経営をするあたって
顧客の重要性について、
誰もが意識するテーマです。

グループ顧客名簿という視点でも、
Vol.109 グループ経営資源の見える化②(顧客名簿2/2)」
でお伝えさせていただきました。

一方で、
仕入先や外注先については、
ついつい軽視してしまう経営者も
いらっしゃいます。

どうしても
「こちらが顧客だから」
「お金を払ってあげている」
といった上から目線になりがちです。

Vol.24(1)

但し、
1人の力や、1社の力だけで、
会社は生きていくことはできません。

いろいろな協力者があって初めて、
ビジネスは成り立ちます。
顧客へ最高のサービスを提供していくうえでは、
仕入先、外注先の協力が不可欠です。

長く経営していく中では、
自社が苦しくなったときには、
仕入先や外注先に
逆に助けてもらうこともあります。

つまり、
「仕入先との関係」
「外注先との関係」
は、重要な経営資源ということになります。

そのため、
ついつい優先順位が低くなりがちな
仕入先、外注先との関係性も、
きちんと見える化しておくことが望まれます。

具体的には、
「仕入先名簿」
「外注先名簿」
という形での見える化が
基本でしょう。

Vol.25(2)

経営者として、
きちんと仕入先・外注先名簿の
管理はされていますでしょうか?

もし名簿が存在しない場合や、
更新されず生きた情報になっていない場合には、
是非この機会に
見直してみていただきたいと思います。

そして、
グループ経営という視点においては、
この「仕入先名簿」「外注先名簿」は、
より大きな役割を担うものとなります。

「グループ顧客名簿」と同様に、
仕入先名簿や外注先名簿についても
グループベースで一元管理することが重要になる、
ということです。

ここでいう「仕入先」や「外注先」とは、
たとえば、
・商品や材料の調達先
・製品の外注制作先
・業務委託先
・専門家
・ITシステムベンダー
・物流業者
といったあらゆる取引先が考えられます。

どこまで管理すべきかは、
優先順位・重要性に応じて、
決めていくことになると思います。

但し、
優先順位・重要性を決めるうえでも、
最初はとりあえず
出来る限り全取引先をリスト化してみることが
スタートになるでしょう。

Vol.26(3)

そして、
仕入先・外注先を
グループ各社で見える化したうえで、
グループベースで一元化すると、
見えてくることが多くあります。

たとえば、
①コスト
②品質
③効率性
④資金管理
⑤不正防止
といった点です。

 

①コスト削減余地
グループ各社がバラバラで
別々の業者へ発注をしていたりすると、
規模の経済性が得られません。

グループで取引先を一元管理し、
選択と集中をすることで、
ボリュームディスカウントの交渉が
できる場合があります。

Vol.64(1)

 

②品質の維持
顧客へサービス提供をしていくうえで、
「取引先の品質」
も重要な要素です。

グループ各社が
独自の基準で取引先を選定していると、
グループとして満たすべき品質を
満たさない業者との取引も増える可能性があります。

グループ全体として品質管理をするうえでも、
グループベースの取引先一元管理は
重要になってきます。

Vol.99(5)

 

③効率性の追求
グループ各社がそれぞれで
取引をする相手を探したり、
発注をしたり、支払いをしていると、
社内の事務コストが、
各社で発生することになります。

一方で、
グループ全体で取引先を一元管理したうえで、
まとめて発注したり、支払いをすることで、
作業の効率化が図られ、
事務コストも軽減できる可能性があります。

いわゆる「シェアード・サービス」の観点です。
(参照:Vol.32 ホールディングス × シェアードサービス=?

Vol.19(4)

 

④グループ資金管理
経営において、
キャッシュ・フローを意識するのは、
重要なテーマです。

グループ経営になると、
グループベースでどれだけ効率的に
資金をマネジメントできるかで、
あらゆる戦略に影響を与えます。

グループ全体で取引先を一元管理することができれば、
お金の「支出」の部分をグループ全体で
管理することができるようになります。

結果的に、
グループ資金管理に役立つことになります。

Vol.42(2)

⑤不正の防止
自社が支払う立場にある場合、
その有利な立場を利用して、
支払担当者が取引先と共謀して、
不正をする事例はよくある話です。

グループ子会社管理という視点でも、
各子会社にどれだけ支払権限を委ねるかは
意識しておきたいテーマです。

このような各社での不正を防止する、
という視点においても、
グループベースで取引先管理をしておくことは、
有効は手段になり得ます。

以上、
いくつかのメリットを挙げさせていただきました。

お金が入ってくる「顧客」側だけでなく、
お金が出ていく「仕入先」「外注先」側についても、
グループベースで見える化し、
一元管理することで、
いろいろな効果があります。

グループシナジーを生み出すうえでも、
「グループ仕入先名簿」
「グループ外注先名簿」
の作成に取り組んでいただいて
損はないはずです。