はじめに
グループ経営において、
「経営指導料」
について、どう考えるかは、
1つのテーマです。
以前の記事の
「【コラム】経営指導料の算定方法」
でも私なりの考えをまとめましたが、
今回は少し実際の数値例をもとに
研究をしてみたいと思います。
研究対象会社の選定
まず今回はランダムに
10社の会社を選定してみました。
大きく分けると、以下のとおりです。
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<ホールディングス型連結グループ経営:5社>
①㈱ウエスコホールディングス
②㈱エンビプロ・ホールディングス
③テクノプロ・ホールディングス㈱
④フジパングループ本社㈱
⑤ジェイコムホールディングス㈱
<通常の連結グループ経営:5社>
⑥リアルコム㈱
⑦㈱ビューティ花壇
⑧旭サナック㈱
⑨サイバーステップ㈱
⑩㈱毎日コムネット
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算出する比率
今回の研究においては、
各社の経営指導料について
以下の3つの比率を算出してみました。
●連結売上高比率
●連結営業利益比率
●連結経常利益比率
連結売上高、連結営業利益、連結経常利益は、
グループ内取引を消去したうえでの、
純粋なグループの売上や利益です。
とくにホールディングス経営の場合には、
事業子会社の売上高や利益と
連結売上高や連結営業・計上利益は
ある程度整合があると考えられます。
そう考えると、
グループ全体への貢献度合いと
経営指導料の金額の関係性を見るうえでは、
1つの目安になるとの仮説が立ちます。
算出結果(ホールディングス型)
まず「ホールディングス型」の場合の
算出結果は、以下の通りでした。
①㈱ウエスコホールディングス
②㈱エンビプロ・ホールディングス
③テクノプロ・ホールディングス㈱
④フジパングループ本社㈱
⑤ジェイコムホールディングス㈱
今回はたった5社だけなので、
あまり規則性は特定することはできませんでした。
そのなかでも、
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・売上高に対しては「1%未満」の会社の方が多い
・売上高に対する比率は2期比較でもそれほどブレない
・利益に対する比率は、会社比較、2期比較ともブレがある
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といった傾向は見受けられました。
以上の結果を踏まえると、
あくまで個人的推測ではありますが、
グループ子会社の「売上高」を1つの基準にして、
経営指導料を算定しているケースが多い
ということが言えような気がします。
次回へ
続いて、次のグループとして、
ホールディングス型ではない、
連結グループ経営の5社の方の結果を
確認してみたいと思いますが、
長くなりましたので、
次回に続きをお伝えさせていただきます。