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【コラム】勝利の条件

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一昨日、「アスリートの話」というイベントに
参加してきました。

元陸上選手の為末大さん
企画・主催したイベントでしたが、
今回は元ビーチバレー日本代表の
朝日健太郎さんとのトークイベントでした。

為末さんが企画をした趣旨は、
アスリートの「実践知」「物語性」
整理した形で伝えていくことで、
社会に何らかの還元ができるのではないか、
というものでした。

 

私自身は、
グループ経営組織づくりを
普段からテーマにしていることもあり、
とくにチーム競技スポーツから
チームマネジメントについて
学べることは多いと感じています。

今回はアスリートの経験談を
ご本人の口からお聞きできるということでしたので、
「モチベーション維持(継続力)」
「チームマネジメント」
といった点で、何か学べるものがないか、
という思いでイベントに参加してみました。

内容の詳細についてこの場で共有することはしませんが、
お話はいろいろと興味深いもので、
私個人としてはとても参考になり、
有意義なイベントとなりました。

 

ただ一方で、今回のお話を
「グループ経営の組織論に当てはめて考える」
という点で考えた場合には、
自分の中で上手く整理ができませんでした。

 

「とても興味深い内容で、参考になる部分も多かったのに
なぜ『当てはめ』が上手くできないのだろうか?」

自分の中でも考えてみたのですが、
1つの理由が浮かび上がりました。

それは、
「お二人(為末さん、朝日さん)とも
選手としては特別な人(≒成功者)だったから」
という理由です。

 

経験談としては面白いし、
分析も興味深い内容ばかりでしたし、
一個人としてはモチベーションも上がり、
とても参考になりました。

但し、そのことをいざ
一般社会や会社組織に当てはめようと考えると、
少し無理が出てくるのだと思います。

 

というのも、お話の中に
●トップアスリートは先天的能力による側面が大きい
●アスリートの多くは物心つく前から専門的な環境が存在した
といったような内容もあったからです。

一方で、
一般社会で暮らしている多くの生活者は、
飛びぬけた先天的な能力も持っていませんし、
子どもの頃から、
専門的な環境で育っているわけではありません。

 

そのため、
一個人としては参考になる内容でも、
多種多様な社員が働く会社組織や
永続していく企業を前提に考えた場合に、
アスリートの話をそのまま当てはめようとすると、
少し無理が生じてくるように
感じたのだと思います。

とくにトップアスリートの話となると、
お話自体は勉強になりますが、
少し「現実感」が乏しくなってしまうのかもしれません。

その意味では、
一般的にはトップアスリートと
呼ばれていないけれど、
地道に頑張っているアスリートのお話の方が、
実は実社会には参考になるヒントが
埋もれているのかもしれません。

 

とはいえ、
今回いろいろと勉強になりました。

そのなかでも
個人的に最も印象に残ったフレーズを
1つ挙げるとすると、
「勝利の定義」
といったフレーズです。

今回のお話のなかで、
「勝てる人と勝てない人の違い」
というテーマがあり、
そのなかで出てきたフレーズです。

 

一般的には、
「アスリート=●△」
といったように
一括りで語られることが多いものですが、
実際には、アスリートのなかにも
いろいろなタイプの人がいらっしゃるようです。
(言われみれば、当然の話ではありますが)

必然的に、
「勝つ」の定義も
アスリートによっても異なる、
ということです。

この「勝利の定義」を
きちんと整理し、向き合って、
上手く付き合っていけるアスリートが
最終的には「勝てる人」につながる、
といったようなメッセージだと
私は受け取りました。

 

どうしても世間の評価も気になるものですが、
結局は、
「自分なりのモノサシ=勝利の定義」
を持てるかどうか、
ということです。

自分なりの「勝利の定義」をもって
取り組んでいければ、
自ずと世間の評価は後からついてくる、
ということかもしれません。

 

このお話を
一般ビジネス社会に当てはめて考えてみると、
会社として、個人として、
このような「勝利の定義」というものを
持つことができるかどうか、
が成功するうえでの大きなポイントになる、
ということだと思います。

「勝利の定義」を突き詰めていくと、
会社であれば「経営理念」
会社で働く社員であれば「個人理念」
といったところに最終的に行きつくと思います。

「経営理念(≒勝利の定義)」を追求できている組織や、
「個人理念(≒勝利の定義)」を追求しながら、
生き生きと仕事をしている社員が多い組織ほど、
最終的には「勝利(⇒事業継続・永続)」できる、
と表現しても良いかもしれません。

 

会社は「お金」が無くなれば
倒産してしまいますので、
稼げる事業になる必要があります。

但し、
そこに「経営理念」「個人理念」
がシンクロしていなければ、
結局は、継続することができず、
最終的な「勝利(⇒事業継続・永続)」に
結びつけるのは難しくなります。

 

会社がきちんとした「経営理念」をもち、
そのなかで社員が「個人理念」の追求を目指せる。

簡単ではありませんが、
このような経営を地道に作り上げていくことが、
最終的には「勝利」していけるのではないか、
と改めて感じさせられました。

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