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【事例】アプリックスIPホールディングス株式会社

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※平成28年9月23日にアプリックスIPホールディングス株式会社より適時開示されている「子会社3社の共同株式移転による中間持株会社設立に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。

内容

中間持株会社設立

開示概要

●平成28年9月23日開催の取締役会において、
子会社である
・アプリックスIPパブリッシング株式会社、
・フレッ クスコミックス株式会社
・株式会社ほるぷ出版
の3社(当該出版事業3社)が実施する共同株式移転により、
中間持株会社を新設することを決定。

中間持株会社設立の背景と目的

●グループの非中核事業である出版事業は、
第2四半期連結累計期間において初めて黒字化を達成したものの、
大手出版取次の相次ぐ破綻等に見られるように、
事業環境は極めて厳しいものである。

●更なる収益を確保するために、
出版事業に属する当該出版事業3社が
より綿密に連携していく必要がある。

●出版事業3社の各本社を
当社本社建屋内同フロアに集約し、
経営効率の向上と収益力の強化を図ることとした。

●グループでは、中核事業である
IoTソリューション事業が立ち上がってきていることから、
来期(平成29年12月期)の黒字化も視野に、
非中核事業である出版事業の切り離しの検討を進めていくこととした。

●すでに出版事業の譲渡先企業等を探しており、
今回、出版事業3社を共同株式移転により設立する
中間持株会社の下に集約することにより、
中核事業であるIoTソリューション事業との境界も明確になり、
速やかな事業再編を行うことも可能となると考えている。

株式移転の方式

当社完全子会社である
・アプリックスIPパブリッシング株式会社
・フレックスコミックス株式会社
・株式会社ほるぷ出版
の3社が共同で行う株式移転方式

株式移転の日程(予定)

①平成28年9月23日:株式移転計画作成(3社)取締役会決議
②平成28年9月30日(予定):株式移転計画承認臨時株主総会(3社)
③平成28年10月3日(予定): 中間持株会社設立登記日(株式移転効力発生日)

Review

今回は「アプリックスIPホールディングス」の事例です。

同社はすでにホールディングス状態にありますが、
傘下にある同事業分野の子会社3社を束ねるような
ホールディングス(中間持株会社)を設立する、
という内容になっています。

 

同社のことは、私自身、
あまりよく知りませんでしたが、
ここ数年の同社の業績を確認する限り、
かなり業績が落ち込み、苦しんでいる様子でした。

企業として継続していくためにも、
コアになる事業に集中をして、
ノンコア事業からは撤退する方針も打ち出されています。

 

そのなかでの今回の
中間持株会社設立という流れがあるようです。

目的は大きく2つです。

——————————-
①同事業(非中核事業)の子会社を集約し効率化を図る
他の事業(中核事業)とのすみわけを明確にすることで今後の組織再編に備える
——————————-

 

上記目的のうち②については、
興味深い視点だと思いました。

 

将来事業売却する前段階として、
同事業について中間持株会社体制にしておく、
という流れとのことです。

 

グループ経営においては、
グループ企業を増やしたり、減らしたり、
ということは普通に起きえることです。

一般的には、
グループ拡大に向けて、
子会社を増やしたりしていく方に目が向きがちですが、
現実的には、増えることもあれば、
減ることもあります。

 

グループ経営において
多くの会社が悩むのは、実は、

————————–
グループ子会社を減らす方の決断
————————–

をするときです。

 

この「減らす」決断が適時にできないが故に、
グループ全体としての力が衰えていく企業を
私自身も何度か見てきました。

 

できれば、
グループ会社を減らすことなく、
グループ拡大をしていければ理想的かもしれません。

但し、現実的には、
グループ会社を清算したり、売却したり、合併したり、
といった「減らす」決断をすることで、
前に進んでいけることもあるものです。

 

グループ経営のなかで、
どれだけ上手く「減らす」決断ができるかは、
グループ拡大できるかどうかに
大きく影響するということです。

 

今回の事例は、
「減らす」決断をする際に「ホールディングス」を活用する
という珍しい事例かもしれませんが、
1つの事例として挙げさせていただきました。

 

★★★★★★★
グループ会社を「減らす」決断の方も、
きちんとできていますか?
★★★★★★★

 

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