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Vol.48 オーナー社長の個人資産の最大化

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永続企業を目指していくうえで、
経営者、とくにオーナー社長は、
個人資産を増やしていく必要があると考えています。

お金持ちになることが良いこと、
という次元の話ではなく、
経営者は誰よりも金銭的余裕を持てるように
努力していく必要がある、
ということです。

なぜかというと、
金銭的余裕は精神的余裕を生み、
安定経営につながります。

また、
会社がいざというときは、
私財投入してでも会社や社員を守る必要があります。

社長のポケットマネーで
社員におごったりすることもあるでしょう。
社会貢献活動にお金が必要になるときもあります。

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但し、このような視点は、
社員の立場ではなかなか理解できません。
社長にしかない視点だからです。

そのため、
社員からは金銭的な面で、
妬まれることもあるかもしれません。

それでも、
周りからはどう思われようと、
やはり社長は個人資産を最大化するように
取り組んでいくべきだと思います。

当然、私欲を完全に排除しましょう、
とまでは言いません。

個人の幸せのために
お金を増やすという欲も必要な要素です。

それでも、
私欲がすべてになってしまうと、
経営がおかしくなってしまいますので、
私欲は半分程度にして、
企業永続のために
個人資産の最大化を目指していただければと思います。

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それでは、
どのように社長は個人資産を
最大化していけばよいのでしょうか?

まず、
個人資産を大きく分けてみると、
①現金預金
②経営する会社の株式(=出資金)
③金融資産・不動産(生命保険等も含む)
の3つに分けられます。

一般的には、
個人資産の源泉は、
月々の役員報酬等のフローの収入が
ベースになると思います。

そう考えると、
役員報酬を多くすることが
個人資産を最大化する近道なのでしょうか?

短期的には、そうかもしれません。

但し、これは状況によります。

たとえば、
役員報酬を増やす
⇒会社のお金が減少する
⇒事業投資ができなくなる
⇒企業成長に鈍る
⇒会社の利益が伸びない
役員報酬を支払う原資が少なくなる
といったようなことが考えられるかもしれません。

また
役員報酬を増やす
⇒社員がその事実を知る
⇒社員のモチベーションが下がる
⇒事業が上手くいなくなる
⇒会社の利益が伸びない
役員報酬を支払う原資が少なくなる
といったこともあるかもしれません。

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つまり、
役員報酬の源泉はあくまで、
企業の利益であることを忘れてはいけない、
ということです。

経営するグループ企業の利益が順調に伸びてこそ、
社長の役員報酬も増えるのです。

そう考えると、
短期的には役員報酬を増やしたいと思っても、
あえて我慢したうえで、
企業の将来的な成長と利益増加を優先する、
といった判断も必要な場合があります。

結局は、
本業である事業が順調に拡大してこその役員報酬であり、
オーナー社長の個人資産なのです。

永続する企業の経営者は、
この優先順位、主従の関係をきちんと理解しています。

あくまで主が
「企業利益の最大化」で、
それが、いずれは
「個人資産の最大化」につながる、
ということをわかっています。

そのため、
永続企業の経営者は、
短期的な収入や欲を我慢することもできます。

永続する企業を目指し、
永続ファミリーを目指すのであれば、
絶対に、
「企業利益の最大化」
「企業価値の最大化」
という点を優先していただきたいと思います。

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これが個人資産の源泉になります。

永続企業のオーナーは、
先の個人資産の①②③でいうと、
「②⇒①⇒③」の順番
個人資産を考えていると思います。

つまり、
企業利益の最大化(②)
⇒役員報酬の増加
⇒個人の現金預金の増加(①)
⇒資金運用(③)
⇒安定的な収入と資産を確保
といった発想です。

永続企業を目指す経営者には、
決して「今」の役員報酬だけに
執着しないようにしていただきたいと思います。

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