グループ業務フロー作成の目的

前回の記事である
(Q22)ホールディングス化で本当に「経営人材育成」はできるのか?
の続きとして、今回は書かせていただきます。

テーマは、
「ホールディングカンパニーとして、
どのようにグループの業務フロー作成に取り組めば良いのか?」
という点についてです。

 

まず、ホールディングカンパニーが
グループ業務フローの作成に取り組む目的
再度確認しておきたいと思います。

大きく2つあると思っています。
それは、

————————-
①ホールディングカンパニーとして、
 グループ全体を把握するため
②グループ全社員のために、
 グループ全体を見える化してあげるため
————————-

です。

 

ホールディングカンパニーが、
グループ全体の戦略を考えていくうえでは、
やはりグループ全体の業務を
把握できている必要があります。

また同時に、グループ全社が
同じベクトルで活動していくためには、
グループ内の各社員が、
「自分がグループ全体のなかで
どのような役割を担っているか」
を理解できるようにしてあげる必要があります。

ホールディングカンパニーの関わり方

それでは、
上記の①②の目的を達成すべく、
具体的にどのように
グループ業務フローを作成したら良いのか?

 

ここは結構悩みどころです。

たとえば1つの案として、
ホールディングカンパニー人材が
手を動かして作るという考え方もあります。

事業子会社である現場に
あまり負担をかけたくない思いがあると、
一層このような考え方になるかもしれません。

 

ただ、私の過去の経験上では、
現場から離れた立場の人が作成する業務フローは
ポイントがずれてしまったり、
現場の人からすると活用したいと思えないような
成果物が出来上がる可能性が高い、
という気がしています。

これでは、
せっかくの活動も空回りしてします。

 

そのため、
大変かもしれませんが、
業務フローを作成する目的を
きちんと現場社員に説明し、
現場の理解を得るプロセスを経たうえで、

—————————————-
事業子会社の現場社員に業務フローを作ってもらう
—————————————-

という方法がベストだと思っています。

 

そして、
ホールディングカンパニーとしての関わり方は、

—————————————–
●事業子会社の現場社員への目的説明
●業務フロー作成の全体管理
●実際に現場が業務フロー作成をする際の「支援」
—————————————–

に徹する、という形が理想的だと思います。

自分の業務の「見える化」は苦手なものです

ただ実際に現場において
業務フローを作成しようとしても
意外と作業が進まないものです。

現場社員が目的を理解し、
やるべきことはわかっていても、
いざ業務フローを作成しようと思うと、
上手くいかないことも多いということです。

 

その理由の1つとしては、
日常業務に追われて
業務フロー作成の時間が無い、
ということが挙げられます。

つまり、「環境」の問題です。

この点については、
会社として何らかの配慮と対応が
必要だとは思います。

 

ただ仮に作業時間といった
環境の問題が解決されたとしても、
業務フロー作成業務はなかなか
前に進んでいきません。

これは、不思議なことではなく、
多くの会社、社員においてよくあることです。

 

その理由は、

—————————–
自分の業務を「見える化」することを、
多くの人が得意としてない
—————————–

という事実があるからです。

 

やはり自分ことは
一番わかっているようでわからないものです。
無意識に考え、実行していることや
暗黙知のようなものが多いからです。

 

また、

—————————–
自分の業務をあえて「見える化」することに
モチベーションがわかない
—————————–

といったことも現実問題としてあります。

 

そのため、
ホールディングカンパニーとしては、
このあたりの現場社員の作業上の「障害」を
取り除いてあげる仕組みや環境を整備したり、
必要な支援をしてあげることが求められます。

現場で業務フロー作成するためのアイデア

整理しますと、
ホールディングカンパニーとしては、

・現場社員に業務フロー作成の目的を説明する
・業務フロー作成に関する現場社員の理解を得る
・そのうえで業務フロー作成は現場社員に依頼する

という役割を担う、ということです。

そのうえで、

・現場社員が業務フロー作成に苦労している場合には「支援」してあげる
・現場社員が業務フロー作成するための「モチベーション」が湧くような仕組みを整えてあげる

といったことが、
ホールディングカンパニーの役割になると思っています。

 

やり方は会社の風土や状況によって様々だと思いますが、
現場社員の業務フロー作成を効果的に進める方法として、
最近、私が考えている方法があります。

これはまだ
私自身も実践したことが無い方法なので、
あくまでアイデアレベルのものではありますが、
トライしてみる価値はあるのではないか、
と個人的には思っています。

 

それは、どのような方法かというと、

——————————
現場社員が自分の業務のフローではなく、
1つ前の業務のフローを作成する
——————————

という方法です。

 

少し意図が分かりづらいと思いますので、
最後に簡単に補足して
今回の記事は終わりたいと思います。

前工程の業務フローを作成する理由

会社組織の仕事は、
基本的には分業されています。

そのため、
必ず各自の業務には、
「前工程」と「後工程」があるものです。

 

この「前工程」「後工程」をつないでいくと
「業務フロー」になっていくわけで、
生産性の高い組織では、
この「つながり」がスムーズである、
という特徴があります。

 

ただ、実際の実務現場では、
この「前工程」と「後工程」が
スムーズにつながっていないことが
多いのではないでしょうか?

これには、お互いの立場の違い
というものがあるとは思いますが、
おそらくお互いの業務をよく把握していない、
ということが1つの原因であると思います。

 

そして一般的には、

———————————-
自分の「前工程」は意識するが、
自分の「後工程」はあまり意識しない
———————————-

という傾向があると考えています。

 

なぜかというと、
各社員にとって「前工程」は
自身の工程に影響を及ぼしますが、
「後工程」がどうなっても、
あまり自身の工程には影響がないからです。

 

ただこれは、ある意味仕方がないことかもしれません。

そこで、この心理を逆に意識したうえで、

——————————
現場社員が自分の業務のフローではなく、
1つ前の業務のフローを作成する
——————————

というルールにするのです。

 

ロジックは以下のような感じです。
上手く表現しきれませんが、
意図は少しわかっていただけるのではないかと思います。

 

●自分の業務の見える化は難しい
⇒他人の業務を見える化するルールにすればよい。

●業務の見える化にモチベーションが湧かない
⇒自身に影響する「前工程」を見える化することで、
 自身の業務との「つながり」が見える化され、
 自身の業務効率を上げられる可能性がある。

●考えられる他の効果は?
⇒「前工程」の業務フローを作成する際に、
 「前工程」の社員とコミュニケーションが活性化され、
 工程間の「つながり」改善に寄与する。
 また、「前工程」へのアドバイスも期待できる。

●「後工程」については?
⇒自身の業務は誰かの「前工程」でもあり、
 一方で「後工程」でもある。
 そのため、全社員が「前工程」とコミュニケーションを図り、
 「前工程」の業務フローを作成・見える化することで、
 結果的に、全工程の「つながり」が見える化される。

 

ちょっと文章では上手く
説明しきれていないかもしれませんが、
ニュアンスだけでも感じとっていただければ、
と思います。

今回の案は、あくまで1つのアイデアですが、
このような感じで、いろいろな工夫をしながら、
現場社員が自主的に業務フロー作成に
取り組んでもらえるような仕組みを作っていくことも、
ホールディングカンパニーの役割なのだと考えています。

★★★★★★★
グループの業務の「つながり」を
意識していますか?
★★★★★★★