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【事例】日本コンベヤ株式会社②

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※平成27年10月16日に日本コンベヤ株式会社より適時開示されている「単独株式移転による持株会社の設立に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。

内容

持株会社の設立(単独株式移転)

開示概要

●平成27年8月7日付の
株式移転による持株会社設立に関する方針決定のお知らせ
において持株会社設立に関し開示した。

●平成27年10月16日開催の取締役会において、
平成27年12月18日開催予定の臨時株主総会における承認を前提に、
平成28 年4 月1 日(予定)を期日として、
株式移転完全子会社とする単独株式移転の方法により、
「NC ホールディングス株式会社」を設立することを決議した。

持株会社化の目的

●我が国において、
企業と資本市場に関する様々な変革が求められる中、
グループにおいて柔軟かつ堅実な
コーポレートガバナンス体制を構築する必要がある。

●以下の目的をもって、持株会社体制へ移行する。

① 機動的な M&A による事業の多角化
持株会社が、グループ全体の
経営計画策定などの全体戦略立案に特化し、
経営環境の変化に迅速に対応した業務提携、
M&A を主導することによって、
グループ事業領域拡大を目指す。

② グループ全体の競争力の向上
持株会社は、経営機能に集中することで、
経営課題に機動的に対応し、
資金・人材といった経営資源の適正配分を行うことができる。

グループ各社は、自らの権限と責任が明確化されることで、
事業を取り巻く環境に応じた機動的な事業運営を行うことができ、
またそれぞれの事業遂行に専念することで、
専門性向上と収益力強化を図ることができる。

持株会社の全体的な経営戦略のもと、
個々の事業の価値創造力を強化することで、
グループ競争力の向上を目指す。

③ コーポレートガバナンスの強化
持株会社体制においては、
経営監督組織である持株会社と、
事業遂行組織であるグループ会社が明確に分離される。

持株会社がグループ会社を管理・評価することにより、
グループ全体におけるコーポレートガバナンスの強化を図る。

Review

前回のレビューに続き、
今回は少しだけコメントをさせていただきます。

前回の開示(8月)から2ヵ月が過ぎましたが、
かなり内容が煮詰まってきている印象です。

ホールディングス移行後の
グループ組織デザインもかなり具体的になっています。

また、
ホールディングス移行の目的も
かなり明確な形で打ち出されています。

<ホールディングス化の目的>
① 機動的な M&A による事業の多角化
② グループ全体の競争力の向上
③ コーポレートガバナンスの強化

上記の各目的について、
丁寧に説明がされていましたが、
打ち出しているメッセージは、かなりシンプルで、
●持株会社:経営機能に集中(経営監督組織)
●グループ各社:自らの権限と責任のもと事業遂行に専念(事業遂行組織)
の2点を強調している印象でした。

なんだかんだ言って、
ホールディングス化の最大の目的は、
このポイントに集約されると思います。

 

なお、ホールディングス移行にあたり、
2段階のステップに分けて検討されています。

まずは、
「ホールディングカンパニーを設立する」
というステップ。

そして、次のステップとして、
「各子会社において組織再編を通じて、
グループ組織のデザインをしていく」
という流れです。

会社法上の手続き、
税務上の対応(メリット・デメリット)
といった点を考慮しながら
デザインの詳細を決めていくのだと思います。

 

最初から完成形を確定して、
一発で移行を目指すのではなく、
同社のように、出来るところから少しずつ進めていく姿勢は、
個人的には良いことだと思います。

引き続き、
同社の今後の取り組みを
注視していきたいと思います。

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