これまで、
連結決算の仕組みの考え方や必要性について、
書いてきました。

その意義自体は、
ご理解いただけたのではないかと思います。

一方で、
「意義はわかったけれど、
 具体的に仕組みはどのように作ればよいのか?」
といった疑問も聞こえてきそうです。

そのため
今回は、この仕組みづくりについて、
もう少し具体的に書いてみたいと思います。

まず連結決算の仕組みを作ろうと思った際に、
その最初のとっかかりは何になるのでしょうか?

Vol.58(1)

つまり「出発点」です。

これを間違うと、
変な方向に進んでしまいますので、
当たり前のようですが、
関係者間で共有をしておくことが必要です。

私が仕組みづくりを実践する場合に、
最初に意識するのは、
「出発点=ゴールを決める」
ことです。

つまり、
「終わりを決める」
ということです。

仕組みというのは構築していっても、
次から次へとバージョンアップしていくので、
実際には「終わり」というものはありません。

但し、
具体的な「終わり=ゴール」が無ければ、
進んでいくうえでブレていくことが多いので、
とりあえず「ゴールを仮決め」します。

Vol.58(2)

それでは、
この仮決めすべきゴールとは
具体的にはどのようなものになるのでしょうか?

当然唯一の正解はありません。
連結決算の仕組みづくりにおいて、
その目的を決めるのは社長なので(参考:Vol.56)、
社長がゴールを仮決めすれば良いと思います。

ただ、それは具体的である必要があります。

経営理念のような抽象的なゴールは
大前提としては重要ですが、
連結決算の「仕組み」を作るうえで
仮決めするゴールには具体性が必要です。

具体性があるとは、
つまり、目に見えたり、有形であったり、
社員の間で共通言語になりやすいもの、
と言ってよいでしょう。

この具体的な仮決めゴールは
是非、社長自らが決めていただきたいと思います。

ちなみに、
私が考える仮決めに適したゴールは、
「経営判断用の定期的なグループ数値資料」
です。

Vol.58(3)

なぜかというと、
「経営判断=経営者の仕事(目的)」
「定期的=時間軸が明確になる」
「数値=具体的な共通言語」
「資料=有形の具体的なツール」
であり、
連結決算の仕組みを
具体的に表すと考えるからです。

つまり、
「経営判断用の数値資料を決められたタイミングで作成すること」
がゴールとして仮決めされることで、
その資料を作るためには、
いつ、誰が、どのように、何を実施する仕組みが
必要なのかを考えていくことができます。

仕組みづくりを出発できる、
ということです。

このような資料のことを、
私は勝手に、
「キードキュメント」
と呼ぶことにしています。(参照:Vol.59

つまり、
「キードキュメントを仮決めすること=仕組みづくりの出発点」
ということです。

そして、
この仕組みづくりにあたって、
とても有効な武器になるのが、
「ホールディングス」の仕組み、
だと考えています。

Vol.38(1)

詳細は、
Vol.36 現状把握のために必要なもの
Vol.37 複数会社の情報を吸い上げるには?
の記事もご参照いただければと思いますが、
いつ、誰が、どのように、何を実施するかを
グループ全体でコントロールする仕組みとして、
ホールディングス経営が
とても有効だということです。

いずれにしても、
仕組みづくりが出発するには、
社長が「意志」を明確に示すことが不可欠です。

社長が連結グループ経営を
実践するにあたり、
・いつ
・誰から
・どのような数値が記載された
・どのようなフォーマットの
・何枚ものの資料
があればよいのか。

具体的な「キードキュメント」について、
社長自らがきちんとデザインをして、
社長自らがその意志を明示することが、
連結決算の仕組みづくりの出発点といえます。

Vol.58(4)

社長自らが
その意志を具体的にすることが
出発点になるということを、
是非意識していただきたいと思います。

そうすれば、
自ずと連結決算の仕組みづくりの
次のステップが見えてくるはずです。