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Vol.30 ホールディングスによるグループ経営管理

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ホールディングス経営において、
グループの頂点になる会社が、
ホールディングカンパニーとなります。

Vol.30(1)

つまり、グループ企業全体の
親会社的な立場です。

日本語表現としては、
持株会社とも表現されます。

このホールディングカンパニーは、
資本関係の最上位にあるため、
各グループ会社の株式を保有することになります。

そのため、
ホールディングカンパニーは
グループ企業の儲けを
最終的には配当という形で、
吸い上げることが想定されています。

Vol.30(3)

一般的には、
ホールディングカンパニーの収入源としては、
この配当収入の位置づけが
大きな割合を占めるとされています。

ホールディングカンパニー自体は、
グループ外部へのサービス提供を前提としていないため、
グループ外部から収入を得ることはありません。

そのため、グループ内企業からの収益で
成り立つ会社といっていいでしょう。

但し、グループ会社の株式を保有して
配当収入だけを目的にする会社であれば、
あまり存在意義は乏しいように思います。

確かに、
グループ全体の資産管理会社としての役割は
あると思います。

これはこれで重要な役割になるのですが、
ホールディングカンパニーを
資産管理だけをメインにするのは、
とてももったいないと思います。

極論すると、
そのようなホールディングスであれば、
別にわざわざホールディングカンパニーとしての
法人をつくらなくても、
オーナー個人で株式を保有しても
よいとも言えます。

Vol.30(2)

実際には税金の問題とか、
事業承継の問題等を考え出すと、
いろいろな考え方はあるのですが。

このような税金等の対策がかなり明確になっていて、
これを主目的に対応するのであれば、
それはそれで有効な考え方です。

但し、私としては、
税金等の対策はあくまで主目的とはせず、
副次的な目的くらいにして
ホールディングスを検討した方が、
最初は良いと思っています。

主目的が節税等になってしまうと、
思い通りに行かない場合に、
ホールディングス経営を維持していくのは
結構難しいと思います。

とくに小さな会社や中小企業の場合は、
これから企業成長をしていく手段として、
ホールディングスを活用された方が、
よいと思っています。

企業成長の仕組みとして、
ホールディングス経営を取り入れ、
その一環として、
税金対策や事業承継等も
1つの戦略として取り組めばよい、
ということです。

Vol.30(4)

それでは、
企業成長の仕組みとしての
ホールディングス経営において、
ホールディングカンパニーの最も重要な役割は
何になるでしょうか?

それは、
連結グループ企業価値が最大化するような
グループ経営戦略の立案と実行推進です。

つまり、
連結グループ理念のなかで、
グループ各社が各社の経営理念を追求していき、
グループ全体としての価値が最大化するように、
グループ全体のリーダーシップの発揮することです。

このようなグループ経営管理の役割を担うことで、
グループ各社から、その対価を受け取り、
グループ内での存在意義を作っていく形が
理想的だと思っています。

資本関係から得られる配当収入とは違い、
グループ各社への経営管理サービスの
対価として収入が得られる
ホールディングカンパニーになってこそ、
その存在意義が出てくるものだと思っています。

Vol.22(3)

ホールディングカンパニーが
グループ各社の収益向上に貢献することで、
グループ全体としての価値も上がり、
結果的に配当収入も増加するという流れになります。

ホールディングカンパニーが
資本関係以外の要素で、
グループ各社とのWIN-WINな関係を構築し、
その存在意義を確立していくことこそ、
重要な視点となります。

ホールディングカンパニーには
いろいろな役割が期待されますが、
グループ内でリーダーシップを発揮し、
グループの経営管理をしていく機能が
まずは重要になると言ってよいでしょう。

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