連結グループ経営を実践するうえで
社長にも知っておいていただきたい用語の解説です。

会社分割とは?

グループ内の
組織デザインを変えていく際には
いろいろな手法が用いられます。

そのなかでも
多く用いられる手法の1つとして
「会社分割」
があります。

この「会社分割」とは、
どのような手法かというと、

———————————————–
事業の一部又は全部を
他の法人に包括的に承継させる契約等
———————————————–

のことです。

要は、
「会社の中の事業を取り出して、
  別会社へ移すための手続き」
と考えて良いでしょう。

ポイントは、
「事業」単位で移せること
「包括的」に移せること
です。

 

この「会社分割」は、さらに
・「新設分割」
・「吸収分割」
の2つに分けられますが、
少し細かくなるのでここでは、
会社分割の中にも種類が分かれる、
くらいに覚えておいていただければと思います。

会社分割の対象

「会社分割」については、
具体的には会社法で定められています。

そのなかで、
会社分割の対象となるのは、

—————————————–
法人の事業に関して有する
権利義務の全部又は一部
—————————————–

と定められています。

繰り返しになりますが、
社員(人)とかモノといった単位ではなく、
それらで構成する「事業」単位で、
他の法人へ移せるというのが特徴です。

事例

この「会社分割」は
いろいろな場面で活用されます。

今回は、
①ホールディングス体制への移行
②子会社Aから子会社Bへ一部事業を移管
といったような場面について、
事例をもとに見てみたいと思います。

事例①「ホールディングス体制への移行」

最近の事例の1つとして、
株式会社ヒューマンウェブ
がホールディングス体制へ移行する際に、
活用した事例があります。

ホールディングス化の流れ

ホールディングス経営にしたい

手順としては、
現在の会社の事業を別会社へ移管して、
グループ経営管理機能だけ残したい

事業の移管先として、
新たに子会社4社を新規設立する(分割準備会社)

そのうえで、
移管したい4つの事業を
新規設立子会社4社へそれぞれ移管する

その際に活用する手法として、
「会社分割」
という手法を選択

会社分割をして、
4つの事業を各子会社へ承継

結果として、
グループ組織デザインを
以下の図のように変更できる

kaki transfer1

 

事例②「子会社Aから子会社Bへ一部事業を移管」

次の事例として、
「子会社Aから子会社Bへ一部事業を移管」
といったようなパターンはどうでしょうか?

事例として、
株式会社ロジネットジャパン
の例をもとに見てみたいと思います。

子会社間事業移管の流れ

子会社間で事業が重複してきたので、
子会社間で事業の再配分をしたい

子会社同士で
重複している部分の事業を特定し、
その部分だけ(事業C)を
子会社間で移管する

その際に活用する手法として、
「会社分割」
という手法を選択

子会社Aから子会社Bへ
一部事業(事業C)だけを会社分割する

子会社Aでは事業Cは無くなり、
子会社Bで事業Cを引き継ぐことになる

法的手続き

会社分割を実施するには、
会社法等で定められた手続きに則り、
進めていく必要があります。

細かい点は省略しますが、
ざっくり、ご説明すると、

————————————–
①分割計画の作成
②労働者保護手続
③債権者保護手続
④株主総会決議
⑤登記
————————————–

といった手続きが必要になります。

基本的には、
株主総会での承認決議が必要ですので、
ここが1つのポイントになると思います。

その他手法との違い

会社分割と同様な効果が
得られる手法として、
よく採り上げられるのが、
「事業譲渡」
があります。

両者の違いについては、
別途ご説明をしたいと思いますが、
それぞれメリット・デメリットがあります。

 

ただ、
「会社分割=難しい」
といった印象が、
一般的には強いのではないかと思います。

確かに、
法的な手続き税務上の手続きにおいて、
煩雑な面はありますが、
そのあたりは弁護士、司法書士、税理士、
といった専門家を頼ればよいだけです。

 

会社分割は、
とても使い勝手がよく、
メリットも大きい手法であることは
間違いありません。

グループ経営者としては、
是非「会社分割」という手法を
頭の片隅にでも入れておいていただければと思います。

関連記事

【用語】会社分割②(諸論点)

【用語】会社分割③(株主総会を要しないケース)