連結グループ経営を実践するうえで
社長にも知っておいていただきたいマメ知識の解説です。
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社長であれば、
いつか株式上場をしたい、
と思う瞬間があるものです。

決して
「株式上場している会社=すごい会社」
「株式上場していない会社=弱い会社」
というわけではありません。

日本では、
株式上場はしていないけれど、
素晴らしい企業であったり、
大企業であったり、
有名な企業であったり
する場合も多く存在します。

そのため、
あくまで株式上場は、
成長している会社の1つのモノサシ
でしかありません。

Vol.52(3)

それでも、
世間では、この勝手なモノサシで
会社を見られてしまうものです。

今は株式上場を考えていなくても、
いろいろな理由で、
いつか株式上場したくなることがあるかもしれません。

そこで、
株式上場をしたいと考える社長のほとんどが、
意識していない
「株式上場のコスト」
についてお伝えしたいと思います。

実は、いろいろコストがかかります。
巷では、
「株式上場を維持するのに1億円かかる」
とよく言われています。

会社によって様々ですし、
正確な統計はありませんが、
この数字はあながち間違いではない、
と思います。

社長であれば、
出来る限りコストを抑えたい、
という思いは必ずあるはずです。

それも、
売上に直接的に結びつくことが
わかりづらい管理コストであれば、
なおさらです。

ただ、
上記に示した1億円の株式上場コストは、
多くの場合、
「管理コスト」
になりがちです。

株式上場にかかるコストを使って
社内管理体制を整備し、
売上に結び付けていければベストなのですが、
なかなか簡単ではありません。

結局、
株式上場していなければ、
かからないようなコストが
株式上場することでかかってしまう、
というのが現実です。

さらに、
この株式上場のコストは、
一時的なコストではありません。

基本的は、
毎年のランニングコストなのです。

たとえば、
現在2億円の利益が出ている会社であれば、
その半分の1億円程度は、
株式上場に関連するコストで追加されるので、
利益が残りの1億円になる、
ということです。

ということは、
株式上場を目指す場合には、
この株式上場コストを上回るメリットがなければ、
割に合いません。

信用力がつく。
優秀な人材を確保できる。
資金調達力があがる。

当然メリットもありますが、
これらのメリットが、
株式上場コストの1億円を上回るかどうか。

経営者としては、
このあたりの費用対効果も考えて、
株式上場の判断をしていただければと思います。

それでは具体的に
なぜこれだけの株式上場コストがかかるのでしょうか?

本当にざっくりではありますが、
いくつか挙げてみたいと思います。

<株式上場コストとコスト目安>
・証券会社への報酬(500万円/年)
・監査法人への監査報酬(1,000万円~2,000万円/年)
・システム投資/更新(1,000万円/年)
・管理部門/内部監査部門人材の採用(4,000万円/年)
・各種コンサルティング費用(500万円/年)
・監査対応、証券会社対応の労働時間上昇(1,000万円/年)
・社外役員の増強(1,500万円)
・その他(500万円)

 

金額についてはあくまで目安です。
まったく金額がないと、
イメージが湧きづらいと思い、
付け加えています。

会社によってはかからないコストもあると思います。

また、年度ごとに
かかったり、かからなかったり、
といった状況の違いもあります。

但し、
中長期的に平均すると、
株式上場を維持するということは、
上場前では支出していなかったコストが
余分にかかってしまう、
というのが現実です。

このような追加のコストを
会社として前向きにとらえて、
会社を強くする仕組みとして活用できれば、
見返りも多くなるはずです。

また、
金額で測れるもの、測れないもの、
メリット・デメリットがあるのも事実です。

いろいろな要素がありますが、
株式上場をすると、
「今までかかっていなかった追加コストが発生する」
のは1つの事実です。

実際に「1億円」と聞くと、
少しためらわれるかもしれませんが、
それでも多くの社長の心を惹きつけるのが、
「株式上場」
の不思議なところです。

ということで、
株式上場を目指す場合には、
このような事実を踏まえ、
検討をしていただければと思います。