※平成28年3月31日に株式会社幸楽苑ホールディングスより適時開示されている「中期経営計画策定に関するお知らせ ~ チャレンジ555(ゴー・ゴー・ゴー) ~」をもとに情報を整理しています。
ホールディングス化後のチャレンジ
2015年7月より
ホールディングス化したか「幸楽苑」社ですが、
2016年3月31日の開示資料として、
中期経営計画が発表をされていました。
今回は、
「ホールディングス化した事例会社の『その後』」
として、
2016年3月31日に同社から開示された
「中期経営計画策定に関するお知らせ ~チャレンジ555(ゴー・ゴー・ゴー) ~」
をもとに同社の取組状況を確認してみたいと思います。
5年で経常利益を6倍に!
まず、
同社の中期経営計画で宣言されていた
「数値目標」
を確認してみたいと思います。
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●2016 年3月期(見込み)
・売上高:381億円
・経常利益:8.3億円
・経常利益率:2.1%
・店舗数:530店舗
●2021年3月期
・売上高:500億円
・経常利益:50億円
・経常利益率:10%
・店舗数:690店舗
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いかがでしょうか?
売上高も経常利益(率)も
かなりハードルが高い目標だと思います。
ちなみに同社のここ最近の経営成績は、
有価証券報告書によると以下のような感じです。
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●2015年3月期
・売上高:376億円
・経常利益:9億円
●2014年3月期
・売上高:372億円
・経常利益:9億円
●2013年3月期
・売上高:360億円
・経常利益:7億円
●2012年3月期
・売上高:351億円
・経常利益:20億円
●2011年3月期
・売上高:339億円
・経常利益:20億円
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傾向としては、
ここ最近はダウントレンド
と言ってもよいでしょう。
このような状況の中で、
上記の中期経営計画の目標は、
かなりチャレンジを必要とする数値であることは
間違いないでしょう。
このようなチャレンジのスタートとして、
「ホールディングス化」
というグループ組織デザインの変更が
あったのだと改めて思いました。
成長拡大施策
次に「成長拡大施策」として
どのような内容が挙げられているのか、
確認をしてみたいと思います。
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●消費者のニーズが多様化している中で、
単一ブランドの成長には限界があるため、
若い世代や女性の視点を採り入れた新たな業態開発に挑戦する。
●規模拡大の成長エンジンとして、
フランチャイズ加盟店比率を総店舗数の10%とする。
⇒募集・拡大を積極的に実施
⇒従業員の多様な生涯設計に対応できる体制(のれん分け等)の構築
●国内市場が縮小する中で、
新たな収益源として「海外戦略」を再構築し
積極的な海外展開を目指す。
●M&Aについても、取り組んでいく。
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キーワードは、
「複数ブランド化」
「フランチャイズ拡大・のれん分け」
「積極的な海外展開」
「M&A」
といったところでしょうか。
これらはどれも
ホールディングス経営においては、
親和性の高いキーワードばかりです。
やはり、
現状の延長線上では
先ほどの「ハードルの高い数値目標」をクリアするのは
容易ではないと思いますので、
このような「新たな取り組み」を目指していくことが
前提になるのだと思います。
経営効率・体質改革施策
さらに、「経営効率」や「体質改革」のための施策として、
以下のような内容がありました。
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●店舗・工場・供給体制・本部機能のすべての業務・仕組みを見直し、
生産性の改革と損益分岐点の引き下げを図るとともに、
出店エリア拡大に連動した供給・物流体制を再構築していく。
●人材の多様化・女性の活躍推進に向けた労働環境の整備とともに、
次世代リーダー(経営層)の育成、提案制度等を新たに構築し、
ボトムアップによる体質改革を目指していく。
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先ほどの数値目標を見ると、
「経常利益率10%」
と掲げていました。
現状の水準(2.1%)から
10%の水準に引き上げていくためには、
「生産性の向上」
が不可欠のテーマとなります。
そのためには、
ここで記載されているように、
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店舗・工場・供給体制・本部機能の
すべての業務・仕組みを見直す
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ことが求められるでしょう。
事業における
サプライチェーンをどのように作り上げていくのか、
この点こそ「ホールディングカンパニー」が
取り組むべき大きな課題だと思われます。
また、
「労働環境の整備」
「次世代リーダー(経営層)の育成」
「ボトムアップ」
といったキーワードもありました。
まさに「ホールディングス経営」において
テーマになるものばかりです。
プロジェクト概要
最後にプロジェクト概要が
間単にまとめられていましたので、
紹介をさせていただきます。
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①新業態開発
若い世代や女性の視点を採り入れた新たな業態開発
②FC・のれん分け
フランチャイズ加盟店の募集拡大と従業員の多様な生涯設計に対応できる体制構築
③海外進出
海外戦略の再構築
④M&A
事例調査と情報収集
⑤財務改革
投資効率の改善と財務体質の確立
⑥店舗作業改革
店舗作業の軽減・削減による生産性改革と損益分岐点引下げ
⑦組織人事
組織改革と次世代リーダーの育成
⑧労務改善
全社的な労働環境の改善、女性店長・管理職の育成
⑨システム
グループ会社間、販売・生産・物流間の情報連携強化とマネジメント情報の改革
⑩供給システム
出店エリア拡大に伴う供給・物流コストの低減と効率化
⑪業務改革
本部機能の業務効率化と本部費の低減
⑫チャレンジアップ
チャレンジアップ役員審査制度等のボトムアップによる体質改革
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本当に盛りだくさんですが、
これらを愚直に取り組んでいけば、
「売上高:500億円」
「経常利益:50億円」
「経常利益率:10%」
「店舗数:690店舗」
という高い目標も
クリアできるものと思います。
今後も同社の取組み状況については、
「ホールディングス化事例会社のその後」
としてウォッチしていってみたいと思います。