カンブリア宮殿で見た1枚の写真

昨年末に「カンブリア宮殿」で、
貸農園を経営している社長
出演されていました。

とてもさわやかで
雰囲気の良い、まだ若手の社長
といった感じです。

 

毎週「カンブリア宮殿」を見ていると、
いろいろな社長が登場されますが、
この貸農園の社長には、
なぜだか親近感がわくとともに、
とても好印象を抱きました。

当然、農業を主力とした事業自体も
興味深いものでしたし、
社会的意義の高い事業であったことも理由です。

 

このような好意的な思いのなかで番組を見ていたのですが、
ある1枚の写真が映し出された瞬間、
その写真になんだかとても魅かれてしまいました。

それは、
社長の子供の頃の写真で
大根を片手に立っている写真
でした。

 

私は、
この写真がとても気に入り、
「子供の頃に農業をしていたから、
  このような雰囲気が良く、
  人を惹きつける魅力のある社長になったのだろう」
と確信しました。

と同時に
「自分の子供にも農業を体験させると、
   社長のような魅力的な人間に育ってくれるのではないか?」
という思いが強くなり、
番組終了後すぐに、
この会社の貸農園で借りられそうな場所を探し、
農業体験の申し込むことにしました。

 

これまで私は、
ほとんど仕事が中心の生活をしてきました。

自分で経営をしていると、
どうしても仕事とプライベートは一体化しやすいものです。

 

一方で、
プライベートのときにも
いつも仕事のことが頭から離れない状態で過ごしてきたので、
「プライベートの時間を純粋に楽しむくらいの『心のゆとり』を持ちたいな」
という思いも年を重ねるごとに思うようになりました。

おそらく、
このような自分の中での思いも背景にあり、
農業体験の申し込みにつながったのではないかと思います。

農業体験

無事「農業体験」の申し込みが完了し、
農業体験に行くことになりました。

当日は、
番組で登場されていた農園アドバイザーが、
一から丁寧に教えてくれました。

教えていただいた通りに
農園の土を掘っていく作業をひたすら続け、
土壌作りといったことからスタートです。

私にとっての日常(≒仕事中心)とは
別世界の作業をしている自分に対して、
とても不思議な感覚になったりもしました。

 

アドバイザーの方に
農園を申し込んだきっかけ(カンブリア宮殿の写真の話、等)を
お話したり雑談をしながら作業を進めていき、
お昼過ぎに、その日の作業を無事終えることになりました。

アドバイザ―の方からは、
「月2回程度の『週末農業』でも大丈夫」
とのお言葉もいただいたので、
なんとか続けられるだろう、
ということで最後に正式申込みをして
その日は帰りました。

社長が会いに来てくれる?

農業体験の後日、
アドバイザーの方からメールが入っていました。

「社長に今回『申し込まれたきっかけ』を伝えたところ、
  是非、会いに行きたいと言っています。
  なかなか無い機会なので、
  是非、日程の都合を教えてくれませんか?」
といった趣旨のメールでした。

 

「社長がわざわざ来てくれるの?」
と驚きながらも、ご本人から
いろいろとお話を聞ける機会ということで、
早速、日程調整をして連絡をしました。

社長は、
全国各地を飛び回って、
商談や講演をしていることもあり、
アドバイザーの方も最近はなかなかお話する機会が無い、
とのことです。

そのようなご多忙ななかではありましたが、
本当に社長は農園まで来てくれました。

 

その日は、
アドバイザーの方が、
野菜のお鍋を作ってくれて、
畑の横でお鍋を囲みながら、
いろいろと社長からお話をお聞きできました。

そしてそのときに感じた
社長の印象は、ずばり、

———————————————-
本当に農業(=本業)が好きなんだな
———————————————-

という点に尽きます。

 

少し表現が適切でないかもしれませんが、
ひたすら「農業」の話を熱く語られていました。

農業の現状の問題点。
未来の農業のあり方。
今後の会社でやっていきたいこと。

本当にマシンガンのように
農業話が続きました。

 

印象的だったのが、
同席されたアドバイザーの方も
一緒になって農業話を熱く語られていたことです。

そこには、

——————————————
本業が好きで、
本業を熱く語り合う光景
——————————————

があったのです。

 

社長も社員も
みんな「農業」が好きなのです。

ベンチャー企業ということもあると思いますが、
社長と社員が「農業」が大好きで、
熱い思いで「農業」を語り合う光景は、
純粋に「かっこいいな」と感じさせられました。

 

それと同時に、
自分自身については、
ある思いが浮かび上がってきました。

「自分は『自分の本業』をこれほど好きなのだろうか?」
「自分は『自分の本業』についてこれほど熱く語ることができるだろうか?」

私にとっての『本業』についても
いろいろと考えさせられる機会となりました。

 

ご多忙な中
お時間を割いてくださった社長やアドバイザーの方には
本当に感謝、感謝の1日でした。

本業とグループ経営

今回の社長のように
本業が好きで、本業に熱い思いを持っている社長や会社は
とても魅力的です。

おそらく、
企業としての一体感も強く、
主体的な社員が育つ環境にもあるように思います。

 

このような社長や社員のお姿を見ると、
私の専門分野の「グループ経営」という視点で、
常日頃感じていることを思い出します。

 

多くの経営者が、
経営が軌道に乗ると
分社化したり、新規子会社を作ったりと、
グループ会社化していく傾向にあります。

いろいろな事業へと
多角化していくケースもよく見かけます。

多角化していくこと自体は自然なことかもしれません。

 

一方で、
グループ会社が増えていくと同時に、
企業としての一体感が無くなり、
バラバラになっていく会社も多いのが実情です。

そして、
グループ経営が上手くいかないケース
一番多いパターンとしては、

———————————-
本業とは縁のない事業
熱い思いを持っていない事業
お金儲けを重視した事業
———————————-

といった事業へ多角化していくケースだと感じています。

 

このような多角化の失敗事例から
感じさせられることとしては、

——————————-
「新しい事業が好きなのかどうか?」
「新しい事業は今の本業とどう関係しているのか?」
「新しい事業について熱く語ることができるのか?」
——————————-

といった問いかけを
社長自らが常にしていくことが必要なのではないか、
ということです。

 

グループ経営を成功に導いていくためには、
知識やテクニック以前に、
展開していく全ての事業・会社において、
このような「熱い思い」を持つことができているかどうか、
が重要なのではないかと考える次第です。

グループ経営者には、
是非自問自答していただきたいポイントです。

★★★★★★★
グループの全事業について
熱く語ることができますか?
★★★★★★★