取締役の責任は?

会社が大きくなってくると、
複数名の取締役で会社経営をしていく
組織になっていくと思います。

通常「取締役」というと、
会社の経営者の1人であり、
経営全般的に責任を負う1人となります。

 

ただ実際には、
社長以外の取締役については、
会社全体・経営全般についての意識は
弱くなりがちなものです。

 

一般的に、
「取締役営業部長」
「取締役商品部長」
「取締役××事業部長」
と言った感じで、
取締役であると同時に
ある業務のトップを担っていることが多いです。

そのため、
どうしても取締役とはいえ、
業務の優先順位は、
会社全体のことではなく、
まずは管掌業務の方が高くなります。

 

これ自体は仕方ないことかもしれませんが、
問題なのは、頭の中はほとんどが
管掌業務のことだけになってしまうことでしょう。

結局、
取締役と言えども
会社全体の視点(全社最適)ではなく、
自部門・自業務優先の視点(部分最適)での
発想になりがちということです。

グループ経営の責任は?

それでは、
グループ経営の場合はどうでしょうか?

 

各グループ会社に社長がいますし、
各社に複数の取締役がいる場合も多いため、
グループ各社のことについては、
一義的には、各社の社長や取締役が
責任を負うとは思います。

ただ、
各子会社はそれぞれ単独で
存在しているわけではなく、
あくまでグループ全体の一員です。

各グループ会社が、
個社最適で判断し、活動している状態では、
グループとしてはバラバラになってしまいます。

各社の社長や取締役が
各社の業務を頑張ると同時に、
グループ全体を管理し、
引っ張っていく存在も必要と言えるでしょう。

 

グループ全体の管理となると、
通常は「親会社」の役割になると思います。

そう考えると、
親会社の取締役は、
親会社自体の経営の責任とともに、
グループ全体の経営の責任も
負うことになるはずです。

組織的な「グループ経営」の実践

とは言っても、先ほど述べたように、
一般的に、取締役は、
会社全体のことより、
自身の管掌業務の方の意識が
ほとんどになりがちです。

 

親会社の取締役の場合、
自身の管掌業務の方を優先する傾向が強いため、
親会社全体のことすら
意識は後回しになりがちです。

ましてや、
グループ全体のこととなると、
さらに優先順位は低くなる傾向にあります。

 

ということは、
グループ全体のことを真剣に考えるのは、
親会社の代表取締役社長1人になる
可能性が非常に高いです。

いくらスーパーマン社長であっても、
複数の会社それぞれの状況を確認しながら、
グループ全体のバランスもとり、
全社最適な経営判断を1人で考え、
実行していくのは難しいと思います。

外部環境の変化も激しいですし、
グループ会社も増えたり、減ったり、
変化していきますので。

 

このような状態を放置しておいては
永続するグループ組織にはなっていけないでしょう。

 

ただ、
このような状況を打開する手法として、
1つのグループ組織デザインがあります。

それは、

————————–
ホールディングス経営
————————–

というスタイルです。

 

なぜかというと、
ホールディングカンパニーという、
グループ経営を主業務とする組織を
作ることになるためです。

 

ホールディングカンパニーの存在意義は、

—————————-
「グループ経営」を経営すること
—————————-

することと言ってよいでしょう。

 

ホールディングカンパニーは、
グループ経営をするために存在するのですから、
代表取締役社長以外に、
グループ全体のことを考える取締役や社員が、
増えることになるのです。

つまり、
代表取締役社長1人が
グループ全体のことを考える状態から、
組織的にグループ全体を考え、管理し、
経営判断していける組織に変えていける、
ということです。

ホールディングカンパニーの存在意義を明確にする

ホールディングス経営は、
最近、多くの会社で採用され始めています。
※事例は「【事例】ホールディングス化」をご参照くださいませ。

これは、上記のように、
グループ経営をより真剣に、
かつ組織的に取り組もうとしている会社が
増えていることの表れでもあると思います。

 

また、オーナー会社では、
節税を主目的として持株会社作る、
という傾向もありますが、
いずれにしてもホールディングスは
注目されている組織デザインの1つと言えるでしょう。

 

ただ、注意も必要です。

 

理論的には、
ホールディングス化することで、
組織的かつ効果的なグループ経営を
実現しやすくなるはずなのですが、
実際にはそう簡単にはいかないものです。

新しい組織デザインに変えると、
どうしても混乱が生じてしまうものですし、
不測の事態も発生します。

さらには、
組織の形を変えたとしても、
その中で働く「人」の意識が変わらなければ、
思い通りに改革は進んでくれません。

 

ホールディングス化は
あくまで、グループ経営改革の
1つの「きっかけ」であり、
経営トップとしての「意志(メッセージ)」の表れです。

良いターニングポイントとはなるはずですが、
これを機に「人」が変わらなければ、
結局、実態は変わってはくれないでしょう。

 

そのためには、
「なぜホールディングス化するのか?」
という真意を、
社員が理解するまで
徹底的にグループ社内に
きちんと説明する必要があると思います。

 

グループ社長として、

———————————-
グループ社員1人1人に
ホールディングス化後のミッションを
明確に伝えること
———————————-

が大切だと思います。

 

目指すべき形が
グループ社内でバラバラでは、
ホールディングス化により混乱がおき、
迷路に迷い込んでしまうリスクがありますので。

★★★★★★★
グループ全体の責任は、
誰が負っていますか?
★★★★★★★