子会社の気持ち

親会社はそれほど意識していなくても、
子会社側では「親子の立場の違い」を意識しているものです。

「親会社からいろいろ指示が多い」
「親会社から上から目線で命令される」
「提出資料が多い」
「親会社のいろいろな部門・人から同じような依頼がバラバラと来る」
「利益が出ても配当で親会社に持っていかれる」

 

子会社側には、
親会社の立場では感じることができない
いろいろと複雑な思いがあります。

たとえば、
親会社が子会社の名前を呼ぶときは、
普通に会社名で呼ぶのに対して、
子会社が親会社の名前をよぶときは、
会社名に「さん付け」をして呼ぶ光景はよく見かけます。

 

どうしても資本関係が、
そのままグループ内の上下関係につながってしまうということです。

 

グループ全体最適は可能?

グループ経営者の立場からすると、
「親も子も関係なく、グループ各社が一体となって頑張ってほしい」
と思うかもしれませんが、
現実はなかなか上手くいきません。

 

基本的には、社員の立場からすると、
「グループ全体視点」「グループ全体最適」というのはなかなか難しく、
今置かれている自分の立場で物事を考えてしまうものです。

そう考えると、
グループ内の資本関係といった「グループ組織デザイン」は、
グループ経営に大きな影響を及ぼすものと言えるでしょう。
本来は、本質的な話ではないはずなのですが。

 

グループ経営を進めていく中では、
会社を分社化したり、M&A等で他社を買収したり、
といった感じでグループ会社数が増える時期が必ずあります。

そして、この結果としては、
新たな資本関係による上下関係がついて回ります。

 

経営者としてはそれほど意識をしていなくても、
社員からすると意外と重要なのが「資本関係による上下関係」です。

グループ拡大とともに資本関係が複雑になり、
グループ全体のまとまりや一体感が薄れてきたり、
変な上下関係やグループ内の壁ができてきます。

 

カタチを変える

グループ拡大とともに生じる
このような状態を放置しておくことは、
とても危険なことです。

一般的には、
「最近、ちょっとグループ内の雰囲気が良くないな」
と感じ始めるころには、
結構「重症」になっていることが多いものです。

徐々に悪くなっていくので、
気づいた頃には症状は根深い状態になっていて
結構対処が難しくなっている、
という感じでしょうか。

 

このような場合の対処法として考えられるのは、
たとえば、

——————————————-
①ホールディングス化して事業会社を並列の関係にする
②「壁」ができている法人同士を合併する
——————————————-

といったグループ内組織再編という手段が考えられます。

 

これらは本質的な解決策ではないかもしれませんが、
やはり資本関係や立ち位置が
社員(人)の行動・感情に大きく影響するのは事実です。

そのため、あれこれ人間関係の改善を図る前に、
まずは「カタチ」を対等にすることから始める方が
効果的だったりするものです。

 

中身を変えるには?

グループ内のバランスを整えるには、
まずはグループ組織の「カタチ」を
対等な関係にすることが効果的である、
と書かせていただきました。

 

但し、あくまでこれは
本質的な解決策ではありません。

カタチを整えた後としては、
当然ではありますが、
きちんと中身も整えていく必要があります。

 

それでは「中身」を整えるためにどうすればよいのでしょうか?
これはとても難しいテーマです。

カタチを変えたからと言って、
もともとあった「上下意識」や「立場の違い」は、
急には変えるのは難しいものです。

そのため、
ここからがグループ経営者としての
本当に重要な仕事のように思います。

 

経営者として、
グループが一体になるようにメッセージを
発信し続けることも重要だと思います。

グループ経営の「仕組み」を整備することで、
グループの一体感を意識的に作っていくことも重要です。

 

そして、個人的の思うのは、
「グループ内でプロセスの共有をする」
というのが結構重要なことのように思っています。

結果を意識しつつも、
プロセスを共有し、一緒に考え、苦しみ、
コミュニケーションを継続的にとっていくという、
この「面倒くさい時間」を共有することで、
やはりグループ全体の一体感作りには必要な気がしています。

 

つまり、

——————————–
社員にグループ全体のことを考えてもらいたければ、
グループ全体のことを一緒に考える「仕組み」を
経営者が率先して意識的に作る必要がある
——————————–

ということです。

 

このような「仕組み」は、
勝手に出来上がるものでは無いのだと思います。

このような「仕組み」を作っていくのは、
とても「面倒くさい」ものになるはずですが、
だからこそ価値があるのだと思います。

 

★★★★★★★
面倒くさいからこそ意味がある
★★★★★★★