グループ経営における「シナジー効果」

複数会社経営と
連結グループ経営は違う、
と私は考えています。

 

たとえば、
グループ全体としての企業価値を高めたり、
グループ全体最適を目指したり、
という視点において
違いが出てくると思っています。

グループ企業価値を高めたり、
グループ全体最適を目指す経営が、
私が考える「連結グループ経営」です。

 

そのためには、
「『グループ経営』を経営する」
ことが求められます。

 

そして、
グループ全体としての企業価値向上や
グループ全体最適を目指していくにあたって
必要とされるキーワードが、
「グループシナジー」
という言葉ではないでしょうか?

グループ内でシナジーを発揮することは、
連結グループ経営においては、
不可欠なテーマと言えるでしょう。

 

但し、
この「グループシナジー」という言葉は
便利な言葉である一方で、
結構あいまいな部分が多いものです。

総論としては
誰も反対しないテーマのはずですが、
各論が明確になっていないがゆえにシナジー効果の有無がよくわからない、
という状況も多いのではないか、
と考えています。

 

よく言われることですが、

———————————-
・測定できないものは管理できない
・管理できないものは達成できない
———————————-

ということです。

 

シナジー効果を具体化(見える化)し、
予め測定できるようにしておかなければ、
「グループシナジーを発揮します」
という掛け声倒れで、
いつまで経っても管理もできないまま、
その目標は達成されない可能性が高いです。

グループシナジーとは?

それでは、
グループシナジーとは
具体的に何になるのでしょうか?

会社によって考え方や定義は異なると思いますので、
まずは自社グループにとって目指すべき
「グループシナジー効果」
を具体的に見える化してみていただければ、
と思います。

 

今回は、あくまで一例ですが、
私のなかでも少し考えてみました。
今思い浮かぶものをいくつかピックアップしてみます。

ちなみに、
ランダムに挙げだすと整理軸が難しいので、
今回は一般的な「経営資源」を軸に、
考えてみました。

つまり、
「人」「モノ」「お金」「情報」
という切り口です。

 

具体例
●人 :グループ人材交流、シェアードサービス、グループ間教育
●モノ:商品転売、システム共有、施設共同利用
●お金:グループ内資金融通、グループCMS
●情報:ノウハウ共有、得意先情報共有、取引先情報共有

1つ1つについて語りだすと
長くなってしまいますので、
今回はあくまでイメージということで、
単語だけをいくつか並べてみました。

 

自社におけるシナジー効果を
具体的にピックアップしたうえで、
それぞれについて、
・現状がどうで、どのような課題があるのか?
・グループシナジーが達成された状態とはどのような状態であるのか?
・グループシナジー達成のために誰が、いつ、何を実行するのか?
といった点を明確にすること。

これを実施して初めて、
グループシナジー発揮への取り組みの
スタートラインに立てるのだと思います。

 

これだけでも今後何をすべきかがわかりやすくなり、
行動に移せていけるはずです。

グループシナジー効果は誰が管理するのか?

もう1つ考えないといけない点があります。

このグループシナジーの全体像を
誰が考え、全体管理をするのか?
という点です。

 

当然、社員1人1人が
考えるべきテーマではありますが、
シナジー効果をグループ全体で管理する
役割も必要だと思います。

 

ホールディングス化して、
ホールディングカンパニーが存在するような
グループ組織デザインであれば、
一般的にはホールディングカンパニーの役割
なるのだと思います。

一方で、
通常の親会社と子会社のスタイルで
グループ経営をしている場合には、
総論としての「グループシナジー」の必要性は説かれたとしても、
それを取り組みとして、
グループ全体を動かしていく存在が誰になるのかが、
あいまいになりがちなので注意が必要です。

 

いずれにしても、
総論に反対する人は
基本的にはいないテーマだと思いますので、
大事なのは、

————————–
各論を具体的に描き、
実行へ導いていく存在を明確にすること
————————–

なのだと思います。

全体像を明確にしたうえで、
グループ内の皆が同じ方向を見て取り組めるように
していく必要があります。

この点については、
役割のわかりやすさという意味では、
ホールディングス経営に利があるように思います。

ただ注意も必要です

グループシナジーを検討していくにあたり、
別の視点で注意すべき点についても、
最後に付け加えさせていただきます。

 

一般的に
「グループ会社同士のことであれば、
自由にグループ内で決めていい」
という感じになりがちです。

ある意味正しい発想かもしれませんが、
一方で、グループ会社同士とはいえ、
あくまで「別法人」である、
ということも注意が必要です。

 

別法人ということは、
専門的なところでは、
「税務」「人事労務」「法務」的な
ところをきちんと押さえたうえで、
いろいろな施策に取り組む必要がある、
ということです。

 

たとえば、
グループ内でのやりとりや取引に
お金が発生する(すべき)場合には、
きちんとした金額設定をしなければ、
税務的に問題が生じてしまいます。

また、
グループ内人事についても、
人事労務的に問題が無いような形で
実施する必要があるでしょう。

法律的な点も同様です。

一例ですが、
先ほどのグループシナジー効果の例として、
「グループの顧客情報の共有」
といったような例も挙げさせていただきましたが、
個人情報に関わるようなものであれば、
たとえグループ会社同士であっても、
それなりのステップを踏まなければ、
情報交換等はできないはずです。

 

ということで、
グループシナジー効果を検討する際には、

————————————————-
・総論ではなく各論で具体的に検討する
・税務/人事労務/法務といった専門的対応も検討する
————————————————-

の2点を意識していただきながら、
取り組んでいただければと思います。

★★★★★★★
グループシナジー効果は、
具体的になっていますか?
★★★★★★★