これまで、
シェアードサービス導入にあたって
不可欠な工程である「業務の棚卸」について、
いろいろとお伝えしてきました。

業務の棚卸を通じて、
各社員の業務が見える化されれば、
それをシェアードサービス化していくための
出発点には立てるはずです。

但し、私としては、
シェアードサービス化を検討していただく前に、
もう1つ踏んでいただきたいステップがあります。

Vol.81(3)

それは、
「各自の業務を『フロー』にして見える化する」
というステップです。

 

企業組織においては、
業務を細分化して、
各社員に振り分けています。

分業体制にすることで、
効率性を上げたり、
生産量を上げたりしていき、
組織力を高めていきます。

多くの創業経営者は、
最初はほぼ1人で、
多くの工程を実施していますので、
このような分業体制の仕組みを作れることは、
企業組織としては大きな進化です。

ただ一方で、
このように業務が細分化され、
業務担当として各社員が割り当てられてくると、
同時に弊害も生じてくるものです。

Vol.15(3)

本来は、
「最初に業務(目的)があり、
その業務に社員が割り当てられる」
ものなのですが、
いったん業務が社員に割り当てられると、
この関係に微妙な変化が出てくるからです。

社員が独自に
不要な業務を増やしたり、
逆に必要な業務を削減したり、
といった弊害が起きるのです。

社員としては、
良かれと思って実施している場合もありますし、
また、自己保身のために
わざわざ作業を増やすことすらあります。

各社員が責任感を持って
クリエイティビティを発揮して、
与えられた業務を発展させていければ理想なのですが、
なかなかそのように上手くはいきません。

さらに、経営者としては、
現場で起きているこのような状況には
なかなか気づきづらいものです。

そのため、
「各社員の業務の棚卸(見える化)」
は重要な役割を果たしますが、
経営者にとっては、
それだけでは不十分だということです。

各社員の業務の棚卸をしただけでは、
「社員が独自に不要な業務を増やしたり、
逆に必要な業務を削減したり」
といった状況がわかりづらいからです。

Vol.39(4)

それではどうすれば、
このような弊害を把握できるかというと、
「各自が棚卸して見える化した各業務を
『フロー』の形にして見える化」
することだと考えています。

 

結局、各自の業務は、
それぞれ単独で存在するものではなく、
お互いに連携して出来上がるものです。

どのような仕事にも、
前工程、後工程があります。

業務には目的があり、
そのための「入口」と「出口」があり、
この「入口」と「出口」を結ぶものとして、
業務が流れているものです。

各自の業務は、
必ずこの「業務フロー」の中の
一部を構成するべきものです。

Vol.55(5)

そのため、
万が一、社員が独自に
不要な業務を増やしたり、
必要な業務を削減したりしていると、
この「業務フロー」に歪みが発生します。

各単体の業務だけを見ていると、
わかりづらいことも、
各業務を「フロー」の形で見える化することで、
見えてくるものがあるということです。

 

きちんとした「業務フロー」には
きちんとした「バリューチェーン」
構成されているものです。

これは、各業務が進むにつれて、
付加価値がアップしている状況です。

一方で、
業務フローのなかで、
このようなバリューチェーンの状況を
上手く見える化できない場合には、
注意が必要です。

業務フローに歪みがある状況なので、
業務を見直す必要があると考えてよいでしょう。

 

このような前提で考えると、
シェアードサービス化を目指すにあたって、
この「業務フロー」の意識は
不可欠だということです。

Vol.89(4)

不要な業務を
シェアードサービス化して
業務を標準化しても、
全く意味がありません。
各社員の業務の棚卸(見える化)が進んだ後には、
各業務を「業務フロー化」してみて、
バリューチェーンを確認することを、
是非意識していただきたいと思います。