前回の記事で、
グループ全体で「良い組織習慣」を作るためには、
ホールディングス経営が効果的である、
とお伝えさせていただきました。

今回は、
その補足をさせていただきます。

まず、
ホールディングス経営と一口に言っても、
いろいろな構造が考えられます。

グループ経営をしている会社で
ホールディングス移行する例が
最近は目立ちます。

とはいえ、
ホールディングス経営は、
採用され始めて歴史の浅い形態です。

その活用の仕方も
試行錯誤な側面が多いのも事実です。

ホールディングス化したものの、
あまり使いこなせていない事例も
よく耳にします。

Vol.33(2)

逆に、そうだからこそ、
ホールディングスには、
まだまだ、いろいろな可能性がある、
と私は思っています。

ホールディングカンパニーが
グループリーダーシップを発揮して、
グループ全体を指揮統括していくこと。

各子会社に権限と責任を委譲し、
スピード感あるグループ経営を実践していくこと。

M&A等に対応できる、
機動的なグループ経営を目指すこと。

いろいろな目的はあると思いますが、
何を目的にするかは、
経営者が決めれば良いと思います。

おそらく、
多くの経営者は、
トップダウンとボトムアップの
両方のバランスがとれた経営
ホールディングス経営に
期待をしているのではないかと思います。

Vol.76(4)

但し、
私はグループの形を変えても
そこに魂が入っていなければ、
実態を変えていくのは難しいと思っています。

なぜならば、
上記に挙げたような目的は、
別にホールディングスにしなくても、
チャレンジできるような内容だからです。

そのようななかで、
これからのグループ経営の形として、
フォロー型のホールディングス経営に
大きな可能性を感じています。

参考として、
Vol.65 これからのホールディングス経営の形は?
Vol.76 ホールディングカンパニーの絶妙な立ち位置
Vol.96 グループ「経営参謀」としてのホールディングカンパニー
等の記事もご参照いただければと思います。

つまり、
グループの先頭に立って、
リーダーシップを発揮するとともに、
グループの最後尾で現場をフォローする
ようなホールディングス経営です。

Vol.65(1)

とくに、
この「フォロー」する役割を
ホールディングカンパニーに
きちんとミッションとして与えること。

これが、ポイントだと思っています。

グループ内で「良い組織習慣」を
根付かせていくためには、
個人の意志に頼っていては難しいです。

習慣化が
得意な社員もいると思いますが、
苦手な社員もいるはずです。

人それぞれ、
強み、弱みがあり、性格も違います。

組織としては、
その事実を受け入れたうえで、
習慣化が苦手な社員でも、
ついて来れるような形にするのが、
組織の「仕組み」です。

Vol.81(3)

個人の努力も当然必要ですが、
個人の努力が難しい場面において、
フォローしてあげるのも組織の役割だということです。

そう考えた場合、
組織として、
「個々人をフォローする役割」
がとても重要になってきます。

組織としての仕組みの中で、
個人の習慣化をサポートしてあげることで、
逆に個人の意志の強さを作ってあげる、
くらいの考え方で臨むべきだと思っています。

そして、
グループ経営の場合には、
このサポート役を
ホールディングカンパニーが担うのが
最適だと思うのです。

経営者の経営参謀として、
かつ、現場のサポート役として、
ホールディングカンパニーが活躍する経営。

Vol.74(5)

このようなホールディングス経営が、
トップダウンとボトムアップの
絶妙なバランスの実現を可能にしてくれます。

実は、
個々人をフォローする役割というのは、
結構難しい役割です。

口を酸っぱくしてでも、
フォローする必要があります。

ときには、
嫌われ役になるかもしれません。

それでも、
このような役割を担えるのは、
やはり「親」である、
ホールディングカンパニーです。

子が嫌がるようなことでも
子の成長のためであれば、
いろいろな切り口を用いて、
親としてフォローし続ける必要があるのです。

多くの会社では
この「フォロー役」が中途半端になったり、
「言ってもムダ」と諦めたりするので、
習慣化が組織に根付きません。

この最大の原因は、
「フォローできなくても許される」
という仕事になっているから、
だと思います。

これでは、
習慣化も難しいです。

一方で、
ホールディングカンパニーのミッションを
「メイン業務=子会社・グループ社員をフォローすること」
と明確にしたうえで法人化することで
このような「逃げ」はできなくなります。

Vol.74(3)

それをやらなければ、
法人の「存在意義」が無くなるからです。

 

社長としてやるべきことは、
2つです。

1つは、
グループ経営の形をデザインし、
きちんとホールディングスの形を作ること。

そしてもう1つは、
ホールディングカンパニーに、
「現場フォロー」というミッション(存在意義)を
きちんと与えること。

この2つを意識したうえで、
グループ内に「良い組織習慣」を
根付かせるよう取り組んでみていただきたい、
と思います。