複数の会社を経営していると、
グループの全体像を把握するのは
やはり簡単ではありません。

数値把握も難しくなりますが、
現場で何が起きているかを、
タイムリーかつ正確に把握するのが
難しくなります。

この点は、
どれだけ優秀な経営者でも
苦労されていると思います。

グループ会社とはいえ、
別法人になると、
決算期が違ったり、
企業風土が異なってきたりします。

そのため、
社長個人の経験と勘による経営では、
グループ全体を把握し、
適切な経営判断をしていくのが難しくなるのも、
グループ経営の特徴です。

そのようなかで
多くのグループ経営者が
「結局、現状のグループ全体はどうなっているのか?」
といったモヤモヤ感を
感じていると思います。

Vol.18(4)

このモヤモヤ感を解消し、
グループの現状を
正確かつタイムリーに把握していくためには
どうしたらよいのでしょうか?

成功しているグループ経営者
残念なグループ経営者の違いは、
実は、この「現状把握力」の差が
大きいのではないかと思っています。

グループ全体の現状把握力です。

 

優れた経営者は、
この現状把握力にとても長けているものですが、
「グループ経営」という次元になると、
経営者個人の能力だけでは、
現状把握に限界が生じてきます。

成功しているグループ経営者は、
この「限界」も自覚したうえで、
個人の能力だけに頼らず、
グループ全体の現状を
組織的に把握する「仕組み」を
構築しているのです。

ここで役立つ仕組みとしては、
これまでも何度もお伝えしてきています
「ホールディングス」としての仕組み
「連結決算」の仕組み
といったものが挙げられます。

Vol.53(1)

そして、個人的には、
これらの「仕組み」のなかで、
是非トライをしていただきたいことがあります。

それは、
「連結業務フローの作成」
です。

上場会社では
J-SOXという制度の中で、
業務フローのようなものを作成しています。

また、
ISOを取得される企業も
業務フローのようなものを作成しています。

それぞれ目的は異なりますが、
「業務を見える化」
するという点では同様です。

もしかしたら、
「そんなもの今さら必要ないよ」
「似たようなものは既にあるよ」
「どうせ役に立たないよ」
と感じられるかもしれません。

いろいろなご意見はあると思いますが、
騙されたと思って、
業務フロー作りには、
是非取り組んでいただきたい、
と思っています。

それも、
グループ全体の業務フローです。

時間や労力はかかるとは思いますが、
業務フロー作りには、
それだけの価値がある、
と思っています。

Vol.25(2)

グループ全体の業務フローを作成する中で、
経営者のなかにある
グループ経営へのモヤモヤ感が
かなり軽減されるはずです。

なぜなら、
業務の流れを把握することは、
現場を知ることであり、
経営者と現場の距離感を
縮めてくれるからです。

但し、
業務フローを作成するにあたっては、
注意していただきたいこともあります。

それは、
①目的をはっきりすること
②活用することを意識して取り組むこと
です。

成果物としての業務フローが完成しても
形骸化されたものであれば、
ほとんど効果がありません。

やはり、
活用されてこその業務フローです。

上場会社のJ-SOXの資料でも
ISOの資料でも、
業務に活用されない状態に
陥っている例が少なくありません。

ただ単に、
制度対応のために作っただけ。
そのような状態になっていることが
本当に多いのです。

このような事例を反面教師として、
きちんと「活用できる業務フロー」を
作成していただきたいと思います。

そのためには、
繰り返しになりますが、
①目的をはっきりすること
②活用することを意識して取り組むこと
が重要です。

Vol.64(4)

実は、
J-SOXやISOについては、
もともと経営者が強い意志をもって
取り組んでいるケースばかりではありせん。

実際には、
制度対応するために、
仕方なく資料を作成している、
というケースも多いものです。

なぜこのような状況になっているというと、
①目的が「制度対応」であり、
②経営に活用することをもともと想定していない
からと言ってよいでしょう。

こう考えると、
J-SOXやISOの資料が
形骸化するのも納得いただけると思います。
ある意味「当初の目的通り」になっています。

 

一方で、私が
「業務フローを作成しましょう」
と言っているのは、
制度対応のためではありません。

あくまで、
「グループ経営に役立たせること」
が目的です。

Vol.59(3)

そう考えると、
①目的をはっきりすること
②活用することを意識して取り組むこと
が取組みの「原点」として
とても重要になるということです。

それでは、
上記①②を意識した業務フロー作りを
具体的にどのように取り組めばよいのか、
についてですが、少し長くなりましたので、
次回にもう少し触れさせていただきます。

私もこれまで多くの会社の
業務フロー作りに携わってきました。

その経験を通じて感じた
反省点やポイントをもとに、
お伝えさせていただきたいと思います。