連結グループ経営を実践するうえで
社長にも知っておいていただきたい用語の解説です。

一流経営者の条件

税金のことはすべて
税理士さんに任せている経営者も多いのですが、
経営者自身もそれなりの知識を
身に付けておいた方が良いと
私は思っています。

優秀な経営者ほど、
得意分野、不得意分野はあれど、
幅広い分野の知識を持っています。

税金の分野の知識は、
企業経営にとも密接に関連します。

そのため、
税金の分野の知識は、
専門的な内容も多いのですが、
簡単な話ができる程度の基礎知識は
持ち合わせておくことは、
一流経営者の必須条件だと思います。

 

ということで、
今回はこの時期の風物詩である
「年末調整」
について確認をしてみたいと思います。

会社の社員であれば、
自分の給与に関わることなので、
是非その仕組みについて
把握しておきたいところですが、
結構ハードルが高いようです。

但し、
経営者ともなれば、
一般社員と同レベルの知識では、
絶対に良くないです。

 

経理や人事の社員と同等、
とまでは言いませんが、
「一般社員以上
経理・人事社員以下の知識」
は持っておくことが、
一流経営者の必須条件だと考えています。

年末調整って何?

年末調整という言葉は
誰しもが聞いたことがあるフレーズだと思いますが、
残念ながら、多くの人は、
その仕組みを理解していません。

それでは、この年末調整とは、
いったいどのような手続きなのでしょうか?

ざっくりいうと、

————————
1年間の所得税の
精算を行う手続
————————

です。

ここで、
「精算って?」
と思われたかもしれません。

もう少し説明すると、
概算で前払いしている所得税と
年度末に正確に計算した所得税の
差額を精算する手続きなのです。

概算で前払いしている所得税

毎月の役員報酬・給与から
「所得税」
が天引きされているのは、
意識されたことがあると思います。

なぜ天引きされているかというと、
会社が、社長の報酬や社員の給与から
毎月概算で所得税を控除しておき、
社長や社員に代わりに、
国に所得税を支払っているためです。

 

この天引きされる所得税は、
自由に決めているわけではなく、
「これくらいの給与なら、これくらいの所得税になるだろう」
といった基準があり、
その基準に従って概算計算をして、
月々天引額を計算しています。

つまり、
社長や社員が普段意識していなくても、
自動的に給与から概算で税金を引かれ、
国に納税がされているのです。

 

但し、
ここでのポイントは、
あくまで「概算額」での納税、
という点です。

年度末に正確に計算した所得税

次に年度末の計算についてです。

月々は、概算で所得税を
納税していることになりますが、
ずっと概算のままでよいわけでは当然ありません。

 

所得税の計算期間は、
1月~12月と決められているため、
年間の給与総額が決まる12月に、
最終的な年間給与総額をもとに、
正確な年間所得税の金額を計算します。

そして、
概算で納税した金額と
正確に計算した税金金額を比較します。

 

概算で納税している金額の方が多い場合には、
その差額が最後に「還付金」として返ってきます。

一方で、
概算で納税している金額の方が少ない場合には、
その差額は「追徴額」として
最後に追加で天引きされます。

 

この年間での勝ち負けの精算額を
計算する作業を「年末調整」といいます。

設例

①月々

たとえば、月々の役員報酬から
天引されている所得税が、以下の通りだとします。

1月役員報酬:100 /天引所得税:20
2月役員報酬:100 /天引所得税:20
3月役員報酬:100 /天引所得税:20
4月役員報酬:100 /天引所得税:20
5月役員報酬:100 /天引所得税:20
6月役員報酬:100 /天引所得税:20
7月役員報酬:100 /天引所得税:20
8月役員報酬:100 /天引所得税:20
9月役員報酬:100 /天引所得税:20
10月役員報酬:100 /天引所得税:20
11月役員報酬:100 /天引所得税:20
12月役員報酬:100 /天引所得税:20

12ヶ月役員報酬合計:1200
12ヶ月天引所得税合計:240

②年度末

次に年度末に、
年間役員報酬をもとに
正確な所得税の計算を実施すると、
以下の通りだったとします。

年間役員報酬:1,200
正確な年間所得税:210

精算額

最後に①と②を比較すると、
①:概算で納税している所得税:240
②:正確に計算した所得税:210
ということで、
「②-①=30」だけ多く
納税し過ぎていることになります。

そこで、
最後の12月の役員報酬を受け取る際に、
多く納め過ぎた「30」が還付金として
返還されることになります。

結局、年末調整とは?

以上の仕組みを前提としたときに、
結局、年末調整とは何かというと、
社員個人別に上記設例のような計算をして、
年間の所得税の精算額を
算定する手続きのことを言います。

年間の所得税を
正確に計算しようと思うと、
各自の「扶養者の状況」「生命保険の加入状況」
1つずつ確認をしていく必要があります。

そのため、
通常は人事部が実施する作業になると思いますが、
やはり社員が多いと大変な作業です。

 

社長としては、まずは、
このような地道で大変な作業が
人事部で実施されていることを意識していただくだけでも、
見方が変わるのではないかと思います。

各社員の協力体制次第で、
人事部の負荷や効率性は変わってきますので、
年末調整への協力体制を築くのも、
社長の重要な仕事かもしれません。

★★★★★★★
年末調整に
全社員が協力的に対応していますか?
★★★★★★★