グループ経営のカタチの1つとして、
ホールディングス経営があります。

私としては、
ホールディングス化することで、
グループ経営の可能性を広げられると思っていますし、
その考えをこれまでもお伝えしてきています。

前回のVol.72では、
一般論としての
「ホールディングス化のメリット」
についてお伝えさせていただきました。

但し、当然ですが、
メリットだけしかない、
ということはあり得ません。

メリットがあれば、デメリットもあります。

Vol.15(3)

そこで、
今回は前回の「メリット」の続きとして、
一般論としての
「ホールディングス化のデメリット」
についてもお伝えさせていただきたいと思います。

<ホールディングス化のデメリット>
①事業子会社へ分権化が進み過ぎて管理ができなくなる
②各子会社のグループ帰属意識が希薄化する
③情報やノウハウが拡散してしまう
④ホールディングカンパニーと子会社の間の不要な上下関係ができてしまう
⑤意思決定がバラバラになってしまう
⑥会社が増えることで法人維持コストが高くなる
⑦間接業務が重複して発生してしまう
⑧グループ内の赤字と黒字をネットできない場合、法人税が増えてしまう

この他にもあるかもしれませんが、
概ね上記のデメリットに
集約されていくのではないかと思っています。

いかがでしょうか?

しっくりくるもの、こないもの
両方があるかもしれませんが、
ホールディングス化と上記のデメリットが
きっちりと頭の中で結びつきますでしょうか?

Vol.5

勘のよい経営者なので、
お気付きかもしれませんが、
これらのデメリットのほとんどは、
ホールディングス化によるメリットと
表裏一体の関係にあるのです。

つまり、
「ホールディングス化=諸刃の剣」
と言ってもよいかもしれません。

どちらにも転び得るのです。

Vol.72でもお伝えさせていただきましたが、
私としては、
「ホールディングス化=形から入る経営」
と思っています。

つまり、
良い形をつくることで、
グループ組織の中身を変えていく、
ということです。

Vol.40(1)

さらに言うと、
ホールディングス化というのは、
「組織が変わるためのきっかけ」
「経営者から社員への強いメッセージ」
と言ってもよいと思います。

グループ経営者が、
グループ全体のありかたをグループ社員に伝えるための
手段であり、きっかけになるのが、
「ホールディングス経営への移行する」
という行為なのだと思います。

ホールディングスという、
「形」をデザインし、
「形」を伝え、
「形」を実際に作り、
「形」を運営していく、
ことを通して、
グループ全体の組織改革を
行っていくイメージです。

Vol.16(2)

組織構造を
法人単位から変えるというのは、
経営者としては、
大きな決断になるはずです。
社内の部門を変更するという次元とは異なります。

そのため、
ホールディングス化というのは、
たとえば、
「税金を減らしたい」
といったような思いだけで
取り組むべきものではない、
と思っています。

得られるメリットに比べ、
あまりにもリスクの方が高すぎます。

ホールディングス化は、
グループ経営の「切り札」として、
ハイリスク・ハイリターンを覚悟したうえで、
決断をしていくべきだと思います。

 

Vol.21(3)

グループ経営者として、
「グループ全体の意識改革をしたい」
「成長し永続する強いグループ組織にしたい」
といったような強い意志と決意があって初めて、
ホールディングス経営への移行を
決断すべきだと考えています。

繰り返しになりますが、
ホールディングスのメリットとデメリットは、
表裏一体の関係であり、
紙一重の関係です。

どちらに転ぶかを左右するのは、
やはり、経営者としての強い意志だと思います。

ここでの経営者としての意志として、
「自分のため」では弱いと思います。

自分のために頑張ることも重要なのですが、
それだけでは、長続きしないことが多いものです。

Vol.18(2)

やはり、
「社員のため」
「顧客のため」
という周りの人への強い思いがあってこそ、
諦めず続けていける取り組みに
なっていくものだと思います。

大きく組織構造を変えるということは、
多くの人を巻き込む取り組みになります。

オーナーや社長1人の力では、
ホールディングス経営を中身のあるものに
していくことはできません。

巻き込むべき周りの人が
自分事として捉えてもらえるように、
経営者としては、
巻き込む周りの人のことを考え、
メッセージをきちんと発信をしていってください。

そうすれば、
ホールディングス化による
ハイリターンの方を得られるはずです。