シェアードサービスのメリットについては、
前回お伝えさせていただきました。

シェアードサービス化を目指す場合、
短期的な非効率・混乱は
避けられないと思われます。

一方で、
いろいろなメリットがあるため、
覚悟をもって、きちんと取り組めば、
それなりの見返りがあると言えるでしょう。

但し、
いろいろなメリットを同時に追求しすぎても、
中途半端になる可能性も大いになります。

大企業であれば、
多くのコストや人材を投入することが
できるかもしれませんが、
中小企業の場合にはそうもいきません。

限られた経営資源を活用して
取り組むことが求められる中小企業は、
きちんと優先順位を明確にして、
取り組んでいくことが大切です。

Vol.15(3)

 

それでは、
中小企業のグループ経営者が
シェアードサービス機能を導入する際に、
もっとも高い優先順位は何になるのでしょうか?

何を目的にして、
取組みをスタートしたらよいのでしょうか?

私としては、
シェアードサービス化の最優先目的は、
「業務の標準化」
だと考えています。

いろいろな目的が考えられますが、
とくに中小企業の場合には、
まずは「業務の標準化」に絞って
意識していただきたいと思っています。

経営者としては、
シェアードサービス化によって実現したいことは
いろいろとあると思いますが、
まずは「業務の標準化」という目標に
グループ内ベクトルを合わせていただくことです。

この「業務の標準化」が達成できれば、
自ずと他のメリットも得られるようになってきますので。

Vol.81(3)

但し一方で、
業務の標準化というと、
社員がマニュアル的になってしまう、
社員が考えなくなってしまう、
といった批判をされることもあります。

実際に、
そのような側面は生じてしまうのも事実です。

それでも、
業務の標準化によって得られるメリットの方が
生じるデメリットと比べても、
圧倒的に大きいはずです。

とくに中小企業のように、
個人に頼った業務をしていて、
組織的な経営の仕組みが
確立できていない規模の場合には、
なおさら「業務の標準化」が重要です。

Vol.32(1)

 

業務の標準化に取り組む過程では、
各自の業務を見える化することになります。

業務を見える化することで、
周りのことがよくわかるようになり、
組織内の連帯感が高まります。

そのようななかで、
全体最適になるような業務の「型」
作っていくことができます。

また、業務標準化の過程は、
各社員が各自の業務を見つめ直す機会になります。

何がどのように行われているかが
明確になってくれば、
業務効率を上げるような取り組みへと
自然とつながっていきます。

さらに、
特定の個人に頼りすぎない
組織的な業務の仕組みができることで、
人員の代替可能性が高まります。

業務の標準化の取り組みは、
どこかで終わりがあるものではありません。

取り組みを始めれば、
継続的に標準化を追求することになります。

つまり、
継続的な業務改善の意識が
次第に組織風土として根付いてくるようになります。

Vol.10

そして、
業務の標準化に取り組むからこそ、
その先にあるクリエイティビティが
社員の中に生まれるものです。

標準化を進めることで、
クリエイティビティが無くなるどころか、
逆に思考のステージが上がるはずです。

標準化できる部分がわかるからこそ、
標準化できない部分(≒高い専門性)が明確になり、
本当に大切な部分が見えてくるものです。

 

ただ一方で、
このような業務の標準化への取り組みは、
自分なりのやり方でやってきた
中小企業の多くの社員にとっては、
ストレスに感じるものです。

職人芸的な仕事をされている社員も
反発することになるでしょう。

これはどこの会社でも一緒です。

但し、このような社員からの反発に遠慮をして
改革を進められないようであれば、
変化の激しい現代において、
事業を継続していくのは難しいでしょう。

ここは、
経営者がリーダーシップを発揮して、
グループ経営改革の目的を
社員に説明し、説得し、理解をしてもらい、
あるべき方向へ導いていくことが求められます。

これが社長の大事な仕事ですので。

Vol.57(1)

ということで、
シェアードサービス化には、
いろいろな目的は存在するものですが、
まずは「業務の標準化」自体を目的にして進めた方が
シンプルでわかりやすいはずです。

とりあえず、
「シェアードサービス化=業務の標準化」
という認識で、
取り組んでいただければと思います。

次回は、
業務を標準化するにあたって
何から始めればよいかについて、
お伝えさせていただきます。