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Vol.56 連結決算の目的を決めるのは社長

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決算時期になると、
毎日のように
「●●株式会社の連結売上高は・・・」
「株式会社△△は連結経常利益が・・・」
といった報道や新聞記事を目にします。

このような業績発表が報道されるのは、
基本的には上場会社のみです。

上場会社では、
「連結決算」での業績開示が義務であるため、
連結グループ経営をしている場合には、
必ず「連結グループとしての業績」を発表することとなります。

一方、
これまでも何度か書いてきましたが、
未上場会社では、
連結決算は義務ではありません。

Vol.15(3)

そのため、
未上場でグループ経営をしている会社は、
連結決算を導入していないことが多いです。

但し、
義務がないとはいえ、
未上場会社のこの現状は、
とてももったいないことだと思っています。

なぜなら、
未上場の会社こそ連結決算を
経営に役立たせやすい環境にある、
と私は思っているからです。

これはどういうことかというと、
上場会社と異なり、未上場会社の場合は、
連結決算の「自由度」が全く異なるからです。

上場会社は複雑な会計基準に従って
連結決算を行う必要があり、
業績を開示する際においても、
細かい連結決算書を作らないといけません。

上場会社になるということは、
結構窮屈なものです。
(当然、相応のメリットもありますが)

そして、
上場会社においては、
従うべき会計基準が複雑化することで、
経営で使える連結決算とはズレてくる、
といったことが多々あります。

Vol.56(1)

上場会社の経営者や経理部長の口からは、
「このような複雑な連結決算をする意義を見出せない」
といったようなことを耳にします。

つまり、
上場会社で強制される複雑な連結決算は、
経営に役に立っていない側面がある、
ということを表しています。

それでも、
上場会社としては基準に従って、
複雑な連結会計に対応していく必要があります。

一方で、
未上場の会社は、
基本的にはこのような複雑な連結会計は
強制されませんし、必要もありません。

将来の株式上場を見据えて、
自主的に複雑な会計を採用していくこと自体は
当然問題ありませんが、
経営にとって意味が薄いと感じるものまで
早急に対応する必要はありません。

未上場であることを理由に
ルーズな会計対応になるといった甘えに
つながっては良くはありませんが、
未上場の会社は、
経営に役立つ部分だけを「いいとこどり」することができる、
といったアドバンテージがあるのです。

Vol.56(2)

つまり、
「経営者の意志」
に完全に依拠するのです。

連結決算を、
やりたければ、やればいいし、
やりたくなければ、やらなくてもよい。
仮にやるとしても、自由に活用できる。

これは、
とくに企業成長を目指す経営者にとっては、
とても良い環境だと思います。

多くの未上場会社が
連結決算を実施していないという事実があります。

これは裏を返せば、
小さな会社や中小企業が、
きちんと連結決算を実施すれば、
それだけでアドバンテージのあるグループ経営ができる、
ということを意味します。

また、
連結決算をするにしても、
上場会社のような厳しい縛りは無いため、
経営に必要な要素だけを「いいとこどり」して、
連結決算の仕組みに組み込めばいいのです。

小さな会社や中小企業の社長には、
是非、このアドバンテージに
気づいていただきたいと思っています。

やらなくてもよい面倒くさいことほど、
きちんと実施すれば大きな差がでるものです。
これは、連結決算についても言えることです。

Vol.56(3)

また、将来株式上場を見据えて、
グループ経営を行っている社長には、
是非、早いうちから「連結決算」を
意識しておいていただきたいと思います。

というのも、
株式上場した後では厳しい規則に追われ、
経営のための連結決算の仕組みを作るのは
難しくなりがちだからです。

株式上場する前から、
経営のための連結決算の仕組みを
きちんと構築しておけば、
いろいろな制約が多くなる上場後も、
経営のために使える連結決算の仕組みを
維持できるはずです。

これは、
かなりの競争優位になるはずです。

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そして、
経営のために連結決算を導入するといっても、
その目的はいろいろ考えられます。

✓グループ全体の現状を把握したい
✓グループ全体の本当の利益を知りたい
✓グループ全体の原価はいくらか見えるようにしたい
✓グループベースの月次決算を実施したい
✓グループ最適になるような意思決定をしたい
✓オーナー個人資産が最大化するようにしたい
✓グループ全体で税金の管理(節税)をしたい

連結決算の目的に決まりはありません。
社長が目的を決められるのです。

是非、連結決算について、
ゆっくり考えてみてはいかがでしょうか?

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