連結グループ経営を実践するうえで
社長にも知っておいていただきたい知識の解説です。

解説

初めて株式上場に取り組むと、
いろいろなことに戸惑うものです。

株式上場をしていなければ、
社長が自由に会社のことを
決められることが多いと思います。

一方で、
株式上場となると、
そのあたりの「社長の自由度」が
極端に小さなくなります。

正確に表現すると、
本来は自由度はあるのですが、
公明正大に公に開示して、
了解を得ていくステップが必要になる、
ということです。

結局は、
実質的に「自由度」が
小さなくなると言えるでしょう。

「プライベートカンパニー」から
「パブリックカンパニー」に変わっていく過程
株式上場を目指すということになります。

株式上場を目指す過程では、
社長としては、
「こんなこともしないといけないの?」
「これはやっちゃいけないの?」
と思われることが結構あると思います。

そのなかで、
「会社と社長の取引の解消」
というテーマがあります。

株式上場を目指す過程で、
証券会社や監査法人から、
要求されることの1つです。

簡単に言うと、
「上場するなら、疑われるような取引は無くしましょう」
ということです。

たとえば、
未上場会社でよくある取引だと思いますが、
上場時には解消を求められるのが、
・社長と会社との間の不動産取引
・社長と会社との間の貸付金取引
といったようなものです。

ポイントは
●取引の経済合理性
●取引の必要性
です。

取引の経済合理性

まず、
「その取引が経済合理的かどうか」
です。

一般的には、
社長に有利になるような条件で、
会社との間で取引をしているケースがあります。

当然、税務上許容される範囲で
実施されているかとは思いますが、
株式上場となると、
「税務上では許容範囲だから」
といった説明では許してもらえません。

あくまで、
第三者と同じ条件での取引になっているかどうか、
という点を審査されます。

極端に言うと、
社長の場合には、
「第三者よりも、より厳しい取引条件にしている」
くらいのことが言えないと、
「疑われないレベル」とは言えないでしょう。

取引の必要性

次に、
「その取引に必要性があるかどうか」
です。

結局、取引金額等が合理的であっても、
そもそもその取引自体を
実行する必要性が低いものであれば解消しましょう、
と言われてしまいます。

やはり、
通常の第三者であれば、
そのような取引をしないようなものであれば、
わざわざ社長との間で、
そのような取引をする必要性がない、
ということです。

結局は、
「変に疑われる可能性があるものは、
出来る限り無くして下さい」
というスタンスになります。

適切な開示

「社長と会社との間の取引」についても
上記のように強く解消を求められます。

但し、
会社にとって、
●取引の経済合理性
●取引の必要性
がある取引の場合には、
残すことも可能な場合があります。

その場合であっても、
その内容と理由をきちんと開示する必要があります。

株式上場したら提出が必要な
有価証券報告書において、
関連当事者との取引
という項目で記載する必要があります。

ガラス張りになったうえで、
堂々と主張できるかどうか。

これが、取引を残す場合の条件です。

株式上場するということ

株式上場をするということは、
「パブリックカンパニーに変わる」
ということです。

実態としては、
株式上場後においても、
大株主である社長が、
強い影響力を与え続けるケースは多いと思いますが、
社長の「プライベートカンパニー」ではなくなります。

「自分の会社」から「みんなの会社」になります。

1株でも保有してくれる少数株主にとって、
不利になるようなことは
基本的にはできなくなります。

このあたりを
きちんと納得したうえで
株式上場を決断する必要があります。