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Vol.27 ホールディングス経営で仕組みづくり

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企業が成長していく過程では、
どこかのタイミングで
社長が1人ですべてを把握しきれない
規模になってきます。

おそらく社員が10名を超えると、
社長自らが、
直接1人1人の社員に教えるような
スタイルは難しくなると思います。

そして、
30名~50名規模になってくると、
会社の全体像が見えづらくなってきます。

売上規模で言うと、
3億円~5億円くらいになるでしょうか。

成長していく企業の多くの社長が
この壁にぶち当たりますが、
この壁を越えていけるかどうかが、
さらに成長できる会社と停滞する会社の
分かれ道になります。

Vol.27(1)

3億円~5億円の売上規模にまで
会社を成長させることができる経営者は
間違いなくスーパーマンです。

そして多くの場合は、
社長自身がスーパー営業マン
という会社になると思います。

売上規模3億円~5億円までであれば、
社長自らの営業力でなんとか
もってこれる水準です。

但し、
この壁を越えていこうとすると、
スーパーマンである社長1人の力では
やはり限界があります。

社員に任せる範囲を増やしたり、
会社全体を管理できるような組織にしたり、
これまでと異なった経営スタイルも
求められるようになります。

このステージで必要とされるのが、
経営の「仕組み」です。

Vol.27(2)

仕組みを作って、
社長が直接動かなくても回る組織に
していかなければいけません。

実は、多くの社長が、
この「仕組み」化を苦手にしています。

理由は大きく2つあります。

1つは職人気質だったり、
自分ですべてをやらないと
気が済まない性格の社長が多いこと。

そしてもう1つが、
素晴らしい「暗黙知」を有している人ほど、
それを誰もがわかる「形式知」に置き換えていくことは
難しいという現実があること。

無意識下でできていることを
意識レベルに落としていく作業はとても難しく、
社長のようなスーパーマンであればあるほど、
逆にこの作業は難しいものです。

但し、この仕組み化にチャレンジをしなければ、
次のステージには進むのは
やはり難しいといってよいでしょう。

それでは、どのようにして
会社の仕組みを作っていけばよいのでしょうか?

大きな会社と小さな会社では、
アプローチが異なると思います。

大きな会社は、意識していなくても
すでに何らかの「仕組み」があり、
その仕組みを変えたり、良くしたりする、
といった視点になります。

一方で、
小さな会社や中小企業は、
これから新たに「仕組み」を作る段階であり、
社長の頭の中にある暗黙知や思いを形式知に変え、
社員に任せる範囲を増やしていく、
という視点になります。

Vol.27(3)

このような小さな会社や中小企業は、
どのようなアプローチで仕組み化を
目指していけばよいのでしょうか?

その1つの良い手法として、
組織の形を変えることをきっかけに取り組む
というアプローチがあると思います。

つまり、「形から入る」という手法です。

当然、中身がないと機能はしないのですが、
形から入って中身を作っていくのも
前に進んでいくうえでは効果的です。

そして、
ホールディングス経営の形態は
まさにこの「形から入る」スタイルといってよいでしょう。

Vol.7

さらに、ホールディングス経営は、
仕組みを「動かす」という意味でも、
実は効果的です。

仕組みというものは、
作ること自体も大変な作業ですが、
それを運用して回していくのはもっと大変です。

多くの会社が、仕組みを作っただけで
回すことができず苦しんでいます。

仕組みを「作ること」と「運用すること」の両立は、
とてもハードルの高いのですが、
ホールディングス経営はこのハードルを
解消してくれる良い手法だと考えています。

なぜならば、
ホールディングカンパニー自体が
仕組みを「作る役割」と「回す役割」を
重要な任務として与えられた組織であり、
これができないと会社自体の存在意義がなくなる、
という逃げ場のない環境にあるといえるからです。

Vol.12

ホールディングス経営への移行は、
成長企業に訪れる壁を越えるための
経営者の決意の表れです。

ホールディングカンパニーに
社長自らの暗黙知を落とし込み、
形式知にし、ブラッシュアップしたうえで、
グループ会社に展開していくことになります。

このホールディングス化による仕組みづくりは、
小さな会社や中小企業だからこそ、
効果がでやすい取り組みだと考えています。

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