グループ経営の形を
ホールディングス経営に移行する際に
悩むことがあります。

それは、
ホールディングカンパニーに
どこまでの業務を残すべきか、
という点です。

一般的には、
ホールディングカンパニーには、
グループ統括機能を
持たせることになるかと思いますが、
それに付随して、
どこまでの業務を持たせるべきなのでしょうか?

Vol.5

いろいろな事例を見る限り、
会社によって様々な形がある、
という印象です。

たとえば、
グループ統括機能、経営管理機能、
といった機能だけ
ホールディングカンパニーに残す事例。

また、
グループ統括機能、経営管理機能に加え、
経理機能、人事総務機能、システム機能、
といった管理部門機能まで
ホールディングカンパニーに持たせる事例。

さらには、
商品部機能といったものまで
ホールディングカンパニーに持たせる、
といった事例もありました。

それぞれの会社で
それぞれの思いがあって出来上がった
ホールディングス経営のデザインです。

一概に、
「この形がベスト」
といったものは無いはずです。

組織風土や
経営者のマネジメントスタイルによって
デザインは変わります。

Vol.16(2)

ただ、
個人的に1つの思いがあります。

ホールディングカンパニーが
グループを統括していくためには、
「グループ各社の情報が集まってくる仕組み」
の構築が不可欠であり、
そのために最適な組織デザインを検討するべき、
だということです。

つまり、
ホールディングカンパニーに
グループ情報が集まってくるためには、
どこまでの機能を
ホールディングカンパニーに持たせるべきか、
という視点で考えてみてはいかがでしょうか?

そして、
情報が集まる仕組みを構築しようとした場合に、
ともて有効だと考えるのが、
「シェアードサービス機能」
です。

グループの間接部門等を
グループ内で共有することで、
業務や情報を集中管理する機能です。

Vol.38(1)

ホールディングス化している企業でも、
このシェアードサービス機能を
グループデザインのどこかに
埋め込んでいる事例も多く見かけます。

シェアードサービス機能に特化した
子会社を作る事例。

ホールディングカンパニーに
シェアードサービス機能も持たせる事例。

どちらのデザインもあり得ますし、
どのようなデザインがベストであるかは、
最終的には経営者が決めていくべきものです。

1つ言えるのは、
グループデザインのどこかに
「シェアードサービス機能」を埋め込んで
いただくのが良いと思っています。

一般的に、シェアードサービスは、
コスト削減を軸として議論されることが多いです。

ただ、私としては
このシェアードサービスを
たんなるコスト削減を軸にした議論で終わらせるのは
もったいないと思っています。

シェアードサービス部門には、
経営にとって重要な情報が
自然と集まってくるものです。

シェアードサービスの
このような特性を戦略的に活用して、
「シェアードサービス部門
=経営のための基礎情報を集め、
加工し、利用できる形にする組織」
として構築していくのが
理想的だと考えています。

そう考えると、
ホールディングカンパニーに
近い位置にシェアードサービス機能を設けておくことが、
効果的に機能すると思います。

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また、
シェアードサービス部門が
苦労せず情報を集められるカタチを
意識するのも大切です。

とくに間接部門の地位が
比較的低く見られがちな組織風土がある場合には
要注意です。

見下されるような立場にあっては、
大切な情報も集まりにくくなります。

そのような場合には、
親会社であるホールディングカンパニーの中に
シェアードサービス機能を取り込んでおく方が、
効果的に機能してくれるケースもあります。

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今回のテーマについて、
決して唯一の正解はありません。

但し、
ホールディングス化する場合には、
「シェアードサービス機能のグループ内ポジショニング」
について、
是非意識をしていただきたいところです。

参考記事

●「Vol.32 ホールディングス × シェアードサービス=?

●「Vol.67 グループ会社の情報が「集まる」仕組みへ