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Vol.80 グループ経営とエリア戦略②

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前回に引き続き
グループ経営とエリア戦略について
お伝えしたいと思います。

テーマは、
「グループ経営の広げないエリア戦略」
です。

繰り返しになりますが、
グループ経営を拡大する際に、
地域を拡大する発想になったときには
要注意です。

以下の問いを自問自答してみてください。

「今の地域で、やれるべきことはすべてやりきったのか?」
「日本ではやれるべきことはすべてやりきったのか?」

もし社長として、
「Yes」
と自信をもって答えられるようであれば、
地域拡大について心配する必要はありません。

おそらく
外部から相当有利な条件で
アプローチもあるはずなので、
自然と地域拡大の流れになっていきます。

Vol.20(1)

その流れで、
新しい子会社を作ったり、
他社を買収したりすることは、
自然な意思決定です。

このようなケースは、
理想的なグループ経営が
実現できている証になります。

一方で、
上記の問いに自信をもって
「Yes」と言い切れない社長は、
地域拡大はもう少し我慢した方が無難です。

おそらく、
地域拡大についての
外部からのアプローチは少ないはずです。

仮に外からのアプローチがあったとしても、
有利な条件で進めていける話ではない
のではないでしょうか?

そのような状態で、
無理して地域拡大を進めていくグループ経営は
かなりリスクが高いといえます。

Vol.27(1)

まずは、
地域拡大について
外部から良い条件のアプローチが
自然と来る状態になるまで、
今の地域で圧倒的な結果を出し続けることが、
優先課題です。

それでは、
今の地域で圧倒的な結果を出すためには、
具体的にはどうすればよいのでしょうか?

まずは、
グループ経営者として
「今の基準地域を決める」
ことです。

地域で圧倒的であるかどうかを
判断するためには、
基準となる地域を決めなければ、
判断できません。

この基準地域の広さですが、
感覚的には、
広くても「都道府県」単位です。

狭い場合だと、
「市区町村」単位でもよいかもしれません。

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基準地域を決めた後は、
その地域で圧倒的であると判断するための
基準となる「指標」を決めてください。

マーケットシェアがわかればよいのですが、
具体的につかみづらい場合には、
独自に何かの基準を決めていただいてもよいです。

注意すべき点は、
具体的な判断に使えるように
「数値の指標」
にすることです。

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ここまで決まれば、
グループ経営としてのエリア戦略は
具体的になります。

その「基準地域」で
圧倒的であると判断できる
「基準指標」に達すること。

これが、
グループ経営を「拡大」する際の
判断基準です。

ここでお伝えしたいのは、
必ずしも
「拡大する=地域を広げる」
だけとは限らない、
ということです。

たとえば、
「拡大する=地域を深掘りする」
「拡大する=地域の中での穴を埋める」
といった考え方もできるのです。

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これが、
私が言うところの
「グループ経営の広げないエリア戦略」
です。

たとえば、
「基準地域=広島県」
「基準指標=顧客シェア50%」
と置いたとします。

厳密には顧客の定義をどうするか、
といったテーマもありますが、
今回は話が脱線してしまいますので、
顧客の定義は決まっている前提で
ここではお伝えします。

広島県といっても細分化すると、
「広島市」
「呉市」
「・・・市」
セグメント化できます。

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それぞれの地域で
「顧客シェア50%」
という指標を達成できれば、
広島県全体でも
基準指標をクリアできるはずです。

基準地域である「広島県」で、
基準指標である「顧客シェア50%」を超えるまでは、
決して山口県とか岡山県に
地域を広げません。

広島県の中で、
・深掘りする
・穴があれば埋めていく
といった発想のもと、
グループのエリア戦略を考えてください。

たとえば、
広島県呉市についての顧客シェアが低い場合に、
その穴埋めをし、深掘りするために、
・呉市に特化した新しい会社を設立すること
・呉市の同業他社を買収すること
といったような方法が有効であれば、
トライをしても良いと思います。

このようなグループ経営の拡大は
問題ありません。

なぜなら、
「地域拡大ではなく、
今の地域を、深く、濃く、するための拡大」
だからです。

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これが、
「グループ経営の広げないエリア戦略」
です。

このことを意識してグループ経営をしていると、
今の地域で圧倒的な地位を築いた頃には、
地域拡大のアプローチが、
外部から自然とやってくるはずです。
それも、とても良い条件で。

それまでは辛抱をして
「グループ経営の広げないエリア戦略」
の実践を心掛けてみてください。

そうすれば、
「グループ売上高の拡大⇒グループ利益拡大」
のサイクルにしていけるはずです。

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