顧客名簿の見える化について、
前回お伝えさせていただきました。

グループ経営の場合には、
「グループベースで顧客名簿を一元管理」
できるかどうかがポイントでした。

ただ、
グループ顧客名簿を作るといっても、
グループ化のデザイン次第で、
名簿の考え方も少しずつ異なります。

そこで、
今回は補足として、
①地域別グループ化
②事業別グループ化
③機能別グループ化
の3つの切り口で、
グループ顧客名簿の考え方を
確認してみたいと思います。

Vol.13

 

①地域別グループ化の場合
地域別でグループ化するケースは、
それほど多くないと思います。

そのため、
多店舗展開型のビジネスを
前提として置かせていただくと、
グループ顧客名簿は
どのような一元管理になるでしょうか?

この場合は、
顧客層はある程度同じで、
地域が異なる顧客情報という
ことになると思います。

地域が異なれば参考にならない情報も
当然あるとは思います。

但し、
・地域性を把握できる
・横展開できそうな情報を分析できる
といった点では、
地域が異なる顧客情報であっても、
グループで一元管理することは有用と言えるでしょう。

Vol.20(1)

 

②事業別グループ化の場合
次に事業別グループ化のケースを
考えてみたいと思います。

このケースは、
どのような事業に切り分けているかで、
考え方に違いは出るかもしれません。

グループ化した事業ごとに、
全く異なる顧客層になる場合には、
グループ内で顧客情報を
一元管理してもメリットが小さいかもしれません。

たとえば、
A子会社のa事業では、
法人向けのビジネス、
B子会社のb事業では、
個人向けのビジネス、
といった感じの場合です。

但し、
事業別にグループ会社を分ける場合でも、
全く異なる顧客をターゲットに
しているケースばかりではないはずです。

おそらく、
各事業の間で、
少なくとも30%くらいは、
顧客層が重複しているのではないでしょうか?

なぜかというと、
グループ会社化するとはいえ、
小さな会社や中小企業は、
ある程度関連性のある事業をもとに
複数会社化していくからです。

逆に、
事業別にグループ会社化した
それぞれの顧客層に全く重複が無いようであれば、
事業自体の方向性を見つめ直した方が
よいかもしれません。

無駄に多角化しすぎていて、
力が分散している可能性があるからです。

このようなグループ顧客戦略を
見つめ直す意味でも
グループ顧客名簿の一元管理は
有用と言えます。

Vol.89(3)

 

③機能別グループ化の場合
最後に機能別にグループ会社化した
ケースを考えてみたいと思います。

このケースの特徴としては、
グループ会社内で会社が、
直接的な顧客になる割合が高くなる、
という点です。

たとえば、
製造機能と販売機能を分けて
別会社にした場合を考えてみましょう。

この場合は、
製造子会社Aの顧客は、
同じグループ会社の販売子会社Bに
なるケースが考えられます。

そうなると、
製造子会社Aの顧客名簿を作成すると、
そのほとんどが「販売子会社B」になってしまう、
ということも考えられます。

Vol.42(1)

そうなると、
グループ会社の顧客情報を
一元管理する意義が乏しくなってしまいます。

それでは、
機能別にグループ会社化した場合には、
グループ顧客名簿を
どのように位置づければ良いのでしょうか?

私は、
このケースにおいても、
やはりグループ顧客名簿は
グループ経営にとって有用な情報になる、
と考えています。

なぜかというと、
グループ内の各機能子会社に、
真の外部顧客を見せてあげる役割を担うからです。

上記の製造子会社Aの例でいうと、
どうしても直接的な顧客である
販売子会社Bの方ばかりを意識してしまいがちですが、
本当に意識すべきは「外部顧客」です。

とはいっても、
外部顧客に接する機会の少ない製造子会社Aは、
外部顧客のイメージが湧きづらい状況も理解できます。

こうした場合に、
役に立つのが「グループ顧客名簿」です。

グループ内の各機能会社が
きちんと「外部顧客」を意識できるような
グループ顧客名簿を作成し、
グループ内で顧客情報を共有するのです。

Vol.98(2)

つまり、
グループ顧客名簿を通じて、
グループの各機能子会社が、
外部顧客を意識できる仕組みを構築する、
ということです。

このような活用の仕方ができれば、
グループ各社において
真の顧客を感じることができ、
業務へのモチベーションも上がるはずです。

 

以上、3つの切り口で、
グループ顧客名簿の意義を
確認してみました。

いろいろな考え方はあると思いますが、
グループ顧客の一元管理に取り組めば、
何らかの発見があるはずです。

Vol.81(4)

良い発見、悪い発見。
どのような気づきであっても、
グループ経営を実践していくにあたり、
有用な情報であることは間違いありません。

是非、
グループ顧客名簿管理の仕組みづくりに
取り組んでみてください。