス経営が上手くいっているかどうかは、
各社それぞれだと思います。

ホールディングス移行しても
想定通りに実践できていない会社もあるとは思います。

それでも、
従来型のグループ経営に戻すという事例は
ほとんど聞かれません。

ホールディングス経営は
頭も使いますし、労力もかかります。
1つ会社を余分に作ることになるので、
法人維持管理コストもかかります。

それにもかかわらず、
一度採用したら、
ホールディングス経営を止める
という流れは無いのは、なぜでしょうか?

Vol.29(2)

この理由としては3つあると思っています。

1つ目は、
ホールディングス形態への移行は
それなりの全社的なプロジェクトであり、
少し上手くいかないからといって、
簡単に元に戻すわけにはいかない、
といった社内状況があると思います。

2つ目は、
まだ一般的にホールディングス経営の
研究や実務の歴史が浅いため、
ホールディングス経営を止めることが
どのような影響を与えるかが見えづらい、
といった状況もあると思います。

そして最後に3つ目の理由が、
本質的な内容だと思っています。

それは、
「事業会社機能」と「連結グループ経営機能」は
本来、別々の機能であり、
別々の会社として経営をしていく形が
シンプルであり、わかりやすく、管理しやすい、
ということを経営者が考えているからだと思います。

Vol.5

従来は、法律上の制約もあり、
事業会社である親会社が子会社を有して、
通常の事業とともに親会社機能も発揮する形で、
連結グループ経営をしてきました。

本来あるべき「連結グループ経営のあり方」について、
企画し、組織化する自由度が従来は少なかった、
といってもよいと思います。

但し、現在は法律上の制約が無くなり、
1つのグループ組織形態として、
ホールディングス経営を選択できるようになったのです。

最初は、
「ホールディングスなんて当社に関係あるの?」
といった思いがある会社も
あったかもしれません。

それが時が経つにつれて、
採用事例が増え、実務にも定着してくると
経営者の考えも変わってきているのだと思います。

最近では、
ホールディングス形態は、
「グループ経営を実践するうえで理にかなっている」
ということに経営者が少しずつ気がつき始めている、
状況だと思います。

Vol.7

これまであまり深く考えず、
事業会社である親会社が子会社の株式を持ち、
子会社管理をしていました。

しかし、
親会社も自社の本業があります。
この傍らでグループ管理機能も有していると、
どちらも中途半端になることもあります。

さらにいうと、
そもそも「事業機能」と「グループ管理機能」は
同列にある機能ではないはずです。

それを、1つの親会社のなかで
同列に機能を持ち、実施していることは、
経営管理上、望ましい形ではない、
と経営者が感じてきているのだと思います。

きちんと、
・事業としての機能
・グループ管理の機能
の2つを分けるという視点に立つと、
自ずとホールディングス経営の思考に
行きつくのだと思います。

そのため、
一度採用したホールディングス経営を
従来型の連結経営に戻すという事象は生じづらい、
という状況にあると考えています。

このホールディングス型の連結経営スタイルへの移行は、
経営者思考としては自然の流れだと言ってよいでしょう。

Vol.29(1)

小さな会社であっても、
いずれはホールディングス形態を考える時期が
来るはずです。

そうであれば、
小さな会社であっても
早くからホールディングス連結経営に
取り組んだ方が断然有利になるのではないでしょうか。

連結グループ管理機能を有する
ホールディングカンパニーを別会社として作り、
責任をもって連結グループ経営を推進していくスタイル。

是非、検討だけでもしてはいかがでしょうか?

関連記事