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Vol.204 グループ経営管理機能の役割

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グループ経営管理機能とは?

複数の会社を経営していく中で、
「グループ経営管理機能」
を有しているかどうかは、
グループ全体が成長していくうえで、
とても重要なポイントになります。

 

グループ経営管理機能といっても、
その役割に対する考え方は様々かもしれません。

とはいえ、
複数の会社を経営している会社においては、
この「グループ経営管理機能」を有していなかったり、
そのようなグループ経営管理部門があったとしても、
役割が明確でなかったりする会社が多いのも
実情ではないでしょうか?

 

そこで、今回は
「グループ経営管理機能」
について個人的に思うこと
書いてみたいと思います。

 

グループ経営の「ボランチ」「キャッチャー」?

私が理想的だなと考える
「グループ経営管理機能」の役割は、

———————————
グループ経営者と子会社の間に立って、
・グループ全体のバランスをとりながら
・経営者のためには「グループ経営参謀的な役割」を担いつつ
・子会社のためには、支援し、引っ張っていく
———————————

ような役割です。

 

スポーツでたとえると、
サッカーにおける「ボランチ」の役割、
野球における「キャッチャー」の役割、
といった感じでしょうか。

個人的にサッカーや野球は大好きですが、
その道の専門家ではありませんので、
「ボランチ」や「キャッチャー」の役割についての一般論を
WEB上の情報をもとに確認してみたいと思います。

 

<ボランチの役割>
・攻撃と守備の両方をこなし、バランスを取る舵取り役
・ボランチは正確なチームメンバーの動きの把握する
・とにかく体力のいるポジション
・動き方に決まりがなく臨機応変その時の状況を把握して動く、パスを出す、時には点取りに加勢する
・ゲーム全体を見渡して、そこにいて欲しいところにいなければならない
・サッカーを良く理解している人がなるべき
・幅広くこなせるセンスが必要で、ドリブルも、パスも、トラップもすべて平均以上にできることが必要
フィールド全体を見渡す視野の広さや、判断の正確性が求められる
・ゲームをコントロールし、常に冷静な判断が求められる
http://www.how-to-volante.com/entry1.html

 

<キャッチャーの役割>
・グラウンド上の監督
全体が見える唯一のポジション
・精神面では「統率力」「忍耐力」「観察力」「判断力」「記憶力」「感性」「包容力」
・技術面では「キャッチング」「肩の強さ」「体力」「野球への知識」
http://formation.kbaseball.net/index.html

 

グループ経営の要として、
グループ経営管理を担う部門や人材の役割を
上記の「ボランチ」「キャッチャー」の役割に置き換えて考えてみると、
結構しっくりくるような気がします。

 

なかでも、個人的には、
・全体を見渡す(→グループ全体のバランスを図ることができる)
・統率力(→グループ全体をひっぱっていける)
・忍耐力(→グループ各社の状況を見守ってあげられる)
・観察力(→グループ各社のことをきちんと観てあげられる)
・包容力(→グループ各社へ奉仕をしてあげられる)
・知識が必要(→経営やグループ各社の事業について勉強する姿勢をもつ)
といったあたりは、
グループ経営管理機能においても
より重要な役割になるのではないかと感じています。

 

あいまいになりがちな「グループ経営管理機能」の役割

1つの会社のなかにおいては、
管理者である「役員」や「マネージャー」が
存在すると思います。

このような「役員」や「マネージャー」については、
通常、きちんと求められる役割が規定されていて、
それに応じた訓練を受けた社員が、
「役員」や「マネージャー」という役職に就くケースが
多いのではないでしょうか。

 

一方で、「グループ経営の管理」となると、
意外とそのような役割が明確になっていなかったり、
そもそもそのような概念自体が存在しなかったり、
といったケースがよく見かけます。

 

いかがでしょうか?
自社における「グループ経営管理機能」の役割について、
明確になっていますでしょうか?

もともと「グループ経営」という概念が
抽象的な側面が強いこともあるため、
積極的に「グループ経営管理機能」の役割をきちんと定義して
グループ内で共有しておかなければ、とても曖昧な状態になり、
その役割・機能が果たされなくなってしまいます。

 

もし現在、「グループ経営管理機能」について
明確になっていないようであれば、
せっかくの機会ですので、現状を見つめ直して、
その役割を明確にしてみてはいかがでしょうか?

当然、唯一の正解は無いと思いますし、
成長ステージの変遷とともに求められる役割も変わってくると思いますが、
「仮決め」でもよいので、一度明確にしてみることは、
グループ経営の「仕組み」を作っていくうえでも
いろいろな気づきがあると思います。

 

ちなみに

今年の前半に
このWEBページのトップ画像として使用していた画像があります。

これです。

groupmanagement1

実は、この絵は、
私が考える「親会社が果たすべきグループ経営管理機能」について、
表現したくて描いた画像でした・・・。

 

今回は、最後に、
この図で表現したかった思いを説明させていただき、
終わりにしたいと思います。

 

まず、この図で「親会社」を表現しているのが、
緑色の部分になります。

そして、「子会社」として表現したのが、
真ん中にある、オレンジ色、黄色、青色の図です。

そして、「親会社の役割」を表現したのが、
赤色で表現している矢印になります。
いわゆる「グループ経営管理機能」と考えても良いと思います。

 

少しわかりづらいと思いますが、
イメージが湧きますでしょうか??
これを前提に「矢印の意味(≒グループ経営管理機能の役割)」
以下に説明をさせていただきたいと思います。

 

まず最初はこの役割です。

groupmanagement2

一番上に向いている赤の矢印は、
グループ全体のベクトルを1つに向けて
グループ全体最適を図っていく役割を表現したものです。

 

次の役割はこれです。

groupmanagement3

オレンジ色、黄色、青色の図(=子会社)から
一番上の緑色の図(=親会社)へ向かっている矢印ですが、
これは、親会社がグループリーダーシップを発揮して、
グループ子会社を引っ張っていくような役割をイメージしたものです。

 

さらに次はこちらの役割です。

groupmanagement5

緑色の図(=親会社)から
オレンジ色、黄色、青色の図(=子会社)へ
横に向かっている矢印があります。
これは、子会社の「横串管理」をイメージしたものになります。

 

最後の役割はこちらです。

groupmanagement4

一番下の緑色の図(=親会社)から
オレンジ色、黄色、青色の図(=子会社)へ
上に向かっている矢印があります。
これは、親会社が子会社をフォローしながら、
支援・奉仕してあげるような役割を表現したかったものになります。

ちなみに、最後のこの役割は、
個人的にはとても重要な役割だと思っています。

 

つまり、

———————————
・グループリーダーシップを発揮し、グループ全体を引っ張っていきながら、
・グループ各社を横串で管理しながら、
・グループ各社に奉仕し、支援していくことで、
・グループ全体最適を図っていく
———————————

という役割が、
「グループ経営管理機能」の役割であり、
親会社の役割である、
という思いを図にしたものでした。

 

いかがでしょうか?

是非、自社にとっての
グループ経営管理機能(≒親会社の役割)が
どうなっているのか、どうあるべきなのか、
見つめ直してみてはいかがでしょうか?

 

★★★★★★★
グループ経営管理機能の役割、
明確になっていますか?
★★★★★★★

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