グループ経営をデザインする際に、
シェアードサービス機能を埋め込む場合には、
大きく2つのデザインがあります。

前回ご紹介した通り、
①ホールディングカンパニーにシェアードサービス機能を置く
②シェアードサービス機能を持つ子会社を作る
の2つです。

一般的には
「②のパターンの方が多い」
と、ご紹介しましたが、
今回は、この②のパターンの
メリット・デメリットについて、
以下お伝えさせていただきます。

 

早速ですが、シェアードサービス子会社の
メリット・デメリットとしては、
以下のような項目が挙げられます。
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<メリット>
(1)別法人化することで、収支が明確になる
(2)別法人化することで、責任意識が強くなる
(3)別法人化することで、人事評価しやすくなる

<デメリット>
(4)法人維持コストがかかる
(5)グループ内ポジショニング/子会社間比較が難しい
(6)グループ内での立場が弱くなる
—————————————————————–

いかがでしょうか?

明確にメリット・デメリットを分類するのは、
実はかなり難しいのですが、
それぞれ少しずつ
ポイントをお伝えさせていただきます。

Vol.15(3)

 

まずは、メリットからです。

(1)別法人化することで、収支が明確になる

親会社の中にシェアードサービス機能を
一体で運営するケースと比べると、
シェアードサービスに特化した別法人にすることで、
その収支が明確になります。

法人単位で決算が必要ですし、
シェアードサービス部門としての
売上・コストが明確に見える化されます。

これは、管理視点では、
とても有意義な形と言えるでしょう。

(2)別法人化することで、責任意識が強くなる

これは、上記(1)とも関連するとは思います。

別法人として運営することで、
いろいろな意味で責任意識が
高まる効果が期待できます。

シェアードサービス機能が主目的の
法人が設立されることになるため、
社員にとっては「逃げ道」が無くなります。

一層の責任感を持って
業務に取り組まざるを得ない環境になる、
ということです。

このような環境が、
シェアードサービス機能の効果を
高めることにつながっていくはずです。

(3)別法人化することで、人事評価しやすくなる

シェアードサービス部門は、
間接業務的な役割を担うことが多く、
プロフィットセンターと同じ組織内に存在すると、
「公平かつ横一列での人事評価が難しい」
という悩みがあります。

一方で、
純粋にシェアードサービスに
特化した法人にすることで、
横一列での評価がより容易になります。

公正かつ適正な人事評価は
グループ社員のモチベーション維持・アップには欠かせませんので、
大きなメリットの1つと言えるでしょう。

Vol.18(2)

 

次にデメリットについて
もう少し確認をしてみたいと思います。

(4)法人維持コストがかかる

単純に法人が1つ増えると、
法人の維持管理コストがかかります。

この法人維持管理コストを
上回るメリットを出せるかどうかが、
別会社にする最低条件と言えるでしょう。

その意味で、
別法人にすることは、
コスト的なハードルが上がり、
デメリットの1つと言えるでしょう。

(5)グループ内ポジショニング/子会社間比較が難しい

シェアードサービス子会社は、
間接業務が中心となりやすいため、
他の子会社との比較が
難しくなる可能性があります。

そのため、グループ内で、
シェアードサービス子会社を
どのようなポジショニングに据えて、
機能させていくかが、
意外と難しくなる可能性があります。

(6)グループ内での立場が弱くなる

親会社にシェアードサービス機能を
組み込む方法と比べた際のデメリットです。

つまり、
子会社の立場として、
各グループ会社の業務を請け負うこととなると、
立場が弱い状況に
追い込まれる可能性があります。

そのため、
経営者がきちんと、
シェアードサービス子会社のポジションを
作ってあげなければ、
グループ内コンフリクトの元にもなり得ます。

Vol.24(2)

 

以上、
今回はメリット・デメリットについて
お伝えさせていただきました。

メリットとデメリットは、
実は紙一重だと思っています。

メリットであると思われるものが、
デメリットになってしまうこともありますし、
その逆もあり得ます。

大切なのは、
経営者として、
どのような目的をもって、
グループ組織デザインをして、
かつ、それを運用していくかです。

今回の項目については、
グループ組織デザインの1つの参考として
お考えいただければと思います。