前回の記事で、
中小企業がシェアードサービス化に
取り組むための最優先目的を
「業務標準化」
であるとお伝えさせていただきました。

業務の標準化ができた先には
いろいろな可能性が存在します。

ただ、
最初からいろいろなメリットを考えるよりは、
その基礎である「業務の標準化」にしっかり取り組むことが、
遠回りのようで近道になるはずです。

そこで今回は、
「業務を標準化するにあたって何から始めればよいか」
という点をお伝えさせていただきます。

Vol.58(1)

シェアードサービス機能で
業務の標準化をしようと考えた場合に、
最初にぶつかる壁は何でしょうか?

おそらく、
「どの業務をシェアードサービス化すべきか?」
といった点ではないかと思います。

一般的に多い事例としては、
間接部門の中でも、
・経理機能
・総務機能
・人事機能
といったものが挙げられると思います。

個人的にも、
まずはこのような一般的なところから
チャレンジしてみるのは悪くないと思います。

ただ、一気に業務のあり方を
変えていくのはリスクが高いですし、
経営者としては不安も大きいでしょう。

また、実際に取り組んでみて
初めて気づくことも多いはずです。

そのため、
最初は「小さな領域」トライアル的に始め、
上手くいけば領域を広げていく、
といった形で取り組むのが良いのではないでしょうか。

Vol.81(3)

失敗すれば、
また元に戻せばよいわけですし。

但し、その際に
取り組むべき「小さな領域」は、
どのような業務でも良いというわけではありません。

業務のなかにも、
シェアードサービス化に向かない業務や
シェアードサービス化が難しい業務もあります。

そのため、
シェアードサービス初心者としては、
まずは最も基本的な業務からトライをしていき、
徐々にレベルを上げていくやり方がベストでしょう。

 

そこで今回は、
シェアードサービス化する領域を決める際に、
参考になる2つの切り口をお伝えさせていただきます。

<切り口>
①一般的or専門的
②日常的or経営的

上記2つの切り口をもとに
業務を4つに分類すると以下のようなイメージです。

B(専門的&日常的) D(専門的&経営的)
A(一般的&日常的) C(一般的&経営的)

<業務の4分類>
・A:一般的知識を使った日常的な業務
・B:専門的知識を使った日常的な業務
・C:一般的知識を使った経営的な業務
・D:専門的知識を使った経営的な業務

 

切り口はいろいろあると思いますので、
整理の仕方は当然自由ですが、
整理軸が思い浮かばない場合には、
上記のA~Dの分類を参考にしていただくと良いと思います。

Vol.20(3)

 

仮に上記のように分類した場合に、
シェアードサービス化でまず取り組むべきは、
「Aの業務」
ということになります。

この「A」こそが、
もっとも標準化がしやすい業務になるはずですし、
作業ボリュームも多いはずですので、
シェアードサービスと親和性が高いと言えるでしょう。

理想としては、
シェアードサービス化の最終ゴールとして
「Dの業務」まで辿り着ければベストです。

ただ、まずは
「A⇒B⇒C⇒D」(上図:左下から右上へ)
といった順序でシェアードサービス化の領域を
少しずつ拡大していくのが現実的でしょう。

「D」に近づけば近づくほど
シェアードサービス化が難しくなりますし、
組織化していくのに知恵が必要になります。

「A」のシェアードサービス化が
きちんとできてない会社では、
おそらく「D」のシェアードサービス化は難しいでしょう。

それでは、具体的には、
どのような業務が「A」に該当するのでしょうか?

Vol.67(1)

これについては是非、
自社の業務を見つめ直していただき、
自社内でA~Dの分類を考えていただきたいと思っています。

考えるにあたっては、
まずは間接業務領域に絞って
考えていただいてよいと思います。

実は「この考える行為」の時点から、
シェアードサービス化がスタートしている、
と言っても過言ではありません。

実際に考えていくにあたっては、
「自社の業務の棚卸」
が必要でることを実感されると思います。

意外と多くの会社でできていないのが、
この「自社の業務の棚卸」です。

是非、良い機会だとプラスに考えていただき、
シェアードサービス化の前に、
まずは自社業務の棚卸を実施して、
A~Dへ分類してみてください。

 

シェアードサービス機能にも
会社それぞれの色があり、デザインがあります。

Vol.16(2)

外部の人間から、
「ここをシェアードサービス化しましょう」
といったような一般論を指導され、取り組むよりは、
自社で考え、悩み、デザインし、取り組んでいく方が
主体性も発揮され、きっと成功すると思います。

自社のことは、
やはり自社で考えていただきたいのです。

経営者や社員が、
主体性と強い意志をもって取り組んでいただければ、
必ず独自性のあるシェアードサービス機能が
出来あがるはずです。

また参考として、次回は、
シェアードサービス化の出発点である、
「自社業務の棚卸」
に関して、失敗しないためのポイントを
お伝えさせていただきます。