平成27年10月12日~10月16日の適時開示情報をもとに、
「子会社を減らす」決断をした事例をご紹介いたします。

はじめに

今週は2件の事例をご紹介させていただきます。
「子会社を減らす」という決断は勇気がいるものですが、
経営者として重要な仕事の1つです。

是非、各事例における経営者の決断から
学べる部分を学ばせていただきましょう。

事例1)株式会社ミツウロコホールディングス

●平成27年10月16日開催の取締役会において、
平成28年4月1日を効力発生日として
株式会社ミツウロコビバレッジ(ミツウロコビバレッジ)の飲料水事業を
勝水株式会社(勝水)に承継させることを決議。

●ミツウロコビバレッジは、
飲料水の製造販売、飲食店の運営、管理等の事業を行っている。

●ミツウロコビバレッジの100%子会社である勝水においても
飲料水の製造販売事業を行っている。

●飲料水製造販売事業について
機動性、専門性を高めるべく、
飲料水製造販売部門を一社に事業統合し、
飲食事業部門を事業分離することにした。

●飲食事業部門においても、
現在は、飲食店、コンビニエンスストアの運営、施設内食堂の
運営等の事業を行っている。

●今後は、店舗の運営等にとどまらず、
広く食にかかわる事業に取り組み、
生活をゆたかにするために、
ミツウロコビバレッジにおいて「フード&プロビジョンズ」部門をたちあげ、
食に関するさまざまな事業に取り組んでいく。

事例2)株式会社ノーリツ

●平成27年10月14日開催の取締役会において、
当社連結子会社である株式会社エヌティーエスを
解散および清算することについて決議。

●株式会社エヌティーエスは、
国内で主に株式会社ノーリツが製造・販売した
温水・厨房・住設システム機器等のアフターサービスを
管理・運営することを目的に設立した。

設立後30年を経過し、
変化するアフターサービス環境への適応と、
グループ内機能重複解消および更なる効率化の推進、
アフターサービスに関する政策立案から実行の迅速化を図る
という観点から当該連結子会社の事業継続について検討。

●今後の厳しい事業環境をふまえ、
その事業及び人員を当社グループへ集約
解散および清算することといたしました。

レビュー

今週の事例はいかがでしたでしょうか?

今週ご紹介した事例の共通点は、
先週に引き続き、
「グループ経営資源の集中」
という点です。

 

まず事例1)については、
グループ子会社(孫会社)内での
事業再整理といった事例です。

同様な事業を行っているグループ会社について、
どちらか一方に、その事業を集約し、
グループ経営資源を集中させ、
事業の専門性を高め拡大をしていく、
という方針です。

グループ経営においては、
各グループ会社が成長を目指していく過程で、
次第に事業領域が広がり、
気づけば同様なことを複数のグループ会社で
実施しているということは、よくある話です。

そのため、
常に「グループの現状」を見つめ直し、
グループ経営資源の配分が適切に実施されているかを
確認し、必要に応じて修正をかけていくことは、
経営者として重要な仕事と言えるでしょう。

ちなみに、
管理的側面では、
「シェアードサービス」
としてグループ内で管理機能を
一元化する考え方があります。

シェアードサービスは、
グループ経営資源を集中させ、
専門性を高めるという視点ですが、
この「視点」は何も管理機能に限らず、
すべての機能について同様と言えるはずです。

今回の事例1)もその良い例と言ってもよいでしょう。

 

次に事例2)ですが、
こちらもグループ経営資源の集中による、
子会社の解散・清算ということです。

この子会社は設立されて以来、
30年以上も事業を継続しているとのことで、
グループとしては貴重な役割を担っていたことが窺えます

今回この子会社を解散・清算するとのことですが、
当子会社が担っていた機能自体を廃止するのではなく、
他のグループ会社へ吸収させるということです。

この子会社の業績も開示されていましたが、
決して赤字というわけでもありません。

このように歴史もあり、
業績も赤字ではない、にもかかわらず、
「グループ経営資源の最適配分」
という視点で見つめ直した結果、
解散・清算するという結論に至ったようです。

今回の事例からは、
・過去の延長線上で考えない
・常に最適なグループ組織デザインを見つめ直す
といった姿勢を学べます。

 

以上、今週のレビューでした。