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【事例】株式会社サッポロドラッグストアー

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※平成28年3月24日に株式会社サッポロドラッグストアーより適時開示されている「純粋持株会社制への移行に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。

内容

純粋持株会社制への移行

開示概要

●平成28年3月24日開催の取締役会において、
株主総会承認決議など所定の手続を経た上で、
平成28年8月16日を目途に
純粋持株会社制へ移行する方針を決議。

純粋持株会社制への移行の背景及び目的

●グループの属するドラッグストア業界では、
・高齢化社会の進展
・健康、美容へのニーズの高まり
・規制緩和に向けた薬事法の改正
・お客さまの生活防衛意識の強まり
などを受け、業種・業態を超えた
激しい競争が繰りひろげられている。

大企業による中小企業の買収も活性化するなど、
その経営環境は厳しさを増している。

●このような経営環境のもと、
グループが一層の企業価値向上を実現するためには、
環境変化へのスピーディな対応が不可欠であり、
・機動的かつ柔軟な経営判断ができる体制づくり
・新規事業を含めた新たな取り組みの積極化
・グループ会社の採算性の明確化
を目的とし、純粋持株会社制へ移行する方針とした。

●純粋持株会社制への移行後、
新たに設立される純粋持株会社
親会社として、
・グループ全体の経営戦略の策定及び経営資源の配分
・各グループ会社への経営管理機能
を実施していく。

●各グループ会社のミッションを明確化し、
シナジー効果の追求によるグループ全体の経営効率の向上、
グループ外取引の拡大による新たな事業機会の創出など、
持続的成長を目指していく。

純粋持株会社体制への移行方法

具体的な移行スキーム並びに
移行後の純粋持株会社の体制については、
今後の検討をふまえて取締役会で決議していく。

純粋持株会社体制への移行スケジュール

①平成28年4月初旬(予定):純粋持株会社制への移行に関する取締役会
②平成28年5月13日(予定):純粋持株会社制への移行に関する定時株主総会
③平成28年8月16日(予定):純粋持株会社制への移行

Review

今回は、
ドラッグストア事業運営の
サッポロストアー社の事例です。

北海道がメインエリアのようで、
私自身は今回初めて知った会社でした。

 

約半年後に
持株会社体制へ移行するとのことですが、
移行方式については、
これから詳細を検討していくようです。

まずホールディングス化することを
決定したということでしょう。

 

私の中のイメージでは、
ドラッグストアや調剤薬局等の業界は
ホールディングス化の流れが
進んでいるように思います。

その理由はおそらく、
店舗拡大による規模のメリットを出していくことが
生き残っていくための重要な課題と考え、
M&Aによって積極的に規模拡大を
目指している会社が多い、
という背景があるのだと思います。

 

一般的に
ホールディングス形態は、
M&Aに適していると言われます。

なぜかというと、
各事業会社が上下関係なく
横並びになる組織構造になり、
一方でホールディングカンパニーが
グループ各社の経営管理に専念できるためです。

新しくグループに入る会社も
スムーズにグループ傘下に入りやすい、
と言えるでしょう。

 

今回の開示でも、
純粋持株会社であるホールディングカンパニーは、

————————————————–
・グループ全体の経営戦略の策定及び経営資源の配分
・各グループ会社への経営管理機能
————————————————–

といった役割を担っていくとしています。

 

ちなみに同社の有価証券報告書を確認してみると、
連結子会社は2社だけとなっています。

ホールディングス化するには、
グループ規模(社数)が少ない印象です。

 

親会社の機能含め、
グループ組織デザインを今後どのように見直していくのか、
逆に興味深いところです。

規模拡大によるコストメリットを出したり、
グループ人材の有効活用、
グループ経営資源の最適配分、
といったグループシナジーを出せるような
デザインを模索されるのではないかと思います。

 

いずれにしても、
ホールディングス化を宣言したことは、
今後の新規事業や規模拡大、M&Aへの
意志表示だと思いますので、
今後の動向にも注目してみたいと思います。

★★★★★★★
M&Aをする前に、
M&Aを受け入れる組織体制は
整っていますか?
★★★★★★★

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