私はこれまで、
連結決算の仕組み作りの
支援を実施してきました。
ひと言で
「連結決算の仕組み」
といっても、
そのニーズは各社様々です。
「連結グループの業務改革をしたい」
「連結グループ組織再編をしたい」
「連結グループシナジー効果を上げたい」
いろいろな取り組みが考えられます。
ただ、
そのほとんどに共通しているのは、
「連結決算書を作る体制を構築したい」
といったニーズが、
入口であったことです。
やはり、
成果物としての「連結決算書」は
わかりやすいゴールと言えるでしょう。
ただ、
いったん「連結決算書」を作る流れを把握し、
仕組み化されてくると、
経営者としては
新たな課題が見えてくるようです。
そのなかで、
グループシナジー効果を高めるためや
グループ経営の問題点を解決するために、
「グループ業務改革」
「グループ組織再編」
といった展開につながっていきます。
このようななかで、
結局いつも私が思うのが、
どんなに優秀なグループ経営者でも
グループ全体を完全に把握し、
経営ができているわけではない、
ということです。
だからといって、
経営者としてレベルが低い、
といった話ではありません。
逆に、
どれだけスーパーマン経営者であっても
グループ経営はとても難しい、
という事実がある、
ということです。
どうしても
グループ会社が増えると、
グループ最適な経営判断や
俯瞰的な視点での経営が
物理的に困難になっていく事実は
否定できません。
だからこそ、
成功しているグループ経営者は、
連結決算書が完成しただけでは満足できない、
のだと思います。
入口は「連結決算書の作成」であっても、
さらなる企業成長のために、
「グループ業務改革」
「グループ組織再編」
といったことを通じて、
グループ経営の課題を少しでも改善していこう、
という展開につながっていきます。
ちなみに、
「成功しているグループ経営者」
の私なりの簡単な定義は、
「1+1>2」
のグループ経営を実現できている
経営者です。
私の経験上、
複数会社経営のレベルは、
以下のような3段階に
分けられると考えています。
【レベル1】 1+1<2(残念な複数会社経営)
【レベル2】 1+1=2(単なる複数会社経営)
【レベル3】 1+1>2(成功しているグループ経営)
そして、
これもあくまで私の感覚で恐縮ですが、
レベル1~レベル3それぞれの占める割合は、
【レベル1】 残念な複数会社経営:50%
【レベル2】 単なる複数会社経営:30%
【レベル3】 成功しているグループ経営:20%
といった感じです。
残念な複数会社経営だと感じることが
実際には多いものです。
また、実際には20%程度である
【レベル3】の中にもレベル感はあります。
ただ、
まずは「1+1>2」にすることは、
グループ経営を進めるうえで目標ですので、
この上位20%に入れるかどうかは、
永続企業の前提になるでしょう。
一方で、
グループの経営にあたって
特別な「経営スキル」や「経営ノウハウ」がある、
というわけではない、とも考えています。
1つの会社であっても
複数の会社であっても、
やはり経営スタイルは、
各経営者の哲学によるものです。
経営哲学について
私のような外部の人間が軽々しく、
「こうすべき」
といったようなことは言えません。
私は私なりの経営哲学はありますが、
一方で経営者には
それぞれの経営哲学や経営理念があります。
結局は、
「連結決算の仕組み」
「連結グループ経営の仕組み」
といっても、
経営哲学レベルで、
「こうすべきです」
といった話ではありせん。
どちらかというと、
経営者ご自身が
グループ経営というなかで、
独自の「経営哲学」「経営理念」を
より効果的に実践していくための
「1つのツール=連結決算の仕組み」
といった方が適切かもしれません。
成功しているグループ経営者は、
この「連結決算の仕組み」を上手く活用して、
なんとかグループ全体をコントロールしている、
ということです。
以上をまとめると、
「成功しているグループ経営者」
とは、以下のような経営者と考えています。
●グループ経営レベルで
●自身の経営哲学・経営理念を実践するために、
●独自の「連結決算の仕組み」を構築・活用し、
●グループとして「1+1>2」を実現できている
永続するグループ経営実践のために、
経営に使える「連結決算の仕組み」を構築し、
活用していただきたいと思います。