記事一覧

Vol.199 グループ会社を管理するのは誰?(1/2)

Pocket

連結グループ経営 vs 複数会社経営

 

連結グループ経営は、

仕組みでグループ会社管理」

複数会社経営は、

個人の力でグループ会社管理」

 

今回のテーマは「グループ会社管理」についてです。

会社が複数化していくと、
グループ会社をどのように管理していくかが、
テーマの1つになってきます。

 

たとえば「連結決算」を行うにあたっても、
グループ会社管理とは切り離せない問題です。

 

そこで、今回は、

———————————
グループ会社管理は誰が実施すべきか?
———————————

ということを念頭に置きながら、
書いてみたいと思います。

 

会社が複数化していく初期段階

どれだけ素晴らしい連結グループ経営を行っている会社であっても、
最初に会社が複数化していった初期ステージでは、
グループ会社管理には苦労しているはずです。

 

というよりは、グループ会社管理という視点すらなく、
親会社の経理担当者や管理部門の担当者の方が、
1人で何役もこなしながら、ひたすらグループ各社の管理をこなす、
といった状況でスタートしていることが多いのではないかと思います。

positioning1

上図に簡単にイメージを描いてみました。

ほぼ、個の力(オレンジの担当者)」に依存した状態といってもよいでしょう。

 

このような状態の中で、
親会社担当者が1人で「連結決算」まで実施するようなことも
状況によってはあるのではないかと思います。

 

成長拡大期

グループ経営を続けて行き、成長拡大していくなかで、
グループ各社に管理担当者や経理担当者が
置かれるような「次のステージ」がやってきます。

 

このステージでは、
これまで1人で何役もこなしていた親会社担当者は、
親会社の業務に少しずつ専念できるようなり、
グループ各社の担当者と連携しながら、
グループ会社全体の管理を行っていく感じに徐々になっていきます。

 

連結決算を行っている場合には、
グループ各社の担当者と連携しながら行っていけるようになり、
精度も少しずつ上がってくる感じでしょうか。

positioning2

安定期

そして、さらに企業として成長拡大していくと、
管理部門の人材も少しずつ充実してきます。

グループ経営の「安定期」と表現して良いかもしれません。

 

これまでのステージでは、
親会社の管理担当者は、親会社の業務もやりながら、
グループ各社の担当者と連携を図り、
グループ管理を行ったり、連結決算を行ったり
している状況が多いと思いますが、
この「安定期のステージ」では、
新たにグループ管理の担当者が置かれるようにもなってきます。

positioning3

上図でいうと、赤く表現している人材が、
グループ管理の担当者という意味合いでです。

このように、
グループ管理にある程度専念できる人材まで配置できるようになると、
確かにグループ管理の質は上がっていくはずです。

 

但し、この状態においても、
いくつかの問題点・課題はあるものです。

たとえば、

———————————————
●グループ管理が一定水準までいくと、急に改善が進まなくなる
●親会社担当者と子会社担当者の連携がスムーズにいかない
●親会社から過剰な管理業務が降ってきて、グループ各社で対応しきれない
●グループ管理の状況がブラックボックス化してしまう
●グループ管理の担当者が組織の中で浮いてしまう
●担当者間・業務間に「壁」ができてくる
———————————————

 

組織規模が大きくなったり、人材が増えたりすれば、
上記のような弊害が生じるのはある程度やむを得ない場合もあります。

 

ただ、これを放置しておくと、
グループ経営の根幹である「グループ会社管理」の状況は、
現状維持どころか、悪化していく可能性も否定できません。

 

そのため、
このような「安定期」とはいえども
「油断は禁物」といった状況にあるのが、
このステージの特徴と言えるでしょう。

 

それでは、このステージの次に目指すべき
理想的な組織のカタチはあるのでしょうか?

positioning4

目指すべき「グループ管理」のカタチ

これまで、グループ経営が成長拡大していき、
安定していく流れの中で、
多くの会社で受けられる組織の状況について
お伝えしてきました。

 

グループ経営が安定した状況の中でも、

———————————————
●グループ管理が一定水準までいくと、急に改善が進まなくなる
●親会社担当者と子会社担当者の連携がスムーズにいかない
●親会社から過剰な管理業務が降ってきて、グループ各社で対応しきれない
●グループ管理の状況がブラックボックス化してしまう
●グループ管理の担当者が組織の中で浮いてしまう
●担当者間・業務間に「壁」ができてくる
———————————————

といったような課題・問題点が残ることもお伝えしました。

 

それでは、このような状況から脱却し、
より理想的なグループ経営を目指していきたい場合には、
どうすればよいのでしょうか?

 

ここでのポイントは、

———————————
「個の力」から「組織の仕組み」へ移行する
———————————

という点にあるのではないかと思っています。

 

つまり、これまで見てきた組織のカタチにおいては、
組織拡大に伴い、担当者・人材が増えたとしても、
結局は、「個」に頼った形でのグループ会社管理に
留まっている状況が多いところに問題があると考えています。

 

当初はこれでも良い思いますが、
さらにグループ経営を進化させていくためには、
「個の力」によるグループ会社管理から
「組織の仕組み」としてのグループ会社管理へ
移行していく必要があると思っています。

 

そこで、最後に「組織の仕組み」としての
グループ会社管理について書いて終わりたいと思いましたが、
長くなってきましたので、
次回の投稿で続き(まとめ)を書いて、
今回のテーマを締めくくらせていただきたいと思います。

★★★★★★★
さらに「上」のレベルの
グループ経営を目指すのであれば、
グループ会社管理の「仕組み」が不可欠
★★★★★★★

関連記事