グループ経営管理目的の「連結パッケージ」

今回は、前回の続きで
お伝えさせていただきたいと思います。

テーマは、

「グループ経営管理目的で
 連結パッケージを作って、活用していくためには
 どうすれば良いのか?」

というものでした。

 

これは、実務現場を考えると、
結構難しいテーマだと思います。

 

そこで、このテーマを考えるにあたり、
1つ質問を作ってみました。

————————–
<質問>
連結パッケージという用語は、
グループ社内でどれくらい浸透していますか?
————————–

 

これまで「連結パッケージ」を作成したことが無い場合には、
この質問は少し馴染まないかもしれませんが、
すでに「連結パッケージ」を作成している会社であれば、
改めて考えてみていただきたいポイントです。

「連結パッケージ」の実情

あくまで一般論ですが、

「連結パッケージ=会計用」
「連結パッケージ=経理用」
「連結パッケージ=連結決算用」

という印象があるものです。

 

前回の記事で、
連結パッケージの目的として、
以下の4つに分類してみました。

————————————
①財務会計目的(連結決算書作成)
②財務会計目的(連結C/F作成)
③財務会計目的(関連注記情報作成)
④グループ経営管理目的
————————————

 

一般的には、
どうしても①~③が
主目的になりやすいものです。

そうであるとすると、
先ほどの質問である

————————–
<質問>
連結パッケージという用語は、
グループ社内でどれくらい浸透していますか?
————————–

の回答は、おそらく、

「経理部内」
「会計業務に近い部門(例:経営企画)」

といった感じになる会社が
多いのではないかと推測します。

「経営の現場」と「経理の現場」

私が連結決算実務に接するようになった
まだ20代前半の駆け出しの頃、
グループ各社の試算表等をExcelに転記しながら
連結財務諸表を作成する現場を
多く経験していました。

それらの会社は、どこも
比較的小さなグループ会社でした。

 

ただ、その後、あるクライアントで
「連結パッケージ」を活用している会社に
出会う機会がありました。

今となっては
私にとって当たり前の「連結パッケージ」ですが、
初めて「連結パッケージ」を見たときには、
「なるほど。こうやって情報を集めると
 確かに効率的だよな~」
と感心した記憶があります。

 

それからは、
「どのような連結パッケージであれば有用なのか?」
「どうやったら子会社へ連結パッケージを浸透できるのか?」
「連結パッケージから連結財務諸表を作成するための効率的な仕組みは?」
といったことを、
日々考え、実践をするようになっていきました。

そのときの目的は、
「連結財務諸表を最短で効率的に作る」
という目的がメインだったと思います。

そのため、
経理部の方々との取り組みが
ほとんどでした。

 

ただ、私も30代になった頃、
いろいろな経営者と接する機会が増えてくると、
視野が少し変わるようになってきました。

経営者からすると、
「連結財務諸表を最短で効率的に作る」
という目的は重要であるものの、
それが最重要なものではなく、
いろいろある目標の1つに過ぎないことを
感じるようになりました。

 

「経営の現場」と「経理の現場」の
ギャップを感じるようになりました。

 

このようななかで、
改めて「連結パッケージ」の存在意義について、
見つめ直す機会も増えてきました。

もったいない「連結パッケージ」

そして、感じるようになった思いが、

—————————-
経理部でしかほとんど活用されない
今の「連結パッケージ」のあり方は、
連結グループ経営において、
もったいないのではないか?
—————————-

という思いでした。

なぜもったいないと感じたかというと、
「連結パッケージ」には、
もっといろいろな可能性があると思ったからです。

 

先ほども書きましたが、
はじめて「連結パッケージ」に出会ったときに、
グループ内における
・情報伝達
・情報収集
・標準化
といったことを兼ね備えている、
とても良いツールだと感心したものです。

このように有益なツールであるにもかかわらず、
実務における「連結パッケージ」は
限られた関係者(とくに経理)の中でしか
浸透していないことがほとんどでした。

 

「連結パッケージ」は、確かに、
連結財務諸表を作成する際に、
とても有益なツールではあります。

但し、さきほど挙げた、
「連結パッケージ」の特徴である
・グループ内の情報伝達
・グループ内の情報収集
・グループ内の標準化
といった項目は、
決して「連結財務諸表作成」だけに限った
キーワードではないはずです。

「連結パッケージ」は、
「連結グループ経営管理」という意味でも、
もっともっと可能性を秘めているツールだと
次第に思うようになったのです。

これからの「連結パッケージ」のあり方とは?

冒頭の

「グループ経営管理目的で
 連結パッケージを作って、活用していくためには
 どうすれば良いのか?」

というテーマから少し話が脱線してしまいました。

 

この問いに対する私なりの回答は、

——————————
経理部や会計に近い社員だけでなく、
できるだけ多くの部署・社員、経営陣を巻き込んで、
「連結パッケージ」を作ってみること
——————————

です。

 

異なる立場ごとに、
・グループ内の情報伝達
・グループ内の情報収集
・グループ内の標準化
の課題を持っているはずです。

 

これらの課題解決を、
「連結パッケージ」のなかで実現できないかを
一度考えてみてはいかがでしょうか?

経理等の限られた視点だけでなく、
グループ全社、各部門の視点で
「連結パッケージ」を見つめ直す、
ということです。

きっと、違う視点が入ると、
これまで気づかなかった有益な活用方法等も
生まれてくると思います。

 

すべての意見を取り入れることは
難しいかもしれません。

ただ、経理等だけで作成した「連結パッケージ」では
経理等でしか活用されないものになってしまいます。

 

それよりは、
いろいろな立場の方を巻き込んで、
「連結パッケージ」作成のプロセスに加わってもらうことが
重要なのではないかと思っています。

グループの各立場の方々が、
作成のプロセスから関与することで、
「連結パッケージ」を自分事として感じてもらい、
関心を示してもらえるようになると思います。

 

そうなると、
新しい形の「連結パッケージ」のあり方に
変わっていけるのではないかと思います。

「連結パッケージ」が
グループ共通言語化の重要ツールに進化し、
必要なグループ情報を「集める」のではなく、
自然と「集まる」仕組みへと変わっていくでしょう。

今まで考えていた「連結パッケージ」の”常識”が
変わるかもしれません。

★★★★★★★
何人で「連結パッケージ」を
作っていますか?
★★★★★★★