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Vol.88 グループ経営者へ、「スピード連結決算」のススメ

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上場会社では
連結決算書の開示が求められますが、
連結決算の必要性は
なにも上場会社に限ったことではありません。

上場会社であれ、
未上場会社であれ、
グループ経営の場合には、
連結決算の仕組みを構築しておくことは
重要なテーマです。

とくに上場会社では、
連結決算書の適時開示が
法律として要求されていることもあり、
早期に正確な連結決算書を
作成しなければいけません。

ここでポイントとなるのが、
「正確かつ適時」
という点です。

 

とくに「適時」というところには、
上場会社でも苦労をしている会社が
多いのも事実です。

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実際に私が
上場会社で連結決算の仕組みの
構築を支援する際には、
「連結決算の早期化」
という要望もセットで依頼されることが多いです。

そのような会社では、
「連結決算システムを入れたら
連結決算の早期化ができますか?」
「経理人員を増やせば早期化できますか?」
「経理の専門性が足りなくて・・・」
といった質問もよくいただきます。

会社によって状況は異なりますが、
個人的には、
連結決算書が早く完成できない理由は、
システムや経理人員に起因しないことの方が多い
と思っています。

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当然、グループ会社数が
10社以上になってくると、
連結決算システムを活用した方が、
効率的な場面もでてきます。

但し、
正確な連結決算書が、
早期にできない理由は、
システムの問題ではないことがほとんどです。

Excelを活用した
連結決算書作成の仕組みでも、
グループ会社が10社くらいまでであれば、
1日で完成できるところまで
持って行けます。

最低限の経理人員は必要ですが、
兼任でもよいので、
1名~3名程度の経理人員が、
連結決算に関与できる状況があれば、
Excelだけでも
「スピード連結決算の体制」
は構築可能です。

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そのためには、
あるポイントがあります。

それは、
何度も繰り返しになりますが、
社長が意志をもって、
「仕組み化」
することを意識することです。

正確かつ早期に
連結決算書を作成するための
「連結決算の仕組み」
です。

このような連結決算の仕組みを
構築できていない経営者が、
共通して勘違いしていることあります。

その勘違いとは、
「連結決算=経理の作業」
と考えていることです。

社長自身が、
この考え方を変えない限りは、
「スピード連結決算の仕組み」
は構築できません。

もし、
グループ経営者として、
スピード連結決算の仕組みを
構築したいと本気で考えるのであれば、
「連結決算=グループ全社員でつなげるもの」
という考えに変えていただく必要があります。

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つまり、
「連結決算=経理だけの作業」
ではなく、
「連結決算=グループ全社員でつなげるもの」
ということです。

これまでもお伝えしている通り、
連結決算書を作成するプロセスは、
①連結決算の「専門知識」
②連結決算書作成の「作業」
③各グループ会社の「現場オペレーション」
の3つの要素で成り立っています。

このうち①と②だけであれば、
経理人員の仕事による要素が強いです。
一方で、
③はグループ社員全員に係ることです。

ここが重要なポイントです。
連結決算の仕組みを構築できていない社長の多くは、
「連結決算=①&②」
という発想で止まっているのです。

実際には、
①と②だけでは、
スピード連結決算の仕組みは作れません。

①②③が連動することで、
スピード連結決算の仕組みが可能となります。
つまり、
日々の現場オペレーション次第
ということです。

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そして、
日々の現場オペレーションの話になると、
マネジメントの領域であり、
社長のリーダーシップ次第となります。

こう考えると、結局は、
スピード連結決算の仕組みが
構築できない最大のボトルネックは、
社長自身の発想にあることが多い、
ということを、
多くの事例で実感しています。

逆に考えると、
社長自らが、連結決算の仕組み構築への
取組姿勢を見つめ直し、
グループ全社一丸となって取り組めば、
正確な連結決算書が早期に完成できる体制を作れる、
ということです。

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連結グループ経営において
1日でも早くグループの状況を
具体的数値で把握できれば、
正しい経営判断ができるはずです。

グループ経営者として、是非、
「スピード連結決算の仕組み」の構築に
チャレンジをしてください。

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