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【コラム】森保監督から学ぶこと②(観る力)

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中小企業経営者≒サンフレッチェ広島の森保監督?

毎年のように主力選手が流出していくなかで、
就任後の4年のうち、3度の優勝を果たした
サンフレッチェ広島森保監督

多くの高額年俸選手を
そろえているわけではありません。

そのようななかで、
結果を出し続ける森保監督の
チームマネジメントには、
経営資源が限られている中小企業経営者にとっても、
ヒントになる要素があるはずです。

ということで、
前回に引き続き、森保監督の著書
「プロサッカー監督の仕事」
から、ヒントになる部分を
採り上げてみたいと思います。

 

監督の仕事は「観る」ことから始まる

著書の第1章のなかに、
以下のようなコメントがあります。

————————————————————
チームの中には
それぞれ違う感性やキャラクターを持った選手がいて、
それぞれが置かれた状況も千差万別です。

もちろんチーム全体として方向付けは必要ですが、
しっかりと個にフォーカスして、
対応してあげることが大切だと考えています。

そのために僕が選手にしてあげられること、
してあげないといけないことは、
何よりもまず「観ること」だと思っています。

自分が何か働きかけて変えてあげるというよりも、
とにかく単純にプレーを観てあげる。

そこから評価や指導につながっていくわけですが、
まずは観てあげないことには、
選手に何も言ってあげられません。

(P25より引用)
————————————————————

このコメントの「選手」の部分を
「社員」に置き換えると、
まさに、
企業経営者の言葉そのもの、
と言ってもよいような気がします。

 

全員を観ていないのに評価はできない

その続きとして、
以下のようなコメントもありました。

————————————————————
チームに在籍する全選手を「観る」ことは、
実はそれほど簡単ではありません。

プロチームという環境では、
試合に絡めている「主力組」と、
絡めていない「サブ組」の選手とに
どうしても分かれてきてしまいます。

それでも、時間が許す限りは極力全員を観る。
それは僕にできる最低限のことであり、
一番やらなければいけないことだと思っています。

~中略~

全員をちゃんと観てもいないのに、
使う選手と使わない選手に分けることは、
絶対に間違っている。
だから「使う選手」だけを観ることにはならないように
気をつけています。

(P25~P26より引用)
————————————————————

企業においても、
社員を育成したり、評価するためには、
社員を「観てあげること」は不可欠です。

ただ、
組織構造上の問題や、
マネジメントの問題もあり、
「適切・正当に社員を観てあげられていない」
状況は多くの企業で存在します。

 

実際には、
簡単なことではないと思います。

それでも、
それをそのまま放置するのか、
森保監督のように、
「それは僕にできる最低限のことであり、
一番やらなければいけないことだと思っています。」
と考え、経営者として、
社員を観てあげる努力をするかどうかで、
社員のモチベーションは大きく変わってくるはずです。

 

見える化の仕組み=観ることを可能にする仕組み

社員数が増えれば増えるほど、
グループ会社数が増えれば増えるほど、
社員個々人のフォーカスをして、
きちんと「観てあげる」ことは、
難しくなっていきます。

社長1人ですべての社員を
「きちんと観てあげる」
ことができる規模は、
せいぜい10人~15人程度だと思います。

その規模を超えてくると、
どうしても「観てあげる」役割を
委譲していかざるを得ません。

 

但し、
「きちんと観てあげる」
ことは、結構高度な
マネジメントスキルが要求されます

それぞれの上司の個性に任せるだけでは、
「観る」レベルもバラバラになります。

「観てあげる」レベルが
組織として一定に保たれていないようだと、
社員の間では不満が出てしまいます。

このようなことを考えると、
グループ規模大きくなればなるほど、
「観てあげる仕組み」
の構築が必須になってくるはずです。

 

私は、常々、
「グループ全体の見える化」
の必要性をお伝えしています。

これは、
今回のテーマに置き換えると、

———————————————-
見える化の仕組み
=観ることを可能にする仕組み
———————————————-

と表現してもよいかもしれません。

 

サンフレッチェ広島のように、
強い中小企業に成長していくためには、
経営者として
「観ることを可能にするための見える化の仕組み」
の構築に取り組むかどうかにかかっている、
と言っても過言ではないように思います。

 

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