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【事例】株式会社 平山

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※平成28年12月1日に株式会社平山より適時開示されている「会社分割による持株会社体制への移行及び分割準備会社設立に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。

内容

持株会社体制への移行

開示概要

●平成28年12月1日開催の取締役会において、
平成29年3月1日(予定)を効力発生日として
会社分割方式により持株会社体制へ移行するための準備に入ることを決議。

●平成28年12月14日(予定)に分割準備会社として
100%出資の子会社を設立することを決議した。

●平成29年3月1日付(予定)で商号を変更し、
引き続き持株会社として上場を維持する予定。

●会社分割による持株会社体制への 移行及び商号変更等は、
平成29年2月開催予定の臨時株主総会による所定の決議
及び関係官庁の許認可等が得られることを条件とする。

持株会社体制移行の目的

●今回の組織変更は、
グループ経営の意志決定各事業における業務執行分離することにより、
グループの各事業が環境変化に迅速に対応できる体制構築責任・権限の明確化を図り、
ガバナンスの徹底と意思決定の迅速化による企業競争力の強化を目的としている。

●新たな持株会社は、
・グループ経営に必要な機能保有
・グループ全体の最適化のための戦略の策定と方針の決定
・適切な事業運営のための監督機能の発揮
・グループ共通課題への対応
等を通じてグループ全体の持続的な企業価値の増大を目指す。

持株会社体制への移行方法

分割(吸収分割)を採用し、分割する事業を100%子会社に承継する方法を予定。

持株会社体制への移行スケジュール(予定)

①分割準備会社の設立:平成28年12月14日(予定)
②吸収分割契約承認取締役会:平成28年12月15日(予定)
③吸収分割契約の締結:平成28年12月15日(予定)
④吸収分割契約承認株主総会:平成29年2月14日(予定)
⑤吸収分割効力発生日:平成29年3月1日(予定)

 

Review

今回は「平山」の事例です

臨時株主総会で承認を得て、
持株会社へ移行するというリリースとなっています。

 

今回の方針決定決議が平成28年12月1日で、
臨時株主総会の承認が平成29年2月14日(予定)、
実際の持株会社体制移行が平成29年3月1日(予定)、
ということで、3ヵ月の間に移行が完了するという流れです。

かなり早い部類の移行事例になると思いますが、
同社が6月決算であることを考えても、
わざわざ期の途中で、かつ、事業年度の8ヵ月が終わった時点という
少しキリが悪いタイミングでグループ組織変更をするということは、
よほど急いでいる様子のように見受けられます。

 

その背景を確認しようと思い、
同社の有価証券報告書(平成28年6月期)を確認してみましたが、
以下のような記載がヒントになる気がしました。

———————————————
●対処すべき課題
今期より連結対象に加わったタイ国現地法人を中心に
タイ国での人材ビジネスの拡大を進めると共に、
海外でのM&Aを積極的に進め、
ベトナム国現地法人の収益改善、フィリピン国への進出を進めてまいります。

●経営戦略の現状と見通し
その他事業につきましては、
国内外の既存取引先へのコンサルティングサービスの継続と拡大に加え、
訪日ニーズが高まるなか、スタディツアービジネスを強化いたします。
また、今年1月にM&Aを実施しましたタイ子会社での
積極的な拡販活動を展開してまいります。

●経営者の問題認識と今後の方針について
今後の人材ビジネス展開にあたっては
技術者派遣事業をターゲットにしたM&Aを積極的に検討いたします。
海外の営業展開につきましては、タイの強化と並行して、
昨今アライアンス先が増加してきたインドネシア、フィリピンへの拠点展開を行う方針です。

~以上、有価証券報告書より部分抜粋~
———————————————

 

なんとなくですが、
・積極的なM&A
・アジア諸国への展開拡大
というあたりが、
同社の今後のグループ経営戦略の
大きな柱になりそうな印象を受けました。

このような背景を前提とした場合には、
ホールディングス化は有効な手段の1つだと思いますが、
急いでホールディングス化している状況から推測すると、
かなり近いうちにM&Aを予定しているのかもしれません。

 

どうなんでしょうか??

 

但し、
「ホールディングス化=M&Aの成功」
という公式があるわけでは当然ありません。

カタチを整備するだけでなく、
それに応じた中身の改革や準備も
同時に不可欠と言えるでしょう。

 

同社の開示のなかでは、
持株会社は、

————————-
・グループ経営に必要な機能保有
・グループ全体の最適化のための戦略の策定と方針の決定
・適切な事業運営のための監督機能の発揮
・グループ共通課題への対応
————————-

といった機能を実践していく旨が記載されています。

 

どれも重要な視点ではありますが、
これらを実践するためには、
カタチ(組織)を変えただけでは不十分で、
やはり「ヒト」の思考や行動もあわせて
変わっていく必要があります。

ホールディングス化を1つの良い「きっかけ」として
グループ内の「ヒト」の思考や行動が変わり、
「グループ経営人材」に成長していくことこそが、
期待されることなのだと思います。

 

同社においても、
短期間でいろいろな準備進められていることと思われます。
是非、今後の展開も見守ってみたいと思います。

 

★★★★★★★
ホールディングス化は
社員の思考と行動が変わる「きっかけ」
★★★★★★★

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