※平成27年5月22日に株式会社大木より適時開示されている「単独株式移転による純粋持株会社体制への移行について」をもとに情報を整理しています。

内容

単独株式移転による持株会社体制への移行

開示概要

●平成27年10月1日を効力発生日として当社単独による株式移転による持株会社体制に移行することを決議。

●株主総会の承認が得られることを条件に実施。

●持株会社体制への移行後の子会社再編は検討中

●持株会社体制への移行により、グループ企業価値の最大化を図っていく。

持株会社化の背景

●グループが主力事業としている医薬品等の販売業界の経営環境は大きく変化

●高齢化社会の進展とともに健康志向が高まって健康や美容に対するニーズが高まり。

●消費者の健康や生活スタイルに対する考え方に変化に応じたグループ取扱商品の多種多様化

●薬事法の改正が行われ、ドラッグストアや医薬品卸業者の生き残りをかけた再編淘汰が加速し、
同一業態間又は業態を超えての連携強化や結合等の動き

●医薬品メーカーからの取引条件の見直し要請に加え、ドラッグストア業界の価格競争の激化を
要因とする値下げ要求の強まり。

持株会社化の目的

環境の変化に素早く対応して意思決定できる組織の構築が不可欠であると判断し、
純粋持株会社体制へ移行を判断。

●持株会社は、親会社としてグループ全体の経営・事業戦略の策定及び経営管理機能を担う。

●各事業会社は、それぞれの事業に専念する。

グループ全体の経営効率の向上を図り、企業価値の向上を実現する。

持株会社体制への移行の要旨

●移行方式
同社を株式移転完全子会社、持株会社を株式移転設立完全親会社とする単独株式移転

[ステップ1]
株式移転による持株会社設立。
[ステップ2]
持株会社設立後は、株式会社大木の子会社等を持株会社の子会社として再編する予定。

●株式移転の日程(予定)
①定時株主総会基準日:平成27年3月31日
②株式移転計画承認取締役会:平成27年5月21日
③株式移転計画承認定時株主総会:平成27年6月26日(予定)
④株式会社大木上場廃止日:平成27年9月28日(予定)
⑤持株会社設立登記日(効力発生日): 平成27年10月1日(予定)

 

Review

同社の設立は、
大正元年10月20日とのことです。

歴史のある会社の持株会社への移行が
依然多くなっています。

今回の開示事例においては、
ホールディングス経営への移行の目的については、
あまり多くの記載が無い印象でした。

きっちりと表現されていた目的は、
「環境の変化に素早く対応して意思決定できる組織の構築」
という点です。

この「意思決定の迅速化」は
ホールディングス移行の目的の王道ですね。

おそらくこれから具体的に
詰めていく段階なのだと思いますので、
もう少し経過を見守りたいと思います。

そのなかで、
今回1つ特徴的だと感じたのが、
ホールディングスへの移行方式です。

最近の事例では、
分割準備会社(子会社)を作り、
主要事業をそちらへ承継する方式(会社分割)が
ほとんどだと感じていましたが、
今回の事例では株式移転方式でした。

両者の違いを簡単に説明すると、
以下のような感じです。

「分割準備子会社+会社分割」方式
・今ある親会社の「ハコ」をホールディングカンパニーとする。
・新たに子会社の「ハコ」を作る。
・ホールディングカンパニーの業務に関係ない事業部門は、
親会社から新子会社へ承継する(会社分割)。

「株式移転」方式
・今ある親会社の上に新たな親会社を作る。
・新たな親会社側でグループ全体の統括業務を新たに実施する。

 

少しわかりづらかったでしょうか?

どちらも完成形は同じですが、
そのプロセスが違うだけということです。

今ある親会社を
そのままホールディングカンパニーにするのか、
今ある親会社の上に、
新たにホールディングカンパニーを設立するか、
の違いです。

どちらの方式がよいかは、
各社の事情によりますので一概に言えません。

手続き期間や各種許可、コストを
勘案して決めていく必要があると思いますが、
小さな会社や中小企業の場合には、
同社のような株式移転方式の方が
シンプルかもしれません。

上場会社の事例では、
「分割準備子会社+会社分割」
の方式が多いように思いますが、
これは、上場会社特有の要因による
のではないかと思います。

上場会社の場合には、
上場基準との兼ね合いがあるからです。

株式移転方式で新たに親会社を作った場合、
その新親会社がグループ全体のトップになるため、
この新親会社が上場する会社になるのが自然です。

但し、実際に現在上場しているのは、
今ある親会社(移行後は子会社になる会社)です。

つまり、
上場しているはずの会社が、
変わるという事象が起きるため、
新たに上場申請が必要になるということです。

このあたりの手間があることが予想されるため、
上場会社のホールディングス移行において、
大木のような株式移転方式は、
あまり流行らないのだと考えています。

小さな会社や中小企業については、
将来株式上場を考えていたとしても、
上場基準に縛られることはないため、
一番良い方法を選択できると思います。