業務フローの作成についてのポイントを
前回はお伝えさせていただきました。
前回は、
「売上に関わる活動」を例に、
お伝えさせていただきましたが、
それ以外の業務についても、
あわせて業務フロー作成が望まれます。
但し、私が推奨させていただいた
「会計数値を軸とする」
というスタンスですと、
見える化の必要性が高い業務フローは、
以下の活動に集約されると思います。
活動 | 会計数値 |
売上に関わる活動 | 売上高 |
仕入に関わる活動 | 仕入高 |
製造(原価)に関わる活動 | 製造原価 |
在庫に関わる活動 | 商品・製品・仕掛品 |
シェアードサービス化を目指すにおいても、
まずは、上記の基本業務活動の見える化は
避けて通れないでしょう。
当然、グループ経営という視点においては、
グループベースで上記業務フローを見える化する必要があります。
各社員の業務を見える化して、
その各社員の業務をフロー化した後には、
「業務フローがきれいに流れているか?」
という視点で、
現状を見つめ直していただけれと思います。
また、
同時に意識していただきたい
ポイントがあります。
それは、
「投入コスト(インプット)」
「付加価値(アウトプット)」
です。
それぞれの活動について、
業務フロー化したうえで、
「誰が、何を、どれくらい実施しているか」
という「投入コスト」について
見える化をしてみてください。
さらに、
それぞれの活動によって、
どのような「付加価値」が増えたのか、
見える化してみてください。
存在意義のある業務であれば、
「投入コスト < 生み出された付加価値」
が成り立つはずです。
つまり、
「インプット < アウトプット」
のということです。
当然、
業務フローを活用したからといって
すべての「投入コスト」や生み出される「付加価値」が
具体的に見える化できるほど単純ではありません。
ただ、各社員の業務を見える化もせず、
業務のフロー化も実施しない状態では、
あまりにも漠然としすぎていて、
「投入コスト < 生み出された付加価値」
のイメージが湧きづらいと言えるでしょう。
やはり、
「投入コスト < 生み出された付加価値」
について踏み込んで考えていくには、
何らかのベースが必要です。
そのベースになるのが、
各社員の業務の棚卸・見える化であり、
業務フローの見える化なのです。
ちなみに、
この投入コストですが、
最も大きな割合を占めるのは、
一般的には「人件費」になるはずです。
そして、この人件費は、
基本的には「社員の活動量」に比例します。
結局、
企業活動の良し悪しは、
社員をどれだけ上手く活用できるかに
左右されるといってもよいでしょう。
最も生産性が低くなる
可能性があるのも「人」ですし、
逆に、最も生産性が高くなる
可能性があるのも「人」です。
そのため、
見える化した各社員の業務と
業務フローをベースに、
「能力を生かした意味のある『活動』がされているか」
「前工程と後工程の『活動』は連動しているか」
「業務の目的に沿った『活動』をしているか」
といった点について、
じっくり考えてみていただきたいと思います。
業務フローのなかに、
実際の「社員名」を書き込んだり、
実際の「活動時間量」を書き込んだりしながら、
出来る限り「投入量の見える化」にチャレンジしてみてください。
一方で、
その「インプット(活動)」に対して、
どのような「アウトプット(付加価値)」が生まれているかも
業務フローのなかに書き込んでみるのも
良いと思います。
限られたグループ経営資源を
有効活用するのが経営者の大事な仕事です。
この作業プロセスこそが、
きっと自社業務を見つめ直す
良い機会になるはずです。