ホールディングカンパニーの「本業」

ホールディングカンパニーの「本業」は、
(A)子会社の事業成長支援
(B)グループ全体の調整
といったことを通じて「グループ経営」
実践していくことです。

つまり、
「『グループ経営』を経営すること」
ホールディングカンパニーに
求められる役割ということです。

そこで必要とされる能力が、
「グループ・サーバント・リーダーシップ」
であるべきだということを、
前回の「(Q2)」の記事でも
お伝えさせていただきました。

 

ただ実際に、
このグループ・サーバント・リーダーシップを発揮していくのは、
ホールディングカンパニーに所属する「人材」になります。

そのため、
ホールディングス化して「形」を作ることは
グループ経営における1つのメッセージとしては
重要なことではありますが、
最終的にはホールディングカンパニーに
どのような「人材」を据えていくかが、
重要な要素になっていきます。

 

組織といっても、
結局は「人」に行きつきますので。

ホールディングカンパニーに適した人材像

それでは、
どのような人材であれば、
ホールディングカンパニーに適しているのでしょうか?

また、
ホールディングカンパニーに
所属してもらう社員には、
どのような心構えをもってもらうのが、
よいのでしょうか?

 

この問いに対して、
「サーバント・ホールディングス経営」
という視点で考えると、

———————————
「子会社に奉仕したい」
という意志のある人材
———————————

ということになるでしょう。

 

ホールディングカンパニーは、
グループ内の資本関係でいえば、
「親会社」にあたります。

そのため、
ついつい上から目線になりがちです。

当然、親会社として、
またグループのリーダーとして、
グループ全体を引っ張っていく要素は不可欠ですが、
だからといって「上から目線」であることが
同義ということではありません。

 

前回の「(Q2)」の記事において、
グループ・サーバント・リーダーの特徴の1つとして、

———————————–
□モチベーション
 組織上の資本関係に関わらず、
 子会社に奉仕したいという欲求
———————————–

という要素を挙げさせていただきました。

つまり、
ホールディングカンパニー人材は、
資本関係の上下に関わらず、
子会社に奉仕することで、
子会社の成長を支援する気持ちを
もっているような「人材」が適しているということです。

 

ただ、
ここで言う「奉仕」とは、
下手に出るとか、こびへつらう、
という意味では当然ありません。

あくまで子会社を導くための意志として
行動に移される「奉仕」を意味します。

「奉仕」をすると何が出来上がるのか?

このように「奉仕」をしていくことで、
相手との間に生まれてくる「ある関係」があります。

それはどのような関係でしょうか?

 

それは、

——————————————
奉仕のうえに「権威」が生まれる
——————————————

ということです。

なんとなく感覚は
伝わりますでしょうか?

 

通常の親会社・子会社の関係でいうと、
資本関係の構造もあり、
通常は「権力」による関係が
出来上がっていると思います。

組織構造の中で、
「権力の関係」があること自体は、
普通のことです。

 

ただ、ここでのポイントは、
親会社であるホールディングカンパニーが、
「権力」を使って子会社を動かすのと、
「権威」を使って子会社を動かすのでは、
雲泥の差が生じる、
ということです。

 

サーバント・リーダーシップの
参考本である、
「サーバント・リーダー」(海と月社)
によると、
「権力」と「権威」は
以下のように定義されています。

——————————————-
「権力」・・・
 たとえ相手がそうしたがらなくても、
 地位によって
 自分の意思通りのことを
 強制的にやらせる『能力』
——————————————-

——————————————-
「権威」・・・
 個人の影響力によって、
 自分の意思通りのことを
 誰かに進んでやらせる『技能』
——————————————-

 

この両者の定義を見ていただくと、
その違いは明らかだと思います。

「権力」の方は「能力」と定義されていて、
たとえば親会社という「地位」があれば、
自然と持っている力になります。

 

一方で「権威」の方は「技能」と定義されていて、
親会社の「地位」があるだけでは、
有することができないものであり、
ホールディングス人材個人の
性格や影響力に関わるものとなります。

 

「権力」「権威」のどちらであっても
子会社を動かすことはできるかもしれません。

ただ1つ言えることは、
「権力」による支配は長続きはしませんし、
健全な関係を維持するのも難しい、
ということです。

また、子会社の自主性も失われ、
どこかでグループ組織としての限界に陥る可能性があります。

 

経営者や
親会社であるホールディングカンパニー人材は、
すでに「権力」は持っているはずです。

ただ「権威」を合わせて
有しているかどうかは別問題です。

 

先程も記載しましたが、

——————————————
奉仕のうえに「権威」が生まれる
——————————————

ということを是非意識していただいたうえで、
リーダーとして「サーバント」であることの意味を
是非考えてみていただければと思います。

 

ホールディングカンパニー人材に
求められる要素が何であるかも、
自然と思いが巡るのではないでしょうか。

★★★★★★★
子会社の社員に
自らの「権力」で動いてほしいですか?
それとも「権威」で動いてほしいですか?
★★★★★★★