連結グループ経営を実践するうえで
社長にも知っておいていただきたい知識の解説です。

はじめに

前回の
【マメ知識】超富裕層への管理体制強化(1/2)
では、
国の富裕層管理の状況について、
お伝えさせていただきました。

今回は続きとして、
もう少し富裕層管理の実態を
確認してみたいと思います。

重点管理富裕層名簿とは?

それでは、
実際に富裕層は
どのように管理されるのでしょうか?

具体的には、
重点管理の対象となった富裕層や
その関係者は、
「重点管理富裕層名簿」
に登載されることになります。

ここでいう関係者には、
以下のような範囲の個人・法人が含まれます。

①管理対象者と特に密接な関係があると認められる者
②管理対象者の主宰法人のうち管理対象者グループの主体になる法人
③上記②以外の法人のうち管理対象者や①と特に密接な関係があると認められる法人

つまり、
超富裕層に密接に関係する
周りの個人や法人までが対象となって
名簿管理される、
ということです。

そして
この作成された名簿の情報は
国税局内の関係各部課や
所轄の税務署でも共有されることになります。

このような重点管理富裕層として
指定される者については、
年齢や性別、職業は問われません。

現在において、
一定数の納税者が重点管理富裕層として
指定されていることが想定されますが、
納税者自身に指定されたことなどの通知等はされません。

そのため、もし自分が
「重点管理富裕層に該当しているか」
について知りたい場合には、
前回お伝えした基準に従って、
自分自身で推測するしかありません。

重点管理富裕層に指定されたらどうなるの?

重点管理富裕層に指定された場合、
下記の区分に応じて対応が異なるようです。

(1) 課税上の問題が想定され調査企画の着手が相当と認められる者
(2) 課税上の問題は顕在化していないが、
多額な保有資産の異動が見受けられるなど継続的な注視が必要と認められる者
(3) 上記(1)(2)の区分のいずれにも該当せず経過観察が相当と認められる者

 

つまり、
調査の必要性が高いかどうかを
3段階に区分し、
重点的に調査又は調査準備を
しているということです。

超富裕層に指定されるとすぐ調査対象になるのか?

超富裕層(重点管理富裕層)として指定されても、
すぐに調査対象になるわけではありません。

上記の(1)と判定された者のみが、
重点管理富裕層としての調査企画に着手されます。

一方で、(2)(3)に区分されている場合は
どうでしょうか?

この(2)(3)の場合は、
継続的に管理されていくものの、
重点管理富裕層としての調査企画は
始まらないことになります。

なお、
重点管理富裕層の指定とその管理区分の判定は
毎年5月末までに行われることとされており、
随時、指定や区分は見直されるようです。

重点管理富裕層としての調査は特別なもの?

重点管理富裕層として指定されると、
管理対象者の個人だけの調査にとどまりません。

関連個人や関連法人も一体的に管理され、
包括的な調査が行われます。

少なくとも
「重点管理富裕層」
として指定されるということは、
通常の調査よりさらに深度ある調査が
行われる感じになるでしょう。

永続社長として

別にやましいことがなければ、
重点管理対象として指定されたからといって
大きな問題は無いと思います。

但し、
常に監視されているかと思うと、
やはり気になります。

富裕層は、
いろいろな意味で、
プレッシャーと戦い続けることが、
宿命と言ってよいでしょう。

いろいろな角度から
いろいろな面で、
常に注目をされることになります。

良い意味でも、悪い意味でも。

とは言っても、
この宿命は受け入れざるを得ない現実です。

そうであるならば、
逆に「プラス思考」に考えていただきたいと
思っています。

社長になると、
自分で自分を律していかなければいけない
存在になります。

とはいっても、
自分で自分を律するのは
とても難しいことです。

たとえば、
「納税」
という視点においても、
自分を律するのは簡単ではありません。

どうしても
「税金を減らしたい」
という思いが生まれるからです。

ただ、
「節税」の視点自体は、
悪いことではありません。

一方で、
この「節税」も行きすぎると、
グレーゾーンに突入していきます。

自分1人では、このような危険領域に
突入していきそうな場面であっても
「国が監視してくれているおかげ」
で、踏みとどまることができるかもしれません。

永続企業を目指す社長にとって、
自分を律せるかどうかは
とても重要なポイントだと思います。

このような永続企業を目指す社長にとっては、
「企業を永続化するための手助けを
国が労力をかけて実施してくれている」
と発想を転換してみてはいかがでしょうか?

このような発想は簡単ではありませんが、
どうせ逃れられない宿命であるならば、
少しでもプラス思考で考えていただければと思います。