よくマーケティング用語で、
「マーケットイン」
「プロダクトアウト」
という言葉が使われます。

最近は、
顧客志向が強く求められるなか
「マーケットイン」
の考え方の方が主流なのかもしれません。

一方で、
強い独自性を持ち、
付加価値の高い商品やサービスを
提供している会社のなかには、
「プロダクトアウト」
の考え方を押し通している会社もあります。

 

マーケットイン的な思考が行きすぎると、
顧客の言いなりになったり、
へりくだりすぎたりして、
逆に自社の首を絞めることにもつながります。

一方で、
顧客視点を無視した
プロダクトアウト思考ばかりでは、
ただの自己満足に陥り、
マーケットから見捨てられてしまいます。

 

ここで、
ふと疑問に思うことがありました。

「結局、
  マーケットイン思考とプロダクトアウト思考は、
  どちらの方が正解なのだろうか?」

Vol.15(3)

あくまで個人的な趣味の領域ではありますが、
この疑問について、
いつも自問自答を繰り返していました。

この問いについては、
「どちらも重要」
「両者のバランスが重要」
と言ってしまえば、それまでなのですが…。

ただ、
どちらか一方を選ぶとすると、
自分としては、
どちらの方が「より正解」と考えるべきなのか。

 

このようなことを考えているときに、
ある1冊の書籍を読んでいて、
「これが答えかも!?」
と感じさせられたことがありました。

その書籍は、
『スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営』
という本です。

 

最近は多くの経営者が書籍出版をされて、
独自の経営スタイルについて発信をしていますので、
いろいろな経営論を学べる機会も多く、
良い時代になりました。

上記の書籍も、
スノーピークの経営者である
山井太社長が書かれた本で、
同社の経営論について、
とてもよく理解できるものでした。

その書籍が発売された当時、
ちょうど山井社長が「カンブリア宮殿」にも
出演されていたので、
書籍と同時に山井社長の経営に対する思いも
深く知ることができました。

 

この書籍の中で、
大きく取り上げられているエピソードがあります。
(カンブリア宮殿でも取り上げられていました)

それは、山井社長ご自身が、
高価格の「これ以上ないと思える品質のテント」を
作って販売をした、
というエピソードです。

当初は、全社員が、
「1つも売れないだろう」
と思っていたようなのですが、
実際には、
それが予想以上に売れた、
とのことです。

高価格・高品質のテントが売れた、
という経験を通じて、
スノーピークの経営の方向性が明確になります。

書籍の中では、
「スノーピークはマーケティングは一切行ってこなかった」
「マーケットの状況から判断するのではなく、
  自社のミッション・ステートメントから考えていき、
  それを具体的戦略に落とし込む形でビジネス展開をしている」
といったような記載があります。

つまり、
この内容を素直に解釈すると、
スノーピークの経営は、
「プロダクトアウト思考」
の要素が強いと感じました。

 

「競争の激しい今の時代、
  付加価値を高め、強みをもって成長している会社は、
  流行りの『マーケットイン思考』ではなく、
 『プロダクトアウト思考』なのかも

最初にこの書籍から
私自身が感じた感想でした。

 

ただ、一方で
なんとなく違和感がありました。

というのも、
この書籍では、あらゆるところで、
「ユーザー目線(顧客目線)」
というメッセージがあったからです。

たとえば、
ユーザー(顧客)と交流できる
「スノーピークウェイ」
というイベントを毎年開催して、
ユーザー(顧客)と信頼関係を深めるとともに、
ユーザー(顧客)の声を聞いて製品開発に生かしている、
といったような記載もありました。

また、
SNSも積極的に活用したりしていて、
ユーザー(顧客)とのつながりを
大切にしたりもしています。

この書籍では、このような内容が
あらゆるところに記載されているため、
「これは、もしかして
 『マーケットイン思考』なのでは?」
という印象も強く感じました。

 

「結局、スノーピークは、
 『マーケットイン』なの?
  それとも『プロダクトアウト』なの?」

Vol.55(2)

私が感じた「違和感」「矛盾」です。

 

そして、何度か
この書籍を読みかえしているうちに、
この「違和感」「矛盾」に対して、
自分の中で徐々に整理ができ、
自分なりに答えが出ました。

長くなってきたので、
この後半は次回にしたいと思います。